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RPGなのに戦闘のない伝説のゲーム『moon』。 勇者に倒された動物の魂を救う「アンチRPG」は発売から22年経った今でも魅力的だった!

 1997年にPlayStation用ソフトとして発売された伝説のアンチRPG『moon』

 「もう、勇者しない。」というパンチのあるキャッチフレーズで知られ、9月5日に行われた任天堂のWeb番組『Nintendo Direct 2019.9.5』ではNintendo Switch移植が発表された『moon』って、一体どんなゲームか知っていますか?

 今回ご紹介するのはゲーム夜話さん投稿の『【moon】愛こそはすべて-ゲームゆっくり解説【第40回前編-ゲーム夜話】』。22年前のRPGの当たり前を覆した戦闘のないRPGの魅力に迫った動画から一部をピックアップしてご紹介します。

※本記事には『moon』のネタバレが一部含まれます。ご了承のうえで御覧ください。

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復活に沸くRPG『moon』、異色の「愛を探し求めるアドベンチャーRPG」

 20年以上もの間、移植などの新しい場で遊ぶ機会が現れなかった『moon』、いったいどんなゲームなのか? 動画冒頭のゲーム紹介から確認してみましょう。

 『moon』の物語は、RPGをプレイヤーとして遊んでいた少年が、「ムーンワールド」と呼ばれるゲームの世界に迷い込んだところから動き出します。

 昼や夜といった時間経過のシステムがあり、主人公には行動の時間制限が設けられています。この制限の限界まで行動してしまうと主人公は気絶しゲームオーバーに。
 この制約は、困っている人の手助けや、”勇者”によって倒された動物の魂を救うことで獲得できる「ラブ」を集めることで少しずつ緩和。少しずつ行動できる範囲が広がっていきます。

 当時のRPGは「巨悪に立ち向かい、世界の問題を解決する」といったものが主流である中、『moon』には敵という概念は基本的に存在せず、愛で成長し目的を果たす構造になっています。

 『moon』はムーンワールドを巡りながら、「どうすればラブが得られるのか?」プレイヤー自身がそれを探し求める、いわば「愛を探し求めるアドベンチャーRPG」なのです。

リミックスRPGアドベンチャー、昔ながらのスタイルを再構築した生きた世界

 『moon』のゲームジャンルには「リミックスRPGアドベンチャー」と記されています。

 このリミックスという言葉は既存の楽曲を再編集し、新たな楽曲を作り出すという音楽用語。つまり、『moon』は既存のRPGや、アドベンチャーゲームの手法を一度解体し、再構築した作品であるようです。

 動画によればテレビゲームにおいてプレイヤーの意思や考えを作品世界に”反映”させる手段は大きく分けて以下の三つです。

①RPGやアドベンチャーゲームではお馴染みの「話す」、「調べる」、「見せる」といったコマンド選択。
②『かまいたちの夜』や、『タクティクスオウガ』などに見られる、物語の分岐を伴う選択肢。
③作品世界に変化をもたらし、障害を克服したりするための、プレイヤーの判断を伴うアクション要素。

 『moon』は既存の手法を織り交ぜながら、プレイヤーが作品世界に介入する術を構築しています。RPGのように人々から情報を集めていると、時に選択肢が提示され、選択肢次第で得られる情報などが変化することになります。

 『moon』に登場する人々は一定の場所で同じセリフを口にするのではなく、時間や曜日に応じて行動し生活を送っています。毎朝、鳥に餌を与えている王様や、夕方に花火の試し打ちをしている花火職人。

 『The Elder Scrolls V: Skyrim』などに見られる本当に住人たちが生活しているかのように作りこまれた、”生きた世界”ですが、20年以上前に発売された『moon』ではすでに行われていたのです。

すべてがプレイヤーの感性に委ねられた特別な没入感

 従来のRPGとは違うものをと始まった『moon』、ゲームデザインを手がけた木村祥朗さんは、「ファンタジーは好きだし、RPGも好きだし、勇者も好きだ。そんな”矛盾した気持ち”から『moon』は生まれている」と語ったといいます。

 ゲーム冒頭では少年によって遊ばれていた『ドラゴンクエスト』、『Final Fantasy』のパロディーを感じさせるRPGには、戸惑いを覚えた方も少なくないでしょう。

 この違和感を感じるような演出は、「今までの作品はこうだったよね。でも僕らの作るゲームはこんな感じだよ」と、今までのゲームとの”違い”を鮮明にするためのものであったのではとのこと。

 動画ではこの演出は誇張されたパロディーとして風刺的ではあるものの、その導入部分は本編の内容とリンクしていることに気づかされるなかで、「少年がゲームの世界に迷い込んでいる」という設定を意識させる布石であったことを、改めて認識したといいます。


 主人公自身は、作中の出来事に対して反応を示すことはほとんどありません。さらに、その姿に至っては透明という設定になっています。何を感じるかといった感性はプレイヤー自身に委ねられているのです。

 滑稽さにツッコミを入れるも、シュールな光景に戸惑うも、さまざまなシーンでの反応はすべてプレイヤー次第。視点と感情をプレイヤーにゆだねることで、特別な没入感を作り出しているのです。


 動画では今回ご紹介したこと以外にも『moon』のさまざまな要素に触れられています。『moon』移植版で初めてのプレイを楽しみにしている方はもちろん、再び触れようとしている方もご覧になってみてはいかがでしょうか。

 ※後編にはゲームのストーリーに関する重大なネタバレが含まれております。ご視聴の際はご注意ください。

文/富士脇 水面


【moon】愛こそはすべて-ゲームゆっくり解説【第40回前編-ゲーム夜話】

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