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“ティラノサウルス”はウロコに包まれていた!? 羽毛説・前足武器説など、時代ごとにイメージ図が変わっていくナゾ多き恐竜の王の最新研究を紹介します

 今回紹介する、ばっこすさんが投稿した『【ゆっくり解説】暴君竜 ティラノサウルス・レックス』では、音声読み上げソフトを使用して、約6800万~6600万年前の中生代白亜紀末期の北アメリカ大陸に生息していた肉食恐竜「ティラノサウルス」についての諸説を解説していきます。


約6800万~6600万年前、北アメリカ大陸に生息

 恐竜にはたくさんの種類がいますが、その中で一番有名なのは、やはり「ティラノサウルス」でしょう。しかし実は、ティラノサウルスは正式な名前ではありません。ティラノサウルスはあくまで属名であり、種名はレックスです。さらい属よりもひとつ上の括りとして「科」があります。

 レックスは科で言うとティラノサウルス科になり、ティラノサウルス科ティラノサウルス属レックスというわけです。このティラノサウルス科にはレックスの他にもタルボサウルスやゴルゴサウルスなどの5種類の恐竜が属しています。

 ティラノサウルスの学名はTyrannosaurus rexで、T.rexと省略されて呼ばれることも多いです。ちなみに、ティラノ=支配的、レックス=王という意味があります。ティラノサウルスは約6800万~6600万年前の中生代白亜紀末期の北アメリカ大陸に生息していた肉食恐竜です。

 全長は約13メートル、体重は約9トンで、画像を見てもらうとその大きさがよく分かるかと思います。

ティラノサウルスの姿には多くの説がある

 ティラノサウルスは誰もが知っているほど名の知れた恐竜ですが、実はまだまだ謎が多い恐竜でもあるんです。ティラノサウルスと聞いて思い浮かべるのは画像のような姿だと思いますが、他にも説が存在しています。

 こちらはちゃんとした調査や検証の結果、導き出されたティラノサウルスのもうひとつの姿です。1996年にティラノサウルス・レックスの遠縁にあたる恐竜シノサウロプテリクスの羽毛化石が発見されました。

 この発見から恐竜にも羽毛が生えていたことが裏付けられ、ティラノサウルスにも羽毛が生えていたのではないかと考えられるようになりました。しかし羽毛は小型の恐竜からしか発見されておらず、ティラノサウルスの子供が羽毛を持ち、大人になるにつれて羽毛がなくなるという説が唱えられました。

 しかしその後、2012年に中国で大型恐竜にも関わらず、羽毛を持っていたユウティラヌスの発見によりそれが覆ります。さらにユウティラヌスはティラノサウルスの遠戚にあたることが分かったため、ティラノサウルスの子供だけでなく、大人にも羽毛が存在したのではないかと考えられるようになりました。

 しかし、最近の研究でこの説は覆されつつあります。米モンタナ州で発掘されたTレックスの化石に残された皮膚を他の近縁種と比較した結果、体の様々な部分から、羽毛ではなく鱗が発見され、少なくとも体の大部分には羽毛がないことが解明。たとえ羽毛があったとしても、ごくわずかではないかと考えられています。

ティラノサウルスの前肢の使い方

 ティラノサウルスの小さな腕は一体なにのためにあるのか、様々な説が唱えられてきました。唱えられた説としては、獲物を掴むため、交尾の際に相手を掴むためなどがあります。そして定番として、ティラノサウルスの前足は、痕跡器官とする説が長い間有力でした。

 しかし近年、ティラノサウルスの腕は相手を切り裂くことに適応しており、深さ数センチ、長さ1メートル以上の傷を4本相手に負わせることができることがわかりました。理由として、Tレックスは進化の過程において、3つの鉤爪のうちひとつを失っており、残りの2本の爪にかかる圧力が50%増加したためと考えられています。

 またTレックスの腕は特殊な関節のおかげで、様々な方向へ動かすことができ、武器として理想的です。

ティラノサウルスの立ち方

 1980年代まで、ティラノサウルスは尻尾を地面につけ、引きずり体を支えるゴジラ型と考えられていました。現存する生物の中にバランス型は存在せず、一方、ゴジラ型は多数存在しているため、ゴジラ型ではバランスを欠くことや、尻尾を引きずった痕跡が見つからないことなどから、ゴジラ型は否定されるようになりました。

 そしてゴジラ型の代わりに登場したのが、このバランス型です。比較的若い人は、ティラノサウルスといえばこちらのイメージが強いのではないでしょうか。

 まだまだ多くの謎が残るティラノサウルス。古代のロマンにワクワクしますね。解説をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画をご視聴ください。


▼動画をノーカットで楽しみたい方は
こちらから視聴できます▼

【ゆっくり解説】暴君竜 ティラノサウルス・レックス

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