『スーパーマリオランド』のRTA中に心拍数を計測!? プレイ中の心拍数からプレイヤーが緊張する瞬間をモニタリング!!
1989年にゲームボーイのローンチタイトルとして発売され、400万本以上の売り上げを記録した『スーパーマリオランド』。
エジプトや中国などバラエティに富んだステージや、ステージテーマに合わせた敵キャラクター。マリオシリーズでは非常に珍しいシューティング面等、独特の雰囲気を持つ名作アクションゲームとして知られています。
今回ご紹介するのは『スーパーマリオランド』の少し変わったRTA動画。EiPさん投稿の『【RTA】スーパーマリオランド Any% 12分36秒』です。
昨年1月に投稿されたこの動画は、当時世界4位の記録となるRTA。いったい何が変わっているのかと言うと?
動画ではプレイヤーのEiPさんが心拍数測定計を装着しており、RTAを行っている瞬間の心拍数を計測、表示しているのです。
世界レベルのRTAプレイヤーは一体どんな場面で緊張しているのかが確認できるこの動画。今回は12分36秒の記録のうち、特に心拍数の高かった瞬間に注目し、ご紹介します。
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RTA後半から心拍数が上昇、理由は「記録を意識する」から
一般的な男性の心拍数は平常時で70程度。では、RTA走者の心拍数が上昇し高い数値を記録するのはどんなタイミングなのでしょうか?
各ステージの最も高い心拍数を書き出すと以下のようになります。
Stage Low High 1-1 69 76 1-2 73 79 1-3 75 84 2-1 72 82 2-2 77 83 2-3 71 79 3-1 76 82 3-2 81 92 3-3 89 114 4-1 85 98 4-2 85 151 4-3 128 163
画面右下に表示されるハートマークの数値を見ていると、全12ステージの内1-1から3-1までは比較的平常時に近い70から80が多く、80後半のような高い数値が現れるのは3-2に入ってから。
ゲーム後半に入り、数値が上がり始める3-2ではRTA走者の心境にどんな変化があるのでしょうか? それは好記録のイメージにあるようです。
解説によれば3-1のゴールにたどり着く状況は10%もないという『スーパーマリオランド』のRTA。ステージ3-1を越えると好記録が脳裏にチラつき緊張感が現れるようです。
解説を裏付けるように3-2に入るとシビアな難所が続くこともあり心拍数は常に80オーバー。3-2のゴール付近では89と、やや高めの数値を記録しています。
続く3-3では緊張はそのままなのか心拍数は上がり続け、スタート時点で94。
道中は90台をキープし、苦手だというボス戦が近づくと数値は軽い運動程度の100をオーバー。ゴール直後には苦手なエリアでの緊張と、最終面を目前にしての緊張からか過去最高の数値114を記録していました。
残るは最終面となるワールド4のみ。ゴール後のボーナスでフラワーを引くことができれば、好記録へさらに一歩近づくことになります。
興奮冷めやらぬまま入ったボーナスは下から二段目。フラワーではなく2UP、ここにきてまさかの0.8秒のタイムロス。
「ここで花を引けないようでは」とまで言っていたEiPさん。好記録が期待できる走りの中のタイムロスには相当ガッカリしたのでしょう、ゴール時には100を超えていた心拍数は一気に低下。4-1スタート時点には93まで落ち着いていました。
RTA最後の難所突破で心拍数上昇、ステージ4では心拍数90は当たり前⁉
ステージ3-3では心拍数114をマークしたEiPさん、最終面となるステージ4ともなるとその心拍数は90台が当たり前。記録を目前に心拍数の上昇が続きます。
いわく4-3は強制スクロールのシューティング面であり、ステージ4-2が実質最終ステージ、最後の鬼門となるようです。
鬼門コースの4-2では、後半に非常に難易度の高い連続低空ジャンプが待ち構えています。
RTA走者にとって終盤の難所とはやはりかなりの緊張感を与えるようで、「ゲーム終盤、少しのミスも許されない状況」というプレッシャーでしょうか? 連続低空ジャンプが近づくにつれ徐々に心拍数が上昇。
多少落ち着いていた心拍数はRTA中二度目の100オーバー、難所を突破した直後には120を記録していました。
ラストステージでまさかの被弾、心拍数は過去イチの上昇!!
ここまでくると好記録を確信しているのでしょう、かなりの緊張感からかステージクリア後も心拍数は上昇。4-2のゴールから4-3が始まるまでの10秒程で心拍数は10以上変化し150を超えています。
視聴者も上がり続ける心拍数を気にする中、EiPさんは最後の最後に被弾。パワーアップしていなければ完全にアウトな場面です。
取り返しのつかない事態になりかねない状況から心拍数には焦りが現れ、4-3開始時に150を超えた数値は動画中最大の163まで上昇。最早マラソンでもしているのかというレベルの数値に到達しました。
あまりにも高すぎる心拍数に最早計器の故障すら疑ってしまうところですが、キノコでパワーアップすると心拍数は150まで低下。
さらに、スターを取ることに成功すると140台まで低下。しっかりとゲーム動きにシンクロしている様子を見ると、ゴールを目前にしたミスでは相当焦っていたことがわかります。
好記録が脳裏に過った瞬間、高難度エリアを超えた瞬間、そしてミスした瞬間。RTA走者がどんな瞬間に緊張するのか数字でわかりやすく見ることができる動画。
心拍数測定計を装着しRTAに挑んだ動画『【RTA】スーパーマリオランド Any% 12分36秒』で、RTA走者の緊張感を感じてみてはいかがでしょうか。
文/富士脇 水面
【RTA】スーパーマリオランド Any% 12分36秒
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