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“麻薬の王様”モルヒネは正義か悪か。がん患者の痛みを緩和させる一方、人間崩壊を招く恐ろしさも……最強クラスの性質を徹底解説

 今回紹介するのは、ピレンちゃんねるさんが投稿した『【ゆっくり化学解説】鎮痛剤と麻薬の王者モルヒネ、その性質・恐ろしさを学んでみよう!』という動画です。

 音声読み上げソフトを使用して、同人ゲーム『東方Project』の射命丸文(しゃめいまるあや)Sariel(サリエル)のふたりのキャラクターが、“麻薬の王様”モルヒネについて紹介していきます。


最も歴史が長く最強クラスの鎮痛作用を持つ

左からSariel(サリエル)射命丸文(しゃめいまるあや)

文:
 モルヒネといえば手術の麻酔やガンの治療における痛み緩和といった、医療には欠かせない化合物です。まさに鎮痛剤の王者。一方で、モルヒネはの麻薬としても活躍するといった闇の一面もあります。

Sariel:
 モルヒネの歴史は長い。1803年にドイツの薬剤師よりアヘンから単離された。アヘンはケシの実からとれる果汁を乾燥させたものだ。アヘンの約10%がモルヒネとなる。

Sariel:
 そして1853年にエディンバラの開業医により、注射器と針で鎮痛に使われるようになった。モルヒネの極意はこちらだ。

Sariel:
 モルヒネは中枢神経にある受容体に作用することで、その機能を発現する化合物である。そういった薬をオピオイドと呼ぶ。モルヒネの他にも様々なオピオイドが開発されて、薬として使用されている。

 モルヒネはその中でも鎮痛作用が最強クラスであり、最も歴史が長い。すべてのオピオイドの原点であり、基本だ。

Sariel:
 オピオイドは基本的に体内に取り込まれて血中に移動した後、中枢神経にある受容体に作用することで、鎮痛効果が得られる。その後、肝臓で代謝されて腎臓を通して排泄される。  

 オピオイドが結合する受容体、それをオピオイド受容体と呼ぶ。痛みの信号は脊髄を介して脳に伝えられる。モルヒネがオピオイド受容体と結合することで、この痛みの伝達がブロックされる。

Sariel:
 これがモルヒネによる鎮痛の仕組みだ。 がん患者やその他の薬で解決できない痛みを緩和するためにモルヒネは使われる。

ドーパミンを大量に放出させ、快楽を与える

Sariel:
 そんなモルヒネの裏の極意がこちら。

Sariel:
 モルヒネは人を快楽に誘う麻薬としても使われている。モルヒネが受容体に結合したとき、ドーパミンが大量に放出される。ドーパミンは快感を司る神経伝達物質であるため、この大量放出で人は快楽の海に溺れる。

Sariel:
 ちなみに痛みがあるときは、モルヒネが投与されてもドーパミンの放出が抑えられる。そのため、がん患者はモルヒネを投与されても快楽・中毒状態にはならない。

“ドラッグの女王”ヘロインはモルヒネを精製したもの

Sariel:
 麻薬としてのモルヒネ、それを語る上で欠かせない化合物がある。

Sariel:
 ヘロインはモルヒネよりもさらに依存性が強く、何倍も強力な麻薬だ。

Sariel:
 脳に入ったヘロインは、脳の中でモルヒネへ変わり、麻薬として作用するのだ。その快感は「オーガズムの数万倍の快感を伴う射精を全身の隅々の細胞でおこなっているよう」「人間の経験しうるあらゆる状態の中で、ほかのいかなるものをもってしても得られない最高の状態」などと表現される。

 しかしその快感のあと、すぐさま耐え難い苦痛が使用者を襲う。禁断症状として、身体中の関節に走る激痛、小風に撫でられただけで素肌に走る激痛、体温の調節機能に生じる狂いによる激暑、酷寒の体感の数秒ごとの循環、身体中に湧き上がる強烈な不快感と倦怠感などが挙げられる。

 人を滅ぼす最強の麻薬、決して服用してはいけない。

文:
 モルヒネは麻薬としても最凶ですが、それでも鎮痛剤として数え切れない人を救っていることも事実です。このような複雑かつ特別な化合物が自然の中で生まれ、長く研究されてきたことは奇跡といえるでしょう。

 視聴者からも「うちのじいさんもお世話になった」というコメントが投稿されており、薬理学や適切な使用法を学ぶことにより、モルヒネを使用したホスピスや緩和ケアなどの鎮痛治療法を理解することができるのではないでしょうか。

 ふたりの解説をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画をご視聴ください。


▼動画はこちらから視聴できます▼

【ゆっくり化学解説】鎮痛剤と麻薬の王者モルヒネ、その性質・恐ろしさを学んでみよう!

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