「韓国はあまり戦略的な思考はしていない」「中国は発想がやっぱり中華帝国だなと思います」元情報分析官が中韓の外交を語る
参議院議員の山本一太さんが司会を務める『山本一太の直滑降ストリーム』 に、参議院議員の松川るいさんがゲストとして登場しました。
国際情報の収集、分析を専門とする『国際情報統括官組織』の首席事務官の経歴を持つ松川議員が日本のインテリジェンス能力、韓国の外交について語ります。
外務省出身、松川るい議員の経歴
山本:
元々外務省におられて、色んなところに行かれていたんですね。
松川:
元々スイスのジュネーブに行っていて、そこでは軍縮交渉とかをやっていました。他にもアメリカのワシントンDCには留学で、外務省から派遣されましたし、韓国には3年近くいました。直近の海外赴任が韓国だったのですけど、赴任して3か月位の時に慰安婦の少女像が建てられて。
山本:
そのときだったんだ。
松川:
その時は大変でした。でも私自身は日中韓協力事務局という国際機関で、韓国人の外交官と中国人の外交官と机を並べて仕事をしていて、肌身感覚で中国人、韓国人こういう感じなんだなと分かって、意外と外交の仕方、体制自体は日中韓とも違わないなと思いましたね。
外務省の情報分析能力は日本一
山本:
国際情報統括官組織に2年間、結構長くおられたんですね。
松川:
実はこの時に子供が生まれたんですよ。インテリジェンス部門には国会対応がないので、自分が国会議員になっていて邪魔扱いもなんなんですけど、不可抗力の時間の制約がない部署なので、子供が3歳位になるまでいましたね。
山本:
国際情報統括官組織は基本的に何をやっているんですか。
松川:
情報収集と分析ですね。岡崎久彦大使が「日本はインテリジェンス、情報分析をもっと専門的にやらないとダメだ」と、力を入れて拡充された組織なんです。
山本:
日本は特に情報収集組織が劣っていて、インテリジェンスのオフィサーがあんまりいないんですよね。CIAとか分析官は大体、博士号とかを持っていて……情報を分析する人が外交には必要ですよね。
松川:
私は国際的な情報の収集、特に分析においては、外務省が日本の中で一番だと思うんです。これはアメリカにおいても同じで、CIAとかよりも、アメリカの国務省の中にあるインテリジェンス部門の方が分析では正鵠を得ていることが多いんです。なぜかというと博士号を持っているかよりも、その土地の文化や人の行動の背景など総合的な事が分からないと、情報があってもそれが何を意味するかは分からないんです。
日本の外務省には、例えばミャンマー語とか、大きな国の外務省でも拾ってない言葉も含めて、地域専門官のレベルがすごく高いんです。ただ情報の収集にはかなり制約があって、CIAがやっているような収集や衛星とかも含めて、やはり弱いですよね。