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名取さなが怖い絵本を朗読。「名取さなとエドワード・ゴーリーの絵本を読もう」“文字のない本を読み解く”不思議な体験

 残酷で理不尽な絵本作家エドワード・ゴーリーの作品を永遠の新人バーチャルYouTuber名取さなが朗読する「名取さなとエドワード・ゴーリーの絵本を読もう」が、2020年6月14日20時よりニコニコ生放送にて上映された。

 エドワード・ゴーリーという名をこの記事で初めて知ったという人も少なくないだろう。彼は1972年からアメリカで活躍した絵本作家で作品数は100を超える大作家。なのだが、日本で翻訳された本の第一作が発売されたのが2000年ということでアメリカ的には古く、日本的にはまだまだ新しい認識の作家だ。

 今回はそんな彼の作品が日本で発売してから20周年を記念した企画のひとつ。子供がかならずひどい目にあってネコは絶対ひどい目にあわない理不尽なエドワード・ゴーリーの絵本を朗読するのは、せんせえたちといつも楽しく! ふんにゃかふわふわした雰囲気の配信をしている名取さな@sana_natori)だ。

※せんせえとは名取さなのファンの総称。

翻訳者である柴田元幸さんによるエドワード・ゴーリーの説明。

 一見ミスマッチにも見える名取とエドワード・ゴーリーだが、企画立案者である出版社的には「名取さんの腕に巻いている包帯がエドワード・ゴーリー的」なんだとか。

 今回の配信では初の翻訳本である『ギャシュリークラムのちびっ子たち』を名取的な解釈で読み解くコーナー、名取のいい声が脳髄に染み渡る『蒼い時』朗読。そして最後には文字のない絵本『ウエスト・ウイング』をみんなで“読み解く”という斬新なコーナーの3本立て。

 さらに最後にオマケのバイノーラルコーナーもあるのでそちらもお楽しみに。

文/あるかい
編集/竹中プレジデント

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名取さなとエドワード・ゴーリーの絵本を読もう

みんな子供でみんな死ぬ。それがエドワード・ゴーリー

 最初に名取とせんせえが出会った絵本は『ギャシュリークラムのちびっ子たち』。前にAからZが入った子供たちが死んでいくお話だ。

 なんて突拍子もない説明なんだと思う人もいるかもしれないが、それがエドワード・ゴーリーの世界観である。

最初に目に飛び込んできたのがこのページ。コメントのせんせえたちも困惑している。

 突然の死に直面したせんせえたちが泣かないように独自の解釈でどうにか空気をやんわりしようとする名取さな。

 「エイミーは1階に降りて牛乳が飲みたいのでお腹をすかせて三回転ジャンプをするところ」という力技に出るが「わざと落ちないとこの態勢にはならない」というあまりにも鋭いせんせえのコメントに跳ねのけられてしまう。

 1ページ完結であるこの本は、順番に見ていくのではなく、コメントの意見でランダムに見ていくことに。Aのエイミーの突拍子もなさに面食らったせんせえたちだが、Eの「アーネスト モモでちっそく」の謎さに多少は空気が和らぐシーンも。

 コメントのせんせえたちの「じゃあ次は名取のA!」というエドワード・ゴーリーもびっくりの理不尽な要求にも名取は負けず朗読をしていくのだった。くぅ~。

せんせえたちにどこかのサイズをイジられているナース。ネヴィルも名取ものぞみもうせて。

本気の名取の声を聴く『蒼い時』

 2冊目は意味があるようで意味がない。でもじっくり読んだらやっぱり何かが伝わってくるのかもしれないと思わずにはいられない。そんな不思議な魅力の絵本『蒼い時』を名取がしっとりと朗読

名取は朗読に専念するためにコメントを読みません! と言った瞬間に名取に甘くなるせんせえたち。

 『蒼い時』は最初にも書いた通り不思議な作品で、書いてあるのは知っている言葉のようで知らない、言ってることがわかるようでわからないそんな内容の本だ。

 特に名取やせんせえたちが気になったページが日本語では「あいしあお 。」と最後に意味深なスペースの空いたシーンだ。絵の中の英語も「 obe one anoth .」と虫食いになっている。

ヒントの多そうな英語のほうから読み解こうとするも、最初からLoveにするにもスペルが違うしでつまずいてしまう。

 なんだか難しい本のようだが、裏を返せばみんなが好きなように考えればいい自由な本。このコーナーは名取がいつもとは違った落ち着いた声色で読み上げているのでイヤホンを持っているせんせえは聞き入ってみるといいかもしれない。

文字のない絵本をみんなで読み解こう

 本を読むというのは何を指すだろう? 本に書いてある文字を見るだけ? それとも、もう一歩進んでその文字の意味を考えてみるか。さらに頭に刻むように声を出して読んでみる。さらには表面的な文字の意味だけでなく作者の真意まで読み取ろうとする。

 どれも「本を読む」という意味には変わりないだろう。それなら文字のない絵本から「言葉を探す」のだって“本を読む”に入らないだろうか?

最後の3冊目は絵だけで綴られる絵本『ウエスト・ウイング』。最初は困惑していたせんせえたちだが、この日一番の盛り上がりを見せたのもこのコーナー。

 この日は『ウエスト・ウイング』の1ページ1ページに名取とせんせえたちで「文字を入れていく」という作業をすることに。わかりやすく言ってしまえば大喜利なのだが、これがなかなかどうして最後には雰囲気ある仕上がりになっている。

 この記事でも簡易的に同じ体験をしてもらったうえで、最後に少しばかり生放送のせんせえたちの答えを載せていくので楽しんでいってほしい。

 1枚目は顔のようにも文字のようにも見えるじゅうたんが敷かれ、少しばかり不気味な雰囲気の壁。そして、本能で登ってはならないということがわかるような怖い階段の書かれたイラスト。あなたならこの絵にどんな文字を入れるだろうか?

 2枚目はさっきよりは少しわかりやすいだろうか? 中世の雰囲気感じる女性が部屋から出てくる、もしくは部屋に入ってきたと思われるシーンだ。

 この女性が誰なのか、そして主人公はどんな容姿のどれぐらいの人なのか、そもそも主人公なんてものが存在するのかはわからないが「この女性」が何を言っているかを考えてみよう。

 3枚目はなにもない部屋に靴が脱ぎ散らかしてある絵が描かれているシーン。床は暗く、窓の外に景色は広がらない不気味な部屋だ。あなたは普通ではこうならない靴が置かれた部屋に何を思うだろうか?

 と、いったところで次は放送での同じシーンに名取やせんせえたちがどんな言葉を入れていったかを見てみよう。

「深夜一時 じゅうたんにかお」
「サーニャ 早く寝なさい」
「あらあら 脱ぎ散らかして」

 せんせえたちの考えたエドワード・ゴーリーと、自分の考えたエドワード・ゴーリーはどのような違いがあっただろうか。

 「自分のほうがいい文章を考えた!」と思う人は名取さなのファンアートタグ「#ヌォンタート」でぜひ投稿してほしいとのこと。もしかしたら名取が見てくれるかもしれない。というかきっと見るだろう。

最後のオマケ!バイノーラルで聴く名取さな

 本放送は先ほどまでので一区切り。だがこの放送ではプレミアム会員限定で30分ほどのオマケがある。さっきとは打って変わってドピンクな背景に明るい雰囲気にステージチェンジ!

 何をするのかというと、せんせえたちからのリクエストセリフを名取が超高級マイク「KU100」を使って立体音響でお送りしちゃう! というコーナーだ。

シュチエーションにつっこんではいけない。
先ほどとの温度差に困惑するせんせえたち。

 番組で使う「KU100」というマイクはモアイのような人の頭型のマイクで、人間の耳に聞こえるのと同じような環境で収録できるすぐれもの! なんでもお値段100万円なんだとか……。

 そんなスンゴイ環境とは知らずに贈られたせんせえたちからの気の抜けたセリフ要求で見事に無駄使いする名取もぜひ見てってくれよな!

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名取さなとエドワード・ゴーリーの絵本を読もう

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