最強（元）勇者がのんびり村づくり。『元勇者は静かに暮らしたい』は国と仲間から裏切られる絶望からはじまる廃村開拓記
ニコニコ漫画「水曜日はまったりダッシュエックスコミック」にて掲載中の『元勇者は静かに暮らしたい』で描かれるのは、すべてを失った勇者様によるのんびり開拓記。
実績、名声、仲間との信頼関係……何もかもを奪われてしまった主人公は、新たな出会いを経て、故郷の村の再興へと乗り出します！
原作：こうじ（小説家になろうマイページ）
漫画：鳴瀬ひろふみ（@hirofumi_naruse）
キャラクター原案：鍋島テツヒロ（@n_shima）
魔王を討伐した勇者に待ち受けていた現実
「ノエル、俺たちはもう限界みたいだ。先に避難する！」と叫ぶのは、長きにわたり旅をともにしたパーティーメンバーたち。
彼らの転移を見届けた勇者・ノエルは、ついに魔王との一騎打ちに挑むのでした。
……魔王との激闘を制し、一時気を失っていたらしいノエル。
万感の想いで兜を脱ぎ捨てた彼の頬を、爽やかな風が吹き抜けていきます。
ノエルが魔王城から無事脱出したことを感知したらしく、彼のもとに顕現せしは女神様。
そこで彼は、なんと自分が半年ものあいだ意識を失っていたという驚愕の事実を突きつけられることに……！
女神様は魔王領内では力が及びにくいらしく、この半年間、ずっとノエルのことを心配していたそう。
俄然気になるのは仲間たちの安否ですが、そこは心配ご無用。全員無事だったようです。
しかしノエルが安否不明になっているあいだに、魔王を討伐した勇者は祖国の王子だったということにされており……!?
さらに仲間たちも、彼をそっちのけで華々しい地位を与えられているというではありませんか！
魔王を倒した勇者が未帰還……つまり死んでしまったとなれば、人々が動揺するという国王様の言いぶんもわからなくはないのですが……。
真の勇者である自分の存在がまるごと消し去られてしまったと知った、ノエルのショックは計り知れません。
そしていまさら「自分が勇者だ」と主張するのも無意味。なにせ人々は、兜の下にある勇者の素顔を知らないのですから……。
ヒュドラに襲われる少女
国を思って過酷な旅を続けてきたのに、その国に裏切られてしまったノエル。
深く落胆した彼は、気持ちの整理がつくまで静かに暮らしたいと思い、故郷の村へと帰ることにします。
道中では、いまや王子の妻となった聖女ステラが子どもを授かったとのニュースも。
いまの自分ではおめでとうも言えないとため息をつくノエルでしたが……ふいに付近で爆発が起こり、彼は目を見開きます。
駆けつけたノエルが目にしたのは、大型のヒュドラを前に死を覚悟する少女の姿。
彼はすぐさまヒュドラのブレスに割って入り、少女の命を救ったのでした。さすがは勇者様……！
ソロでいとも簡単にヒュドラを仕留めたノエルを見て、驚きつつもお礼の言葉を口にした少女。
彼女の首に“隷属の首輪”がつけられていることに気付いたノエルは、ついでだからくらいのノリで首輪を外してあげることにします。
逃亡防止の首輪を一瞬で解除し、さらには少女の体に刻まれた“奴隷紋”すらも綺麗さっぱり消し去ってあげたノエル。
主人から強制された危険な使命から、そして奴隷として生きていくしかない運命から解き放たれた彼女は涙を流すのでした。
「ありがとう。あなたは私の恩人だ」と微笑んだ、少女の名はサラ。
あらためてノエルが自己紹介をすると、彼女の表情が一瞬こわばったようにも見えましたが、これは果たして何を意味するのか……!?
故郷の現状を目の当たりにするノエル
偶然にも目的地が同じだったということで、道中をともに歩むことにしたふたり。
話の流れでノエルの故郷の村が廃村になっていることを知り、彼はまたも衝撃を受けることになりますが……。
荒れ果てた自宅も、元・勇者ノエルの手にかかればあっという間に元通り！
新築同然に再建築された我が家で、彼はサラをもてなしてあげるのでした。
ようやく腰を落ち着けた後で、サラに課せられていたという使命について聞いてみるノエル。
なんと彼女は“ノエルの痕跡を破壊する”という国王の勅命を受けていた模様。これはサラが気まずく思ったのも無理はないでしょう。
さらに、サラの主人であった男の名前もここで判明。何を隠そう、ノエルのかつての仲間・グダールだったのです！
万一の可能性を恐れたのか、どうやらグダールは勇者の故郷を丸ごと焼き払えばいいとまで言っていたようで……。
ノエルがサラに対して「俺が勇者だ」と打ち明けると、彼女もいろいろと合点がいった様子。
この妙な命令も、ノエルのでたらめな強さも、彼こそが真の勇者であると知れば納得です。
かくして打ち解けることができたふたりは、ひとまず食事をとることに。
しかし、村の井戸は機能しておらず。祠を見に行ってみると強固な封印がなされていたことがわかります。
まあ、こんな御札もノエルの手にかかれば紙くずに等しいわけで。
祠の封印を解いてみると、中からこれまたなんともかわいらしい少女が飛び出してきます！
「私、ふっかぁーーっつ!!」とハイテンションに登場したのは、この地におわす土地神様。名前をアクアというそうです。
アクアはくだけた性格なのもあり、ノエルやサラとはあっという間に仲良くなるのですが……やはり村の荒廃ぶりには思うところがあるようで。
「人がいないと寂しいのよ」とため息をついたアクア。ならば再興させようじゃないかと、ノエルは彼女に微笑みかけるのでした！
なにせ元勇者のノエルは、冗談抜きで百人力のチート的存在。現状、村人2名＋土地神1柱の寒村ではありますが、きっと明るい未来が待っているに違いありません。
一度は何もかもを失った彼が、この村で何を成し遂げていくのか。気になった方は、ぜひ続くエピソードをチェックしてみてください！
（画像はニコニコ漫画『元勇者は静かに暮らしたい』より）
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