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激痛の再発を恐れ“痛み止め”を服用し続けた結果、薬物依存症に… 将来有望なスポーツ少年が陥った“鎮痛剤の恐怖”

 今回紹介する動画は、ゆっくりするところさんが投稿した『鎮痛剤依存症』。
 2015年アメリカで発生した薬物依存症の事例について、音声合成ソフトを使用して解説した動画を紹介します。


■きっかけは部活中の怪我

魔理沙:
 今回紹介するのは、以前リクエストをもらっていた、とある依存症に関する事例だ。

霊夢:
 依存症? なんか珍しい始まり方するわね。

魔理沙:
 ああ、これは一般の人々、多くの人にも関係のある事例で、誰にでも起こりうるものの話だ。今回の動画では、比較的ショッキングな表現は少ないので、安心して視聴してくれ。

霊夢:
 えっ! そうなの?

魔理沙:
 ただ、これはあくまでも概要を伝えるものであり、全ての事柄を詳細に正確に解説する動画ではない。以上のこと、コメントガイドラインを理解し、了承できる人のみ視聴・コメントしてくれ。

霊夢:
 おっけーおっけーよ!

魔理沙:
 ヨシヨシ、それじゃ早速本題に入るぜ。アメリカ合衆国北東部、ニューイングランド地方に位置する「マサチューセッツ州」。

 ここは北海道の約3分の1ほどの、米国としては比較的面積の狭い地域ではあるが、約600万人以上が暮らし、非常に人口密度の高い場所で、かつてヨーロッパからの移民によって作られた州都「ボストン」は、17世紀頃の面影を色濃く残す、レンガ造りの街並みが現在でも残っており、観光地としても人気がある場所だ。

霊夢:
 へぇ~! おしゃれなところね。

魔理沙:
 2015年。そんなここマサチューセッツで暮らす男性「Aさん」。彼は市内の高校に通う学生で、この日は部活の練習を行っていた。Aさんは非常にスポーツが得意で、アメリカンフットボールクラブに所属しており、リーダーではなかったものの、チームの中で主力的立場に位置するスポーツマンだった。

 彼はその他にも、アイスホッケーなどのスポーツも得意で、学校ではちょっとした有名人だった。

霊夢:
 へぇ、そういうスポーツ万能な人って本当にいるのね。

魔理沙:
 センスだけではなく、彼は日々の鍛錬も怠らない真面目な性格をしており、今まで以上にチームを勝利に導くため、この日も練習に明け暮れていたところだった。
 しかし、その練習の最中に、誤って激しく転倒してしまい、左の手首を骨折してしまう事故を起こしてしまった。

霊夢:
 うぅぅ……痛そう……。

魔理沙:
 すぐに救急車で近くの病院に運ばれ、処置が行われた。彼はそのまま1日入院することになってしまった。Aさんは普段から事故には注意して練習をしているつもりだったので、自分がこのような怪我をしてしまったことに大変ショックを受けた。

 そんな彼に追い打ちをかけるように、事故から時間が経ってくると、腕の痛みが徐々に現れ始め、彼は苦痛に悶えた。

霊夢:
 そういうのって、事故直後はあんまり痛みを感じないのよね……。

魔理沙:
 そのためAさんは病室のベッドで、すぐに処方された鎮痛剤を飲んだ。それからしばらくすると、先ほどまでの激痛は嘘のように収まり、気分も良くなってきた

霊夢:
 骨折の痛みに使うような鎮痛剤だと、市販のものより強そうだし効くんでしょうね。

魔理沙:
 ああ。鎮痛剤の効果はてき面で、彼は安心して休むことができた。しかし、それもずっとは続かない。時間が経てば再び先ほどの激痛に襲われ、彼はその度に処方された鎮痛剤をのみ、痛みを和らげるという繰り返しだった。

霊夢:
 ちょっとした怪我とか、軽い頭痛くらいなら一回飲めば治ることもあるけど、骨折じゃそうはいかないでしょうしね……。でも、よく考えると、そんな激痛が薬で一時的にでも良くなるってすごいことよね。

■ヒトが痛みを感じる仕組み

魔理沙:
 そうだな。痛みを感じる仕組みを細かく説明すると、長くなってしまうので割愛するが、人が痛みを感じる時というのは、何かしらの刺激を受け、神経を通じて脳へと信号が送られ、脳がそれをキャッチすると、痛みを認識する。

 怪我をすると、そこが腫れあがったり、赤くなったりすることがあるだろう? あれは人の脳が「幹部を守らなければ」と命令を出し、あえて痛みを強めたり腫れ上がったりさせる物質を分泌させ、そこを物理的に守ろうとするため、怪我をすると痛みを感じるようになっているんだ。

霊夢:
 そっか、そこが痛ければ大事にするもんね。

魔理沙:
 そして、鎮痛剤には主に医療用麻酔と非・麻薬性鎮痛剤の2種類がある。医療用麻酔でよく使われるのは「オピオイド系鎮痛剤」と呼ばれるもので、脳にけがをしたことを伝えるための伝達物質を作りにくくする薬だ。

 これは非常に効果が大きい一方、脳に影響を及ぼす場合もあり、骨折などの重症患者や一ヶ月以上続く慢性的な痛みに悩まされる患者に処方されることが多いが、我が国では専門の資格を持った医師しか処方することができない。モルヒネなどが代表的だな。

霊夢:
 あ、それガン治療とかで聞いたことあるわね。

魔理沙:
 その一方で、非・麻薬性鎮痛剤の方は患部で発生する、痛みを強めたり腫れを起こさせる物質を作りにくくするもので、日本でも広く処方されている。

霊夢:
 それがロキソニンとかアスピリンとか?

魔理沙:
 代表的なのはそのあたりだな。Aさんに処方されていたのは前者のオピオイド系鎮痛剤だった。ただ、このオピオイド系鎮痛剤の原料は、ケシの実から採取される成分を化合したものであり、依存性を伴っていた。

霊夢:
 け、ケシの実って麻薬の……。

魔理沙:
 そのため、先述したように、資格を持った医師しか処方できないものだったが、ここアメリカの場合は、短時間の講習を受けていれば、どの医師でも処方することが可能となっていた。

霊夢:
 そういうのって、国によっても結構違うもんなのね。

■最終的には引きこもりに

魔理沙:
 彼は痛みが出れば、薬を飲んでそれを抑えていたんだが、人間の体というのは、同じ薬を使い続けていると、どんどん効果が薄くなっていき、量を増やしていかなければ、効き目が現れなくなってしまう。

霊夢:
 それもよく言われるわよね。

魔理沙:
 これは人間の持つ耐性によるもので、耐性を作ってしまう薬と、そうでないものがあると言われているが、長く服用を続けていると、その薬に対して抵抗力を持ってしまい、効果が薄くなっていく。Aさんはこの繰り返し薬を飲む生活を続け、想定よりも早く退院することができた。

霊夢:
 あら、良かったじゃない!

魔理沙:
 綺麗に骨折していたせいか、元に戻るのも早かった。今では腕もほとんど痛まなかったが、Aさんはあの時の凄まじい痛みにまた襲われることを恐れ、念のために医師に相談し、再び鎮痛剤を処方してもらっていた。

 そして退院後。すでに骨折はほとんど治っていたはずだったが、彼は入院中に定期的に自分を襲っていた、あの地獄のような痛みがまた来るんじゃないかという不安で、「そろそろ痛むかもしれない」と思い込んでしまい、まだ痛くもないのに処方された薬を飲んでいた

霊夢:
 気持ちはわかるけど……それって危ないんじゃ……。

魔理沙:
 今度は痛みそのものではなく、痛みが来るかもしれないという恐怖に支配され、薬を服用する日々が始まった。それから約1週間後、Aさんは学校の仲間たちと旅行に出かけていたが、その最中に突然体に原因不明の異変が起きた。

 今まで感じたことのないような、凄まじい倦怠感で、歩くことすら辛く、また全身からは異常なほどの汗をかき、その日はほとんど眠ることができなかった。実は彼はこの旅行に、あの鎮痛剤を持ってくるのを忘れてしまい、そのことを思い出した瞬間、この症状に襲われてしまったんだ。

霊夢:
 それ、禁断症状みたいになってるじゃないの……。

魔理沙:
 ああ。この頃になると彼は鎮痛剤に依存してしまい、それが飲めなくなったことによって禁断症状が現れるほどの体になってしまっていたんだ。帰宅後、鎮痛剤を飲むことによって、これらの症状は落ち着いていったが、今度は腕の痛みがくる恐怖に加え「薬を飲まないとあの症状が出るという」精神的な不安から、より薬を手放せなくなってしまった。

霊夢:
 こわぁ……。

魔理沙:
 しかし、退院するときに医師に処方された薬はもう底をついてしまった。なんとかあの鎮痛剤を手に入れる術を模索した彼は、ネット上の個人輸入サイトで、例の薬を高額で購入するようになった。

霊夢:
 どんどん危ない方向に……。

魔理沙:
 それからというもの、彼は体力的、精神的にも疲弊し、周りの人とコミュニケーションをとることすら辛くなり、最終的には引きこもりのようになってしまい、大学を中退し、人間らしい生活を送れなくなってしまった。

霊夢:
 そ、そんなになっちゃうの……?

魔理沙:
 ああ。彼は鎮痛剤を飲めば気持ちが落ち着いて眠ることができていたが、それも耐性ができて、服用量がどんどん増えていってしまう、負の連鎖に陥ってしまい、このような状態になっていた。

 家族とも疎遠になってしまっていたが、この状態ではやがて「命を落としてしまう」と考え、一念発起して全てを家族に話した。両親は衝撃を受けたが、息子の告白を受け入れ、共に薬物依存の治療プログラムに参加するようになった。

 そこでは、依存していた薬こそ違うものの、自分と同じような苦しみを味わう人たちを見て、「辛いのは自分だけじゃないんだ」と感じることができた。

 それからというもの、彼は人が変わったかのように、薬物から抜け出す努力を続け、約10年間、このプログラムに参加し続け、ついにあの薬から手を引くことに成功した。

霊夢:
 それでもそんなにかかったんだ……。

魔理沙:
 そして、彼はようやく本来の生活に戻ることができ、身体も精神も健康体になって就職し、その5年後には結婚。2児の父となった。

霊夢:
 うぅ……よかった……。

魔理沙:
 その後、彼は自身の経験を活かし、「自分のような依存者を救いたいと」考えるようになり、薬物依存者のサポートを行う会社を立ち上げ、鎮痛剤の処方の制限が見直されるよう、活動を行っているという。

霊夢:
 立派な人ね。

■用法用量を守って正しく服用を

魔理沙:
 これは市販されていない、医療用の鎮痛剤で発生した依存症の事例だったが、これと同じことは睡眠薬や抗不安剤、そして一般に流通している風邪薬などでも起きることがあると言われている。

霊夢:
 風邪薬でも?

魔理沙:
 現在、薬物依存の対象となりえる市販薬は、鎮咳去痰薬、総合感冒薬、解熱鎮痛薬、鎮痛薬の4つとされている。
 例えば、中枢神経の刺激作用のあるメチルエフェドリンが含まれていたり、Aさんも利用していた薬に含まれていたオピオイドと同様、中枢神経の抑制作用のあるジヒドロコデインという成分が含まれているもの、そして解熱鎮痛剤や鎮静薬に含まれるプロモバレリル尿素という成分に依存性が認められている。
 これらの薬を長期間服用していると徐々にその量が増えていき、過剰摂取となって病院に運ばれるケースも少なくない。

霊夢:
 結構簡単に手に入るものばっかりじゃないの……。

魔理沙:
 ここまで市販薬の危険な面ばかり紹介してしまったが、一般的に、市販薬に含まれる成分の薬理効果は処方薬に比べてそれほど強くはない。薬に付属している注意をよく読み、用法用量を守って正しく服用すれば、特に問題はない

 だが服用する期間があまりに長期だったり、Aさんのように「今から具合が悪くなるかもしれない」という状態で服用してしまうと、依存症に陥ってしまうリスクは存在する。

 通常、痛み止めなどの薬は、体に痛みが現れている時に服用する分にはほとんど依存の心配はないが、痛みがなく、脳も正常に動いている時に服用してしまうと、快楽物質が大量に分泌され、それが原因で中毒症状を引き起こし、依存につながることもある。

霊夢:
 そういうことだったんだ……。薬って本当に薬にも毒にもなるものなのよね……。

魔理沙:
 ああ。薬には必ず副作用などの負の面も存在するということを忘れず、必ず医師や薬剤師の指導のもと、正しく付き合っていかなきゃならないものなんだ。

霊夢:
 これは私たちも他人事じゃないわね……。薬を使うときはちゃんと説明書読もう……。

魔理沙:
 Aさんの場合は、幸いなことに命にかかわらなかったが、薬によっては過剰服用などで死亡するような事故もあるからな。

 

 痛みを和らげてくれる薬は必ず用法用量を正しく守って使用するようにしましょう。
 この解説をノーカットで聞きたい方はぜひ動画を視聴してください。


▼動画はこちらから視聴できます▼

鎮痛剤依存症

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