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「しくじり企業」シリーズを手掛けるクリエイター係長氏登場! 新バージョン(Re)でリニューアルした機能をおさらいetc… 『週刊ニコニコインフォ 第12号』レポート

 今のニコニコを伝える、今後のニコニコについてみんなで考える番組『週刊ニコニコインフォ』。

 12回目の放送では、司会に百花繚乱氏、運営から栗田穣崇氏、ピックアップゲストには係長氏が登場。下記の項目について番組で取り上げました。 

■目次

・VTuberと一緒にサメ映画を見る上映会など、直近の一週間で盛り上がったユーザー投稿動画&公式生放送

・ゆっくり動画クリエイター係長が登場。しくじり企業シリーズを始めたきっかけは? ニコニコとYouTubeのマネタイズの違いは?

・新バージョン名(Re)でリニューアルした機能をおさらい

左から、司会の百花繚乱氏、リモートゲストの係長氏、ニコニコ代表の栗田穣崇氏

ニコニコで今話題の公式生放送&ユーザー投稿動画

 番組は、ニコニコで今盛り上がっているコンテンツを紹介する『あつまれ!ニコニコ盛り盛り』からスタートとなります。

 この1週間で話題になった公式生放送としてピックアップされたのは2番組。

 1つ目は、9月12日に放送されたホロライブ所属のVTuberロボ子氏、白銀ノエル氏、不知火フレア氏、常闇トワ氏が出演し「シン・ジョーズ」ほか3作品のサメ映画同時視聴番組。

白銀ノエル、不知火フレア、ロボ子さん、常闇トワと「シン・ジョーズ」「シャークトパスvsプテラクーダ」同時視聴」を番組中に紹介

 2つ目は、9月13日にアニメ2期の制作発表記念として放送された「『まちカドまぞく』全12話一挙放送」。番組担当者より「アニメ公式さんもニコニコで特に愛されていることはご存知で、今回の一挙放送もすぐに実施が決まりました」とのコメントも紹介しました。

「まちカドまぞく」全12話一挙放送【2期制作発表記念!】」を番組中に紹介

 コーナーで他に紹介したコンテンツは以下の通りです。

・《第99代首相就任》菅義偉 内閣総理大臣 記者会見 生中継
https://live2.nicovideo.jp/watch/lv328074936

 続いて、ニコニコ動画の公式Twitterでも紹介しているユーザー投稿動画の中から、「YOASOBI / ヨアソビ メドレーをセッションして弾いてみた。 -YOASOBI Medley Session-」を紹介。

YOASOBI / ヨアソビ メドレーをセッションして弾いてみた。-YOASOBI Medley Session-」を番組中に紹介

 動画制作者のぴぞん氏から、「ぼっちでも楽しく演奏する方法!ぜひ、楽しんで見てみてくださ〜い」というメッセージも寄せられました。

 他に紹介したユーザー投稿動画は以下の通りです。

・【オリジナル曲&全部手作りMV】greenApple【虹みみゆ】
https://www.nicovideo.jp/watch/sm37479312

・Tweetにハンコ押すロボット
https://www.nicovideo.jp/watch/sm37473518

 さらに、ユーザー投稿動画の中で最近盛り上がったものをピックアップ! 今回は「MMD」「描いてみた」「カスタムキャスト」などを中心に紹介しました。

【ニコニコAI】こまいちゃんモデル【作ったよ】」を番組中に紹介

 「【ニコニコAI】こまいちゃんモデル【作ったよ】」を紹介する際には、動画制作者の雪矢氏から「先週の週ニコで発表されたニコニコAIちゃんこと、こまいちゃんが可愛くて思わず作ってしまいました」とのコメントも届きました。

 また、Twitterで寄せられた「こまいちゃん」のファンアートも紹介されました。

ゆっくり解説動画制作者の係長氏がゲスト出演!

 今週のゲストコーナーには、ゆっくり解説投稿でお馴染みの係長氏がリモートゲストとして登場しました。

──ニコニコとの出会いはいつ頃ですか?

係長氏(以下、係長):
 RC2の頃からの会員ですかね。当時、ニコニコには画質のキレイで動画も長かったので見ていた記憶がありますね。

──動画投稿のきっかけは?

係長:
 2013年くらい、最初は生声のゲーム実況動画をあげてたんですよ。色んな人がやってるのを見て楽しそうだから自分もやってみようと始めたんですが、過疎配信者になってしまって……。それで、ゆっくり実況【※】で動画をあげ始めたら少し伸び始めたので、今も動画投稿を続けています。

※ゆっくり実況
いわゆる肉声や生声ではなく、音声合成ソフトを使った動画

──ゆっくり実況だけでどれくらいの動画をあげていますか?

係長:
 大体200本くらいですね。

──動画1本あたりの制作時間は?

係長:
 ものによりますが、ゲーム実況であれば10時間かからないくらいですかね。解説動画になると原稿を作らなければならないので制作時間は違ってきます。

──自分の投稿した動画の中で一番思い入れの作品は?

係長:
 『しくじり企業~エンロン』です。これがきっかけで私の動画が伸びることになりました。
 ゆっくり動画を作るのが大変だったので当時は、もう辞めようかなと思ってたんですよ。最後に1本だけ今までと違うものをあげてみようと思ってやったのがこの企業解説の動画です。これなら潰れたアメリカの会社なので、何を言っても怒られないだろうと(笑)。

しくじり企業~エンロン~前半」を番組中に紹介。

──しくじり企業にたどり着いた経緯は?

係長:
 当時2つのネタを考えてまして、戦国時代か企業かどっちかだったんですよ。当時、戦国時代の解説動画がすでにあってハードルが高かったんです。それ対して企業についてゆっくり解説してる投稿者は誰もいなかったので、やってもええやろと(笑)。

──企業についてのリサーチはどうやって?

 リサーチは本です。日頃から本を読んでるか動画を作ってるかの二択です。小さい会社ほどリサーチは大変です。

 昔、中小企業診断士の資格を取ろうと勉強していた時期もあったので、会社系の知識はその時に身に付いていました。

──自分が投稿したもの以外で印象に残っている動画は?

・【東方】Bad Apple!! PV【影絵】
https://www.nicovideo.jp/watch/sm8628149

・【実況】いかにもサービスが終了しそうなオンラインゲームをプレイする
https://www.nicovideo.jp/watch/sm27345354

係長:
 一つ目は、『Bad Apple!!』の影絵PV。センスの塊みたいな動画じゃないですか。表情なしであそこまで物語を作れるのは凄いと思いました。

 二つ目は、「いかにもサービスが終了しそうなオンラインゲームをプレイする」という実況動画です。なんかいいです(笑)。改めて見てみると、たぶん私もこの動画から影響受けてると思います。

──動画投稿するうえで、心がけていること、気を付けていること、コツなどはありますか?

係長:
 「お約束」をいくつか入れてます。例えば、導入があって、本編に入る前に「教えて欲しいなら報酬としてお菓子をくれ」といったものです。動画にすると反響があります。

──動画で取り上げた会社、もしくは関係者から反応があったことはありますか?

係長:
 企業からの反響といったものはないですが、何回かお叱りを受けたことはあります(笑)。

──投稿者として視聴者からこういう反応があったら嬉しいっていうものありますか?

係長:
 コメントいただくと嬉しいんですが、一番嬉しかったのは「この動画を見て経済や経営に興味を持つようになりました」というコメントでした。

──以前、YouTubeでゆっくり動画が収益化できなくなったタイミングがありましたが、これから動画クリエイターが収益と創作活動を両立していく上で、心がけておいたほうがよいことは?

係長:
 難しいと思うのですが、リスクを並べて回避していった方がいいとは思います。ある程度は受け入れる覚悟でやるしかないのかなと思っています。収益化がはく奪されるかもしれないという噂は前々から聞いていました。

 ある日、朝起きたら「あなたは今日から収益化はく奪です」といったメールがYouTubeから来るんです。色々なことはあるんですが、なるべく動じずに自分のやりたいことをじっくりやるのがいいのかなと思っています。

──ニコニコならではと思うところは?

係長:
 コメントで「笑わせに行くぞ!」というのが凄く出ていて、それがいいと思います。

 ニコニコではネタとしてお馴染みの「汚名挽回」というワードで使われるアニメのワンシーンがあるんですが、それを使ったりするとニコニコでは受け入れてもらえるんですが、YouTubeだとガチツッコミがきちゃったりするんですよ(笑)。だから完全にボケだってわかるようにしないといけないんですよ。

──投稿のモチベーションは?

係長:
 声援だとかコメントだとか、調べたり勉強したりする気持ちが強いのもありますが、正直に言うと「金」ですね(笑)。

──動画を制作投稿するようになって、お金は入ってくるようになりましたか?

係長:
 なりました!

──ニコニコの収益化について改善した方がいい点は?

係長:
 ニコニコとYouTubeに投稿している身としましては、動画クリエイターに対してもうちょっと対策をうってほしいなというのはあります。

栗田:
 前置きをさせてもらうと、YouTubeって世界展開していて、収益も再生数に応じた広告ベースじゃないですか。だからトップの人は凄く稼げるけど、中堅以下の人は全然稼げないという。

 ニコニコだとYouTubeでは稼ぎづらい、その真ん中の人たちでも副業的に稼げる、お小遣いが得られるという感覚で、マネタイズの方向性が違う部分があると思うんです。これを踏まえてマネタイズのアイデアなどありますか?

係長:
 最近では収益化の中心が生配信になってきたなという印象を受けます。ニコ生をメインに伸ばしていくという方向性はわかるんですが、ニコ動の方にももう少しフォーカスを当てて欲しいという思いがあります。
 ゆっくり実況の投稿者の場合、ユーザーチャンネルを作ってサブスクで稼ぐというのも難しいところがあるんです。動画にはフォーカスは当たるのですが、個人にフォーカスが当たるわけではないので。

 現状だと、ゆっくり実況の中心ってVOICEROIDの投稿者たちじゃないですか。そのあたりがゴッソリとニコニコからいなくなってしまったらどうなるんだろうという不安があります。

 投げ銭も生放送がメインじゃないですか。動画の方にも同じような仕組みが作られるとありがいですね。

栗田:
 おっしゃる通りです。
 今、ニコニコでは動画や生放送といったサービスにとらわれず、視聴者がクリエイターを直接支援できる仕組みを考えていきたいと思っています。ご意見いただいて方向性がズレていなかったことが確認できました。

係長:
 YouTubeとニコニコとの規模の違いは重々承知しています。ニコニコには実家のような安心感があるので、応援の仕組みがあればクリエイターもニコニコを選んでくれるタイミングが増えるのではないでしょうか。
 特にゆっくり実況やVOICEROID実況のクリエイターは(生声実況の投稿者と違って)“人”を前面に出し辛いので、しっかり囲って頂けると、今後、発展しやすいかなと思います。

──ドワンゴに“しくじり企業”を感じますか?

係長:
 2年くらい前には、しくじり企業でドワンゴを取り上げてくれというリクエスト多かったです(笑)。それは方向性がふわふわしていた時期の問題で、現時点では穴は埋まったのかなと思っています。
 個人的に穴を見つけていったんですが、それが全部埋まった印象を受けます。穴は埋まったので次の一歩が欲しいです。

栗田:
 おっしゃる通りです。ここから攻めに転じる準備も考えています。今回、係長さんに出演して頂いたのもマネタイズの部分で鋭いご意見頂ければという裏テーマがありました(笑)。

係長:
 「なんで僕が呼ばれたのかな~?」って思ってたんですよ(笑)。

──具体的に「こういうマネタイズがあれば嬉しい」というアイデアは?

係長:
 いわゆる動画への投げ銭のようなものと、あとは単純に単価を上げて頂けると、それがシンプルで分かりやすいのかなと思います。
 ぶっちゃけYouTubeと収入の差は大きいので、そこだけを見るとみんなやっぱりYouTubeに行ってしまいます。

 ニコニコには実家のような空気がありますし、ここが好きなので僕はニコニコにもYouTubeにも動画を上げていますが、お金だけ見る人はやっぱりYouTube一本になってしまいます。

百花繚乱:
 一時期、ニコニコのランキングが収益を見越した商業的動画で埋め尽くされてしまったこともあったので、その辺の遊び心やバランス感覚は忘れないで欲しいなというのが僕の願いです。

──ニコニコがどのような場所ならもっと楽しいか?

係長:
 どんな時でもスムーズに視聴できる環境と、面白いコンテンツを出し続けて頂ければと思います。
 IPV6とか入れられないんですか?

栗田:
 考えてはいます。発表できるものがあれば、またこの週ニコで発表させて頂こうと思っています。

係長:
 期待しています!

新バージョン名(Re)でリニューアルした機能をおさらい

 続いてのコーナーは、「niconicoの未来に向かって、ユーザーのみなさんとフィーチャリングして、共に歩んでいこう!」という「niconico future feature」です。

 今回は、バージョン名が「ニコニコ生放送(Re)」となり、リニューアルした機能のおさらいを紹介しました。

 ニコニコユーザーサイクルの図について、リニューアルされる予定があると告知されました。

 番組の最後に栗田氏は「次週は新バージョン名(Re)での次なる展開、これまでのリニューアルで用意し、整えたステージに、どうクリエイターさんに立ってもらうかがテーマ」と告知しました。

(了)

番組インフォ

 今回の『週刊ニコニコインフォ 第12号』の視聴はコチラから。

 次回の週ニコゲストは事務員G氏が出演予定!『週刊ニコニコインフォ 第13号』の番組の予約はコチラから。

 番組ではユーザーのみなさんからも「取り上げて欲しいこと」を募集しています。
 Twitterで「#週刊ニコニコインフォ」のハッシュタグをつけて投稿してください。自身で投稿した動画についてはさらに「#参加」のハッシュタグもつけて投稿すると、番組で紹介されるかもしれません。


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