「情弱なみなさんというのは、金払いが一番良い人たちなんですよ。」『メルカリ現金売買』や『ZOZOツケ払い』から見る昨今の貧困ビジネス
衣料品、雑貨などを個人間で売買するフリーマーケットアプリ『メルカリ』で、クレジットカードのショッピング枠を現金化する事を目的とした「現金の売買」が問題に。
上記の話題を受けて、小飼弾氏と山路達也氏が「現金売買ビジネス」が生まれた背景について語った。
人ってお金が絡むと本当にクリエイティブ(笑)
山路:
じゃ次、メルカリの話なんですが、メルカリで商品として、現金が売られている。
小飼:
メルカリ、ビットコインとか売れないんですか?
山路:
ビットコインのコードみたいなやつを、印刷して売るみたいな?
小飼:
そうそう!
山路:
すごいですよね。現金を売るとか。
小飼:
お金が絡むとホントに人ってクリエイティブだなって思いますね。
山路:
思いつかない。
小飼:
チャージ済みのSuicaとか(笑)。
山路:
笑えるのが、福沢諭吉を折り紙にして折った奴をオークションして売るという。
小飼:
最高!
山路:
あれでビックリしたのは、結局あれってクレジットカードのショッピング枠みたいなものを現金化しているという、そういう話ですよね。
小飼:
そういう話です。
山路:
それにしてもなんというか、こういう今までヤフオクなんかでもあり得たわけじゃないですか。メルカリなんかで特に目立っているというのは、どういう背景があるんですかね?
小飼:
Yahooは一所懸命後ろ指刺されないように、規制を強化してきたんですけど、メルカリ自体それにかまけていて、放置している間にこういう事例が上がってきたというのがあるので。
eBayすら跳ね除けたヤフオクがあって、メルカリが台頭するというのに、なかなかすごいことだけれども、そこだけ拡大すると、情弱を食い物にするビジネスだったのね。と言われても仕方ないですよね。
山路:
わりと日本に限らないのかもしれないですけど、ベンチャー企業の、とりあえず、いけいけドンドンというんですかね? やったもん勝ちみたいな。
小飼:
それは全世界的にそうではあるんですけども、確かに日本の場合、“情弱をいかにすばやく食い物にするかが勝負”に見えちゃうというのはやっぱり、悲しい所ではありますよね。スマホのゲームのガチャも、言ってしまえばそうですし。
山路:
例えばDeNAのキュレーションサイトの問題というのも、根っこが同じなのかなって気がしちゃうんですけども。
小飼:
そうですね。
山路:
メルカルは上場してましたっけ?
小飼:
上場してないはずです。上場してないのに、時価総額がビリオンダラーを越えたやつで、いわゆる【※】ユニコーン企業というやつですね。
※ユニコーン企業
企業としての評価額が10億ドル(約1250億円)以上で、非上場のベンチャー企業。
山路:
ちょっと、これでミソつけると上場は難しくなってくるのかなみたいな。
小飼:
そう、日本は上場が難しいんですよ。一旦上場しちゃえば、どうでもなりますけどね。一旦上場しちゃえば、それこそ監査法人の監査通ってないような決算書も、財務局も東証も何もしませんからね。
山路:
あれって、四季報をゆがめるみたいな危機感というのは、証券取引所の人たちにはないんですかね?
小飼:
やっぱり、そうやって見ると誰が情弱ビジネスの根っこにあるかっていったら、そこなんですよ。
山路:
そこ? そこというのは?
小飼:
東証もそうだし、さらにその監督省庁で、財務局もそうだし、はい。親方日の丸が、日本国民に対して情弱ビジネスをやっているのが日本という見方をすると、いろんなものの筋が怖いくらい通っちゃいますね。はい。
山路:
バカにされているんじゃね? バカにというか、舐められているという国民自体が、なるほどね。