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鶴の恩返しならぬ魔導書の恩返し!? 『昨日、助けていただいた魔導書です』魔女と魔導書(美少女)の共同生活

 今回ご紹介するのは、いわば“異世界版・鶴の恩返し”的な大人気ラノベのコミカライズ作品です。

 ニコニコ漫画の「水曜日はまったりダッシュエックスコミック」にて連載中の『昨日、助けていただいた魔導書です』(原作:森田季節先生、漫画:福袋あけ美先生)では、なんと焼却寸前のところを拾われた魔導書がロリかわ美少女となって恩返しに現れます!

 その出会いは、うだつが上がらず歳ばかりくっていた魔女の運命をどう変えていくのか。やたら生々しい設定とロマン展開のギャップが魅力の、ファンタジーコメディをお楽しみください。

ニコニコ漫画『昨日、助けていただいた魔導書です』エピソード一覧

この道60年の大ベテラン・ポスドク魔女

 机に向かっていたはずが、いつの間にか居眠りをかましていた魔女・アルルカ

 「まぁ後は研究室でやるか」と家を出た彼女は、一見大学生かそこらの年齢に見えましたが……。

 じつはアルルカは、すでに魔女大学の博士課程を60年前に卒業しているというご身分。

 つまりは大学院を出てからかれこれ半世紀以上、就職ないし教授職に就けず研究を続ける大ベテランの“ポスト・ドクター(ポスドク)”だったのです。

 御年80歳のアルルカがこれだけ若々しいのは超長命の魔女だからなのですが、それはそれとして彼女ほどポスドクの期間が長期化するのは異例中の異例とのこと……。

 いまでは聴講生として大学の古代文明語研究室を使いつつ、周囲の同志たちと同様に研究者としての独立を目指すアルルカ。

 研究室に漂うどんよりとした雰囲気にもめげず、今日も彼女はせっせと論文制作に打ち込むのでした。

 そんな彼女の周囲には、いつも気にかけてくれるイシハンヌ教授や同じポスドク仲間のハスカーンといったなじみの顔も。

 しかしながら、ポスドク60年目ともなると近ごろは後進からの突き上げを食らうことのほうが多くなってきているようで……。

 ポスドク5年目の若手研究者であるハスカーンからは、中庭に呼び出されたあげく「研究者として食っていくのは諦めて……普通に就職するべきです!」とド正論で殴られてしまう始末。

 魔女やら古代文明やらステキワードが飛び交う世界であっても、スポットライトを当てる対象次第ではこれほどまでに生々しくなるのか……。

マイナー分野研究者の世知辛さが生々しすぎる

 そもそも実績的には十分なアルルカがいまだにステップアップできないのは、彼女の研究分野が超マイナーな分野であることも理由のひとつ。

 彼女の専門は、潰しがきかないとされる古代文明語の中でもさらに古い“超古代文明語”。より詳しく言うなら“アトランティス大陸”の言語でした。 
 
 人々の中では、そんな大陸も文明も言語も架空のものであるという見かたも珍しくないらしいのですが……。

 アルルカは「私の中のパッションがそう叫んでいるからだ!」と、その大陸が存在していたことを信じて止まず。

 ならばこそ、自分が超古代文明語を完全解読して実在を証明してやろうと情熱を燃やしているのでした。

 ……とはいえ、アルルカの諦めの悪さはハスカーンもよく理解していたところ。

 それでもハスカーンが揺さぶるようなことを言葉をかけてきたのは、彼女自身が母親から“ポスドク5年でまだ就職できないなら家業を継げ”と言われていたからなのでした。

 世間的には5年でも長いと見られてしまうのですから、その12倍もの期間ポスドクを続けているアルルカにとっては耳の痛い話に違いありません。

 そしてついには、ハスカーンから「先輩、いっしょに何百年でもポスドクやってやりましょう!」と手を取られてしまうアルルカ。

 確かに後輩たちにとってアルルカは心強い存在……とまでは言えないにしろ、少なくとも安心材料ではあるでしょう。

 もっとも依然、両者とも先行きが不透明な立場であることに変わりはなく。

 だいたいアルルカは親も故郷もない孤児として生まれ育ったからこそ、ここまで好き勝手やれているという面もあり。

 もはや気を抜くと本作がファンタジーものであるということを忘れてしまいそうなほどに、世知辛さ全開のプロローグがつづられていくのでした。

助けた魔導書がツインテールのじゃロリ美少女に!?

 そんなうだつの上がらない日々を送ってきたアルルカにも、ようやく転機が訪れます。

 たまたま不要な本の焼却作業中のところを通りかかった彼女は、小銭稼ぎにならないものかと本の山を物色。

 すると中から超古代文明の文字で書かれた本を発見し、ム○カばりに舞い上がります。

 アルルカによれば、この本のタイトルは“虚無の書”というらしく。

 思わぬ掘り出し物を手にした彼女は、すぐさまそれを家に持ち帰ります。

 帰宅するなり、さっそく“虚無の書”を開いてみたアルルカ。

 しかし彼女ほどの物好きでも内容はまったく解読できず、唯一わかったことといえば挿絵に女の子が描かれていることくらいでした。

 恐らくこれは、だれかが独自に考えた超古代文明語で記したトンデモ本だろう。

 そんなことを思いながら眠りに落ちてしまったアルルカは、なぜか記憶にないはずの母がご飯を作ってくれている夢を見ます。

 しかしおかしなことに、どうやらこの料理を作る音は夢ではなかったらしく、目覚めた彼女は台所に謎の人影を目撃……!

 驚いたアルルカが台所に急ぐと、そこには夢で見た母……ではなく、かわいらしいツインテールの幼女が!?

 「おお起きたか、いまあったかい朝食を作っておるからの」と話すこののじゃロリ娘、どこかで既視感が……。

 察しのいい方はもうおわかりでしょう。じつは彼女こそ、アルルカが昨日拾った“虚無の書”そのもの!

 こうして恩返しに現れたというのはギリギリ納得できるとして、まさか本が人の姿になろうとは……。

 果たして彼女はどれほどの力を秘めているのか、そして彼女との出会いがアルルカに何をもたらすのか。この続きが気になった方は、ぜひ原作小説または9月18日発売となったコミックス1巻をチェックしてみてください!

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(画像はニコニコ漫画『昨日、助けていただいた魔導書です』より)

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