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氷山をまるごと空母に?「氷山空母ハボクック」計画――全長600m、排水量200万t、海水で自動修復…無敵なハズの海上兵器が計画倒れに終わるまで

 計画だけで終わってしまった海上兵器“氷山空母ハボクック”をご存知でしょうか? 第二次世界大戦中、イギリスは空母不足に悩んでいました。そこで立ち上がったのが、発明家のジェフリー・N・パイク。彼はたまたま聞いた「航路を邪魔する氷山の爆破に失敗した」というニュースに目を付け、海軍少佐のルイス・マウントバッテンとともに時の首相チャーチルに氷山を空母とする「氷山空母」の計画を提出しました。

 今回紹介する、ストロー=クーゲルスタインさんが投稿した『ゆっくりで語る珍兵器 第⑨回【氷山空母ハボクック】』という動画では、音声読み上げソフトを使用して、同人ゲーム『東方Project』の霧雨魔理沙(きりさめ まりさ)博麗霊夢(はくれい れいむ)のふたりのキャラクターが、“氷山空母ハボクック”がなぜ計画だけで終わってしまったのかについて解説を行っています。


“氷山空母ハボクック”とは?

霊夢:
 さて、今回紹介する珍兵器はこちら! 氷山空母ハボクックだよ。

魔理沙:
 悪の秘密結社の最終兵器かな?

霊夢:
 これは全長約600m、幅100m、排水量にして200万トンの空母をカナダで切り出した氷塊と鋼鉄製の枠組みから作成する計画だったよ。

魔理沙:
 デカすぎぃ!? もはや空母っつーか洋上基地だな。

霊夢:
 実際、大西洋上に人工島を作って航空機の中継基地とする構想に影響を受けたらしいからね。ついでに海水の注入でその場で修理可能な不沈空母となる予定だったみたい。

魔理沙:
 謂わば海そのものが装甲となるのだ……。

霊夢:
 計画では艦載機搭載数150機、備砲として4.5インチ砲40門を装備し、陸上機の運用も考慮されていたよ

魔理沙:
 下手な基地より規模がデカイんじゃねぇかなこれ?

霊夢:
 まぁイギリスは空母が不足していて、洋上で航空機を運用する手段が欲しくて仕方なかったから、多少はね?

魔理沙:
 多少ってレベルじゃねーぞ!

 洋上基地よりも遥かに大きい“氷山空母ハボクック”。コメント欄では、「英国面の頂点」「この四発爆撃機が発艦してる画像からしてイカれてる」「こんなものを浮かべて喜ぶか!変態どもが!!」「発想はいいけど構想が無謀なんだよなぁ・・・」といったコメントが寄せられました。

“氷山空母ハボクック”が計画だけで終わってしまった原因は?

霊夢:
 と、まぁ計画がスタートしたわけなんだけど、さすがにただの氷では強度や溶けやすさが問題となったよ。

魔理沙:
 知ってた。

霊夢:
 そこでパルプを混ぜたパイクリートという特殊な氷を用意した。これは溶けにくさとライフル弾の直撃に耐える強度を兼ね備えた凄い氷だった。

魔理沙:
 なんだこの氷はたまげたなぁ。

霊夢:
 とはいえ完全に融解を防ぐことはできず、船体に大量の冷却装置を組み込むことで強引に解決した。

魔理沙:
 それはそうと、氷に混ぜ物なんかして沈まなかったのか?

霊夢:
 通常の氷の比重は0.9168、これに対して海水の比重は1.023。

霊夢:
 そしてパルプの比重は種類によるけどほとんどのものは1未満、比重は海水のそれを下回るよ。よって海底へのご招待を免れたわけだね。

魔理沙:
 お、これいけるんじゃね?

霊夢:
 ところで、この計画は氷山から切り出した氷を使う予定だったんだけど、当然凍った状態ではパルプを混ぜられないよ

魔理沙:
 前言撤回、やっぱダメそう。

霊夢:
 それに冷却装置を組み込まなきゃいけないし、そもそも鋼鉄の枠組みが入ってないと自重で崩壊する。つまり、氷を使って安く作ろうという計画が崩壊したわけだね

魔理沙:
 積極的にコンセプトから崩壊させていくスタイル、嫌いじゃないけど好きじゃないぜ。

霊夢:
 しかもデカすぎて製作できるドックはなく、冷却装置と操船用モーターを動かすための発電機といった各種装置も高価。よって価格が高騰し、同じサイズの空母を作るのと大差ない……下手すると空母より高い金額になったよ。

魔理沙:
 海の珍兵器ってバカみたいに高価にならなきゃいけないルールでもあるのか?

霊夢:
 おまけに常に冷却機は回さなきゃいけないし、それが壊れたらジ・エンド。艦内が低温だから乗員の居住性は最悪、それどころか一般的な動力源であるボイラーも使えない。万が一航空燃料が火災を起こそうものなら溶解不可避と運用上の問題も山積み。

魔理沙:
 問題しかなかったけど、いいかな?

霊夢:
 よくない全然よくない。結局氷山空母の計画は凍結、三ヶ国の協力の下に7000万ドルと8000の人員を8ヶ月に渡って動員した野望は泡と消えたよ。

魔理沙:
 紅茶が足りなかったんや……。

霊夢:
 ついでに空母の不足も護衛空母の登場で無事解決、というか護衛空母作った方が遥かに安上がり。

魔理沙:
 つまり?

霊夢:
 なんの成果も得られませんでした!!

魔理沙:
 ですよねー。

霊夢:
 大抵こういう失敗作からも何か得られる技術とかがあるんだけど、こいつの場合兵器としては本当に金の無駄使いに終わってしまったよ。

霊夢:
 唯一パイクリートだけは建材としての利用が極々稀にあるんだけど、パイクリートが建材に使える土地って時点で限定的すぎてもうね。

魔理沙:
 ま、まぁ今後なにか良い利用法が生み出されるかもしれないし、まったくの無駄ではなかっただけ良しとしようぜ。

 普通の氷では、強度と溶けやすさが問題だったため、パルプを混ぜたパイクリートという特殊な氷を用意。しかし、この計画は氷山から切り出した氷を使う予定だったため、当然凍った状態ではパルプを混ぜられませんでした。また、他にも様々な問題が浮上し、氷山空母の計画は凍結しました。コメント欄では、「むしろ最初に気づけるレベル」「何で本気で資金投入したのか」「こういうのはダメという教訓が得られました…」といったコメントが寄せられました。

提案者で発明家のジェフリー・N・パイクのその後は?

霊夢:
 ちなみに提案者で発明家のジェフリー・N・パイクは大戦終結後の1948年に、睡眠薬で動機不明の自殺をしているよ。

魔理沙:
 責任感じちゃったのか?

霊夢:
 全然そんなことはなく、戦後も元気に発明してたらしいよ。敵艦に過冷却水ぶっかけて氷漬けにする計画とか立案してたらしいし。即刻却下されたけど。

魔理沙:
 そんな人間がなんで自殺なんてしたんだろうな?

霊夢:
 実は彼はチャーチルと仲良しで、氷山空母計画もその政治力によるものとされているんだ。だからもしかすると誰かに……。

魔理沙:
 おお、こわいこわい。

霊夢:
 まぁ、今となっては確かめる術はないけどね。

 ジェフリー・N・パイクが戦後も懲りずに、敵艦に過冷却水ぶっかけて氷漬けにする計画とかを立案していたことに、「なんだこの氷属性おじさん」「なんでこの人そんなに冷やすの好きなんだよww」「氷から離れろwwwww」「氷魔法の申し子じゃねーか」といったコメントが多数寄せられました。

 海上兵器“氷山空母ハボクック”がなぜ計画だけで終わってしまったのかについて、ノーカットで楽しみたい方はぜひ動画を視聴してみてください。

▼動画はこちらから視聴できます▼

ゆっくりで語る珍兵器 第⑨回【氷山空母ハボクック】

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