かわいい魔王様と田舎で新婚生活!? 『魔王が田舎に嫁いだら』はゆっくり滅びる田舎を舞台に織りなすハートフルラブコメ
ニコニコ漫画「ニコニコキューン」にて掲載中の『魔王が田舎に嫁いだら』で描かれるのは、魔王を名乗る美少女と田舎で送るうれしはずかしな新婚スローライフです。
ゆるやかに滅びゆく田舎町と、そこに根付いた儚き人類に対し、魔王っ娘は何をもたらすのか。
作者:隆原ヒロタ(@hirotatakahara)
魔王さまと迎える田舎の朝
海と山に囲まれた田舎町に、朝がやってきます。
民家の和室から「おはおーぅ旦那様ぁ……」と起きてきたのは、魔王ノノア・モア・アレハ。
黒い翼と尻尾が目を引くノノアさんは、寝ぼけ眼で“旦那様”の朝食作りをお手伝い。
こうしてふたりは朝食にありついたわけなのですが……いやはやどうしてこうなった!?
彼女の夫である山田舎人(やまだ とねり)は、この状況を未だ信じがたく思っているようです。
なぜこんな寒村に暮らす一般男性が、魔王様と結婚することになったのか。
話は数日前、庭いじりをしていた舎人の前にノノアさんが現れた日までさかのぼります。
突如降臨した魔王を刺激しないよう、恐る恐るこの田舎に来た理由を尋ねる舎人。
すると彼女は、“滅びを司る魔王”としてこの田舎の滅びゆく様子を見届けに来たのだと語ります。
ここら一帯の“ホロビタリティ”の高さに目を輝かせるノノアさん。
あくまで自らは手を下さずに滅びをただ愛でるのだと話す彼女に、舎人は変わった人だなという目線を向けます。
そして思わず、「魔王さんみたいな素敵な方に看取られて最期を迎えられれば幸せかもしれませんね……」とつぶやいてしまい。
彼女にとってみれば、そんな舎人の言葉は“俺の味噌汁を毎朝作ってくれ”的な響きに聞こえたのか。
「そこまで情熱的に求愛されては仕方ないのう!」と顔を赤らめたノノアさんは、豪快にも彼のプロポーズを受け入れるのでした。な、なんというミラクル……!
夫婦で駄菓子屋ショッピング!
そんなこんなで、ぬるりと始まった舎人とノノアさんの新婚田舎暮らし。
この日は「蜂蜜せんべいがのうなった!」とノノアさんが騒ぎ出したため、ふたりで駄菓子屋に行くことになります。
あぜ道を歩くノノアさんの背中を追いながら、ふとあの日のプロポーズを思い返して気まずく思う舎人。
しかし彼女はそんなことなどつゆ知らず、弾けるような笑顔でこちらの手を引いてくれます。……魔王との結婚生活、最高かよ。
ホロビタリティ満載の駄菓子屋に着いたふたりを、店のおばちゃんが出迎えてくれます。
やはりお歳を召した方との会話は、地元民の舎人ですらも困難を要する様子(なまりのキツさ的な意味で)。
舎人からの「妻……です……!」という紹介に続いて、「ですじゃ!」とピースするノノアさん。
こうした男勝りな部分もさることながら、裏ではきっちり照れていて翼をパタパタさせているところがかわいすぎる!
“滅びを司る魔王”なんて肩書きが、いい意味で似合わない彼女なのでした。
蜂蜜せんべいを買いに来たという当初の目的も忘れ、スーパーボールくじに興じることにしたふたり。
ここでノノアさんは、宣言通りに1番を引き当てる豪運を見せるのですが……。
なぜか1番の景品がすでにないという、“田舎の駄菓子屋あるある”を食らって意気消沈。
残念賞として手渡された小さなスーパーボールを、怒りに任せてヤバげな球体に変えてしまうノノアさん。
危うい雰囲気を察知した舎人は、ここでとっさに“うま○棒”の味変テク(?)を披露し……!
なんとか彼女から「滅びとる……」のひと言を引き出して、この田舎を消滅の危機から救うのでした。
田舎に舞い降りた一筋の希望
駄菓子屋をエンジョイした後、なりゆきから腰を悪くしたおばちゃんに変わって畑仕事を手伝うことになった舎人。
汗水垂らして人助けをする夫に対し、“なぜそうまでして滅びの流れに逆らおうとするのか”とノノアさんは問いかけます。
しかし舎人にとっては、こうしてお年寄りの手伝いをするのも何ら特別ではない自然なこと。
別段、滅びに抗おうとも、田舎の再興を目指そうともしているわけではなく、ただただこの暮らしが好きなだけなのです。
何よりも舎人の背中を押していたのは、もう一度ノノアさんとあの店に行きたいという願い。
それは彼女がこの田舎に嫁いできたことで生まれた、儚くも確かな“希望”だと言えました。
そんな舎人の言葉に心打たれたノノアさんは、自慢の翼を使って旦那様の仕事をサポートすることに。
彼女に手を引かれて空を舞うなか、不意に舎人は「もう一度僕にプロポーズをさせてください!」と言い出します。
この前の言葉でノノアさんを勘違いさせてしまったからと、今度こそ正真正銘のプロポーズの言葉を叫ぶ舎人。
この田舎の緩やかな滅びだけでなく、ここでの暮らしも全部含めて彼女に看取ってもらいたい。
「そうすればきっと、それまでを重ねたぶん――美しい滅びになりますよ」とは、“滅びを司る魔王”にとって最高の口説き文句に聞こえたことでしょう。
改めて舎人からの求婚を受け取ったノノアさんは、「よかろう!」と微笑み返します。
そして続けざまに、「美しく滅べたのなら、ワシの中で永遠に生き続ける権利をやろう!」と願ってもないお言葉も!
こうして、文字通りの“永遠の愛”を誓った舎人とノノアさん。この滅びゆくだけかに思えた田舎で始まるふたりの暮らしぶりについては、掲載ページよりチェックしてみてください!
(画像はニコニコ漫画『魔王が田舎に嫁いだら』より)
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