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女バレ=即死の男装生活。『セシリア・シルビィ』平穏な生活を求める悪役令嬢の賑やかドタバタライフが楽しげ

 ニコニコ漫画の「FLOSコミック」にて連載中の『悪役令嬢、セシリア・シルビィは死にたくないので男装することにした。』(原作:秋桜ヒロロ先生、作画:秋山シノ先生)は、シナリオ展開上“死”しかない悪役令嬢に転生してしまった女の子のお話。

 主人公は死を回避すべく男として生きていく決意をするのですが、複雑に絡みあうゲーム内設定のせいもあり事態はそう単純には進んでいかず……!?

 さらには攻略対象のイケメン男子たちや正ヒロインの思惑も入り乱れ、予想だにしない方向へと広がりを見せるドタバタラブコメをどうぞお楽しみください。

ニコニコ漫画『悪役令嬢、セシリア・シルビィは死にたくないので男装することにした。』エピソード一覧

よし、男になろう!

 主人公のセシリア・シルビィは、わずか5歳にして自分が転生者であることを悟った女の子。

 彼女が転生したのは、乙女ゲーム『ヴルーヘル学院の神子姫3』の登場人物の、いわゆる悪役令嬢ポジションで……。

 セシリアは、近い将来ゲームのヒロインであるリーン・ラザロアの恋敵となることを運命付けられていました。

 現に自身が転生者だと気付くまでは、両親に甘やかされまくって立派なワガママ娘に成長していくという既定路線を歩んできた彼女。

 しかし義弟のギルバートとの出会いをきっかけに、彼女の性格は徐々に変化していきます。

 ちなみに本来、ゲームでのギルバートは根暗でおとなしい引きこもり青年としてヒロインの前に登場する役どころでした。

 これは姉であるセシリアにしいたげられてきた影響も多分にあるのですが、ともかくとして彼が義弟=自分が悪役令嬢という疑惑は真実味を増していくことに。

 以前からそんな気配はあったにしろ、この日を境に彼女はワガママ放題やっているわけにもいかないことを痛感します。

 さらには王太子であるオスカーとも引き合わされたことで、疑惑は確信へと変わるのでした。

 「ゲームどおりにシナリオが進行している――」と気付いたセシリアは卒倒。なぜならそれは、自分が死の運命から逃れられないことを意味するから!

 ゲームシナリオ上、セシリアである自分に待ち受ける未来は“苦しみながらの死”か“一瞬の死”の二者択一とのこと。

 タイムリミットは17歳。彼女はそんな悪役令嬢の哀れな宿命から逃れるべく、ある決意を固めます。

 「よし、男になろう!」と……!

 それから12年後。ゲームの舞台でもあった“私立ヴルーヘル学院”にはセシリアの姿はなく、代わりに“王子様”が存在していました。

 紳士的な振る舞いと、中性的な顔立ちで女生徒たちを魅了する彼の名はセシル・アドミナ。

 そう、これこそ死の運命から逃れるために手に入れた、セシリアの仮の姿だったのです。

セシリア男装の理由と、成長した義弟ギルバート

 悪役令嬢のセシリア・シルビィに転生し、いまでは“王子様”ことセシル・アドミナとして振る舞うようになった主人公。

 そもそもなぜ彼女が男装の道を選んだのかを語るには、ゲーム『ブルーヘル学院の神子姫3』内の“神子”という要素について説明せねばなりません。

 主人公も転生前にプレイしていたという『ヴルーヘル学院の神子姫3』には、人々を守り導く“神子”という存在がありました。

 ヒロインのリーンと悪役令嬢のセシリアは、この“神子”の座をかけて学園内で競い合うというのがシナリオの大まかな流れ。

 “神子”争奪戦の結果はどうあれ、それに関わった時点でセシリアは死ぬことになるので、ならば男になって“神子”候補から外れてしまおう……というのが彼女の作戦なのでした。

 「男(モブ)に徹して確定の死(バッドエンド)から抜け出す」という意気込みとは裏腹、いまの王子様ポジションはやや目立ちすぎな気もしますが……。

 ともあれ、彼女はこの12年間で社交界からあえて遠ざかったり、いざというときのための資金を貯めたりと奔走。

 加えて、義弟のギルバートにも、自身が転生者であることや後に待つ運命などを洗いざらい打ち明け、どうにか協力を取り付けていました。

 “ワガママ令嬢化したセシリアからいじめられる”という正史から外れたことにより、いまではギルバートも毒舌&生意気ながら立派な青年に。

 なんだかんだで姉思いな優しい義弟として、セシリア改めセシルの男装学園生活をサポートしてくれているのでした。

 しかしながら、たとえ男装で周囲の目はごまかせたとしても、セシリアが“神子”候補に選ばれてしまう運命は変えられなかった模様。

 彼女の胸元に現れたバラの形のあざは何よりの証拠。だれかに見つかればこれまでの努力がすべて水の泡なだけに、彼女は今後も絶対にバレてはいけない男装を続けなければなりません。

 「おねぇちゃんに平和な未来を~~!」と、男装中にもかかわらず義弟に泣きついてみせたセシリア。

 対するギルバートも、鬱陶しげな態度をとりながら表情だけ見ればうれし恥ずかしな様子……?

 学園では男どうしで、本当は義姉弟で、なんなら家族以上の関係性にも発展してくれそうな雰囲気を漂わせるこのふたりには、ぜひ注目したいところです。

チュートリアル戦闘で盛大にやらかすNPC(セシリア)

 本来のシナリオから強引に路線変更したことにより、いまでは良好そうな関係を見せるセシリアとギルバート。

 しかし物語は義姉弟のインモラルな関係性に溺れていかんとするセシリアを見過ごすことはなく、彼女に厄介な試練をもたらすのでした。

 やはり切っても切り離せない問題は、ゲームシナリオ上のヒロインであるリーンの存在。

 この世界はリーンのものであるといっても過言ではないだけに、今後の展開はすべて彼女の出かた次第と言えるでしょう。

 さらに講堂に集められたセシリアたちは、“神子”の選定におけるキーアイテムである“宝具”の説明を受けます。

 次代の“神子”に選ばれるのは、候補者の内この“宝具”をより多く集めた者。つまり“宝具”を司る7名の“騎士”たちから、できるだけ多くの信頼を勝ち取らねばなりません。

 もっとも、積極的に“神子”の座争いから遠ざかるべく男装中のセシリアにとっては関係のない話に思えたのですが……。

 そんな折、突如として“障り”に侵された生徒の暴走事件が発生!

 『ヴルーヘル学院の神子姫3』は乙女ゲーには珍しく戦闘やレベルの概念があり、時としてこうした“敵”が出現することもあるのだとか。

 しかも、“障り”を消滅させることができるのは“神子”の候補者か“騎士”のみということで、彼女はとっさに一戦交えてしまいます。

 結果、彼女はなんとか“障り”とのバトルに勝利しますが……冷静に考えればこの行動は取り返しがつかないレベルの悪手。

 そもそもこのシーンにはセシリア以外にも、“神子”候補のリーンをはじめ“騎士”たちが勢揃い。何も彼女がでしゃばる必要はなかったのです。

 言ってみれば、主人公を差し置いてチュートリアルで悪目立ちするNPC状態。善意しかなかったとはいえ、あまりにも無鉄砲な行いと言えました。

 リーンや“騎士”たち、そして全校生徒たちの注目を一挙に集めてしまい窮地に立たされるセシリア。

 このまま彼女は男装バレし、“神子”争奪戦に巻き込まれざるを得ないのか……!?

 ……するとそこに、ギルバートからの助け舟が!
 
 彼がこっそり手渡してきたのは自身の“宝具”。このファインプレーにより、なんとかセシリアは“神子”候補者とバレずに“騎士”を装うことに成功します。

 しかしそれは同時に、“神子”候補者として記念すべきひとつ目の“宝具”を預かったのと同義。かくして彼女は、形はどうあれ“選定の儀”に巻き込まれていくのでした……!

 果たしてリーンやほかの“騎士”たちとの関係性はどうなっていくのか。そして彼女は死の運命から逃れることができるのか!?

 この続きが気になった方は発売中の原作小説1~2巻、または8月5日に発売された本コミカライズ版の1巻をチェックしてみてください!

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(画像はニコニコ漫画『悪役令嬢、セシリア・シルビィは死にたくないので男装することにした。』より)

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