あなたの上司は大丈夫? 部下を鬱に追い込む“パワハラ上司”への対処法は「心が病んでいるんだね」とカウンセラー目線で接すること
パワハラ上司への対処法2「子供の頃、お母さんに兄弟で比べられたんだね」
山田:
「悲しみのバックストーリー製作委員会」っていうのを説明しますね。俺のニコ生番組のスピンオフが放送されたときに、ニコニコのコメントで「山田玲司の番組より面白い」というコメントが流れたんだよ。で、俺はそれに傷ついたんだよ(笑)、俺の番組もスピンオフも、両方とも面白いでいいじゃないかと思ったんだけどね。俺はこの時「悲しみのバックストーリー委員会」を作りました。
なんで「山田玲司の番組より面白い」なんて言ったんだろう……ああ、そうだ「こっちの方が面白い」とかって言っちゃう奴は、多分お兄ちゃんとか弟がいて、常にお母さんに比べられてたんだ、お兄ちゃんの方ができるんだとか、言って常に比べられていたんだ。だから、あっちの方がいい、こっちの方がいい、って言ってしまう悲しみを抱えた奴になってしまったんだ。なんて思うと、全ての上司の発言についてなぜこの人はこんな悲しいことを言うのかなと。
乙君:
因果があったと。
山田:
そう、因果を自分で考えるっていうあたりが、結構いいかなーと思うけど、辞めてもいいと思うけどね(笑)。
乙君:
ひとついいですか。
山田:
はい、なんですか。
乙君:
このニュースで取り上げられているのは、うつに追い込んでしまう自覚のないデキる上司じゃないですか。じゃあ上司はどうしたらいいのかっていう話なんですよ。部下のメンタリティーの解決方法も大事ですけど、それは玲司さんの書いた『年上の義務』【※】を読めということでよろしいでしょうか(笑)。
※年上の義務
山田玲司氏が2016年に発表した新書。内容は山田氏が各界の有名人へのインタビューを続ける中で導いた、大人が果たすべき3つの義務を伝授するというもの。
山田:
いや、そんなことないよ!
部下への「ぼくはできたよ」はタブー
乙君:
いい感じに落とそうと思ったのに(笑)。
山田:
『年上の義務』で主張したのは、「ご機嫌でいること」、「愚痴らないこと」、「威張らないこと」。この3つができなかったら人の上に立つ資格はない、と俺は思っているんです。
乙君:
なるほど。
山田:
あと、もうひとつ。上司は「ぼくはできたよ(笑)」と、よく笑い話にしてますけど……。
乙君:
はい、手塚治虫方式ですね(笑)。
山田:
あれを言って許されるのは、手塚先生だけだよ。どうしても、自分ができることは、相手もできると思っちゃうんだよね。まあ、手塚先生がそう思っちゃったおかげで日本は、これだけのアニメ・漫画大国になれたんだよな……。だけど他の媒体や日常で使ったら、これは被害者だらけだよ。だって「自分ができたからお前もできるだろう!」ってやられたら困るよね。
だからね……それは大した苦労なくできた人なんだよね。本来は、本当に頑張ってできなかったことができるようになった人が上司になるべきだし、教える側になった方が良いんじゃないの。教師とかになった方がいいんじゃないのって思うよね。