頼む! 幸せになってくれ!! 『ボロボロのエルフさんを幸せにする薬売りさん』は1ページを抱きしめるように読み進めたいハートフルストーリー
今回ご紹介するのは、ニコニコユーザー漫画として掲載中の『ボロボロのエルフさんを幸せにする薬売りさん』という作品。
壮絶な扱いを受けてきた様子のエルフさん。そんな彼女と出会った薬売りさんは、質屋店から連れ出すことを決意して……!?
作者:ぎばちゃん(@gibagibagiba)
目を覆いたくなるような現実
質屋店の店主が「厄介なモン」と言って案内してくれたのは、見るに忍びない姿となったエルフの少女。
体中傷だらけでうわごとをつぶやくだけの彼女を見た薬売りさんは、あまりの凄惨さに言葉を詰まらせます。
店主の「バラせば薬なんかの素材になる」なんて言葉を聞き流しつつ、状態をみていく薬売りさん。
辛うじて聴力だけは残っていたものの、視力をはじめ体中いたるところの機能が失われていました。……もとい、奪われていました。
もし薬売りさんがここで彼女を見捨てたら、どのような行く末をたどるかは明白でしょう。
最悪のケースを想像してしまった薬売りさん。そのとき彼の耳に、エルフの少女からかすかに発せられた声が響きます。
「オウチ、カエリタイ」。それは紛れもなく最後の最後、絶望の淵で絞り出された少女の心からの願いでした。
その言葉を聞き届けた薬売りさんは、唾棄すべき現実をにらみつけながら彼女を引き取ることを決意。こうしてふたりの物語は幕を開けます。
薬売りさんのイケメンっぷりに惚れる
ボロボロになったエルフさんの引取料金は、家畜一頭ぶんにも満たないわずかなものでした。
つくづく彼女のことを物扱いしかしないこの世の中に激しい怒りを覚えつつ、薬売りさんはエルフさんをその場から連れ出します。
もはや物扱いに慣れきってしまっているエルフさんの様子を見て、より一層鋭さを増す薬売りさんの眼光がカッコよすぎて惚れる。
しかし都市から離れて森に入れば、エルフさんにも多少心境に変化はあったようで。
やっぱりエルフは大自然の中でこそ映えるというもの。相変わらず無表情ですが、質屋のころほどの悲壮感はそこはかとなく薄れたようにも見えます。
無造作に被ったローブと、覆い隠しきれない素肌とのコントラスト(?)もよき。
まったく、こんな麗しいエルフさんを痛めつけた輩とは、どこのどいつなんだ……!!
さらに道中では薬売りさんが作ってくれた夕食を口にして、エルフさんが涙を浮かべる場面も。
薬売りさんとしては料理をアツアツのまま口に運んだから彼女が涙ぐんでいると思っているようですが、絶対うれしかったからですって!
彼が鈍感なのか、それとも気付いていないフリなのか。どちらにせよ、薬売りさんの人柄がにじみ出る素敵なエピソードです。
「キミを治す、そう約束しよう」
かくして、森の中を進んでいく薬売りさんとエルフさんでしたが……。
やはりエルフさんの負っていたダメージはかなり深刻だったようで、夜になると彼女は高熱をだしてしまいます。
ただ、そこは薬売りの本領発揮。簡易的ながらも適切に薬を調合し、見事エルフさんの命をつないでみせるのでした。
そして翌朝に彼が目を覚ますと、そこにはすっかり熱も引いた様子のエルフさんの姿が。
安堵もそこそこに、薬売りさんはなんとか彼女と意思疎通を図っていきたいとの思いで“リズレ”というあだ名をつけます。
それは“復活”を意味する言葉。リズレの手を取った薬売りさんは、あらためて「キミを治す、そう約束しよう」と固く誓うのでした。
そんなわけで、今後もふたりの旅路は続いていきます。
果たしてリズレを治すことはできるのか、そして彼女の故郷にたどり着くことはできるのか……?
とにかく1話ずつ、1ページずつが入魂の作品なので、この記事で矢継ぎ早にお見せするのもはばかられるところ。気になった方は、ぜひチェックしてみてください!
(画像はニコニコ漫画『ボロボロのエルフさんを幸せにする薬売りさん』より)
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