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新聞「生活保護却下。生活ギリギリでがん治療受けずに死亡」←行政が悪いように見えるが真相は……。

 「生活保護却下。男性、生活ギリギリでがん治療受けずに死亡」こんな新聞の見出しがありました。一見生活保護を受給出来なかったために、死亡してしまった悲劇のようです。でも記事をよく読むと、男性は78歳。高齢のため、治療を受けていても回復したかどうかは疑問で、医者の勧めによる入院も拒否していたということでした。

 この記事が一番伝えたかったことは「無料定額診療事業」というものが存在し、もっと広く認知されて活用されてほしいということだったのではないか? とKAZAYAさんは指摘。センセーショナルな見出しだけで終わらず、中身も吟味しないと、記事が伝えたいことを取り違えると解説しました。本編は『KAZUYA CHANNEL GX 2』。「生活保護却下で男性死亡?でも実際は…」をご覧ください。


 毎日新聞にこんな記事がありました。

 生活保護却下。男性、生活ギリギリでがん治療受けずに死亡

 こういうタイトルだったんですが、皆様、このタイトルを見てどう思うでしょうか。生活ギリギリの男性が、生活保護を却下されたから亡くなったという印象を受けませんか?

 記事の冒頭には次のように書かれています。

 兵庫県内で昨年3月、4年間にわたり体調不良の症状がありながら経済的な理由で病院にかかっていなかった男性(当時78歳)が、直腸がんで死亡していたことが全日本民主医療機関連合会(民医連)の調査で分かった。

 男性は数年前に生活保護申請を却下されていたという。県民医連は「この例は氷山の一角。行政がもっと丁寧に対応していれば手遅れにならなかったかもしれない」としている。

 この冒頭部分を見てもやっぱり、生活保護を却下されたから亡くなったんだという印象を受けますよね。ニュース記事って沢山あふれていますから、見出しと冒頭だけですませてしまうことがあるかもしれません。でも、ちょっと待ってほしい。ちゃんと読まないと変な方向へ流されてしまいます。記事を読み進めていくと、だいぶ印象が変わってきます。

 4年前から下痢が止まらず、2、3年前からは血便の症状もあったが、生活がぎりぎりだったため病院にかからず、市販の薬で済ませていた。

 昨年2月26日、無料定額診療事業を実地している病院に初めて行き、その後直腸がんが進行していることが判明。医師らは入院を勧めたが、本人が「金がかからないと言われても信用できない」と拒否し、約1カ月後に自宅で死亡しているのを警察官が発見したという。

 県民医連の北村美幸事務局次長は「生活保護の申請時、行政は本人の身体の状態も聞き取ってほしかった。病院での無料定額診療事業がもっと広く認知されて、医療費の心配をしている人が安心して受診できるようにするべきだ」とした。

 印象が変わってきましたね。ツイッターを見ると、見出しと冒頭だけ見て書いているであろう方が多数いました。この記事だけだと、本人の意思も見えにくいですよね。78歳ですし、そこから治療しても、どこまで回復するのか。なんとも言えぬところです。生活保護については、年金が支給されていて、保護の基準よりは、高い収入があったということです。

 そして本人が「お金がかからない」と言われているのに、拒否しているという事実が出てきました。冒頭に行政がもっと丁寧に対応していればという部分がありましたけど、これは生活保護を与えろというものではなくて、無料定額診療事業について、もっと認知を深めていく。そういう論点だったのではないかと思います。

 この記事の見出しと冒頭だけ見ると、生活保護支給しなかった行政が悪いように見えてしまうんですが、やはり記事ってちゃんと読まないとだめですね。 

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