「たこ八郎に東大生の血を輸血して知能指数上がるか実験した」「バス2台で〇×クイズやって、はずれた方を海に沈めた」ビートたけしが語った仰天の放送禁止エピソード
「いい塩梅が無くなっている」
夏野:
次の質問です。福岡県40代女性。「最近はいい塩梅というのがなくなってる気がします。何か不祥事が起きたとき、過剰反応して相手が決定的なダメージを受けるまで責め立てる状況が目につきます。たけしさんはこのちょっとしたミスや失敗を皆で糾弾する、不寛容な世の中についてどのようにお考えでしょうか?」
たけし:
「いい塩梅」を「いい梅毒」と読んじゃって変なことになっちゃった。「いい梅毒なんてあるのかな?」って。
〆さば:
いい梅毒はないですね。
たけし:
昔は吉原でいい梅毒ってのがあったのか、と思ったよ。塩梅か。
北郷:
塩梅です。
夏野:
ただね、先程の話じゃないけど、たけしさんはいろんな前科があって、まあ、そのときは叩かれたけど、その後また受け入れられて。でも今1回叩かれるとなかなか受け入れられないっていうのは……。
〆さば:
今はもう浮上できないですもんね。
たけし:
地位や名誉がある人がそういうこと言うと叩かれるんだよね。本質的に考えると、実は裏表があってさ。人権とか色々あるから、みんな言うことをセーブしてるんだけど。ちょっとした言葉のアヤとかそういうので攻撃するんだよね。
うちの近所、足立区なんかは、もう長屋だから放送禁止もクソもないの。「まあまあ」で終わっちゃうんだよね。本当のワルはハネられるけど、大した実害のないことだったら、その言葉だけで攻撃する必要はないじゃない。
それより、いいこと言ってるようで嘘ついてるっていうやつ。「人の命は地球より重い」とかさ。嘘をつけって。地球のほうが重いに決まってるじゃねえか。バカヤロー何言ってんだと思う。
偉い人って結構いい加減なんだよね。
北朝鮮の将軍様の兄貴・金正男が日本のディズニーランドに来たとき、丁寧にお帰ししたじゃん。あれ不法入国とパスポート偽造で刑務所入れなきゃいけないところを丁寧に帰ってもらったじゃん。
〆さば:
そのまま帰っていましたね、正男。
たけし:
みんなテロとか言いながら命大事にしてるじゃん。ところが戦争だったら平気で殺すじゃん。人の命が地球より重いわけねえんだよ。平気で空爆するし、イラクでもシリアでも、あれだけの人を殺してるのに、かたっぽで「人の命は地球より重い」って。ふざけんなっていうんだよ。
夏野:
平和で「人が死ぬ」ということが新聞に載るというような時代は、ここ100年ぐらいの話なんですよね。見ている人もどこかで「そんな綺麗事じゃないよな」とは思っている。でもあまりにもみんながそういう論調で話すので、そうなのかなって疑心暗鬼のまま思っている感じはしますね。
水道橋:
「1人が不祥事をやったらみんなで総攻撃して叩く」みたいなのがありますよね。たけしさんの番組だったら必ず不祥事を起こした人が出てきて、「お笑いウルトラクイズ」でクイズを出すっていう“禊”(みそぎ)があったんですよ。お笑いはそのためにあったんです。
これはもうテレビ界の中で機能できていたんですよ。「それを笑い飛ばせ」っていう。「それは悪かった、申し訳なかったんだろう。だけど、俺の番組に出て、ここでそれを笑いに変えろ」って。景山民夫さんとかいろんな人が出ましたよ。ああいうのが今なくなっているんですよ。総叩きして、そのまま。
夏野:
これはテレビ局がそういう番組を作りたくないからですか?
水道橋:
どうですかね? ああいう番組なくなりましたよね。
たけし:
金がねえんだよ、金が。昔のテレビのゴールデン枠のスポンサーに、金貸しとかパチンコ屋さんとかそういうのは出なかったんだよね。武富士なんかあれは“仏の武富士”って言われてね。相手が仏になるまで金を取り立てたっていう。
〆さば:
厳しいな、取り立て。それで仏ですね。
たけし:
だからそういうのもスポンサーになっちゃうじゃん。
北郷:
昔は深夜でしたからね。
〆さば:
深夜だけでしたよね、パチンコとかサラ金は。あとカツラの会社とね。
たけし:
だけど本当にね、世の中が価値観がなくなっちゃった。あと日本は俺みたいな年寄りが増えてくるから、年寄りをどうにか殺す方法を考えたほうがいいよ。「阿片窟OK」「85過ぎたら覚醒剤打っていい」とかね。
夏野:
大麻解禁ですね?
たけし:
だから、豊洲に養老院作ってベンゼン吸いながら覚醒剤吸って。あそこは無法地帯にして。周り海で島なんだから、あそこに入れちゃえばいいんだよ。それで「早く一生懸命お金貯めて豊洲行って覚醒剤吸うんだ!」っていう老人の希望を作んなきゃいけないね。
〆さば:
俺たちに明日はないですからね。
夏野:
じゃあ、これは特区にして。
〆さば:
ヒロポン特区みたいにして。
たけし:
3億円貯めりゃあね、あそこで好き放題できるといい。
〆さば:
それは頑張れますよね。
「ビートたけしが今のYouTuberでトップを取るならどんな闘い方をしますか?」
夏野:
さて、次に行きましょうか。山口県の20代の男性です。「こんなことをたけしさんに聞いていいのかどうかわかりませんが、僕は将来YouTuberになろうと思っています。ただ現状、上が詰まっていて、普通に戦っても全く有名になる気がしません。こういう状況の時たけしさんならどう戦いますか。」
たけし:
YouTuberってなんだい? この間笑ったのが、自動ノコギリ持って「YouTuberをなめんなよ、この野郎!」って言ったあいつ。アップルペンとか言ったやつもそうなんだろう?
〆さば:
はいそうです、PPAPのピコ太郎もYouTube。
たけし:
あれはあれで儲ければいいけど、あのネタを連続するのは大変だと思うよ。営業行って15分持つかって言ったら、15分もやってられないだろう? だから、新しい芸としてYouTubeというのはわかる。
でもそれにスポンサーがついていくらか金を貰って、2弾3弾と積み重ねることが果たして出来るのかなと思うけどな。
夏野:
ちょっと面白い傾向があるのは、YouTuberというのは、あんまりたくさんの人に支持を得なくても割とお金が入ってくる仕掛けになっているんですね。
たけし:
あれ、いくらくらい貰えるの?
夏野:
多い人だとほんとに1000万円、2000万円、稼いでる。
たけし:
毎月?
夏野:
月の人はまだいませんけど、でも世界で見ればいますよ。月1000万くらい。
たけし:
じゃあ、漫才師の方が全然いいよな。俺らの方が全然いいよ。
水道橋:
漫才ブームのころの。
たけし:
俺は月に27億円稼いだことがあるよ。で、25億円税金で持ってかれて、火つけちゃおうかと思ったよ。
夏野:
そんなに持っていかれる?
たけし:
98%だから。俺が腹立つのは、国会議員がどこどこにいくら使っただとか、東京都が豊洲に作ったとか。「あれは俺の金だ。返せよバカやろう!」と思うけど。
水道橋:
昔、野球界で落合選手の年俸が1億を突破した時に、洋七師匠【※】と飲んだんです。その時に「1億を突破した」話になったんですよ。そしたら洋七師匠は、もう、それをひと月で貰ってるから、流石に自分の年収を言えなかったっていうんです。
※洋七師匠
島田洋七。漫才コンビB&Bのひとり。
〆さば:
申し訳なくて言えなかった。
水道橋:
だから「すごいですね」と。それくらい漫才ブームの時の漫才師っていうのは、大金を得ていたんですよ。
たけし:
今のITみたいなもんだよ。稼ぐやつはすごいだろ? 何百億持っている。だから、いかに多くのファンを集めてお金ふんだくるかだけだから、考えようによったら儲かるよな。
YouTuberというのは、お笑いとか「面白いよー」って言っても、短編なんで、同じ人が何個も連発するというのは向いてないかもわからないね。
最初が1番すごくて、2番目から同じようなことをなぞって。まるっきり新しいものを持って来たらそいつは天才だと思うけど、あまり見ないよね。最初に当たったものの、やや同じ形を崩したものしか出てきてないので、もうちょっと良いやつが出てくればいいけど。
水道橋:
でも、YouTubeの中でやっていることは、喋りを発信している人もいるけど、そうじゃなくて、自分で自分をいじめたり、セクシーな姿を見せたり、そういうのが中心じゃないですか? つまり、ほぼ自分でセクハラやパワハラをやっているんですよ。
たけし軍団というのは、セクハラとパワハラを中心とした芸だったんです。でもテレビでそれをやっちゃいけないということになった。今たけし軍団はみんな難民化しているんですよ。