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パワー不足の小さな拳銃が放った1発の弾丸が800万人の命を奪った!? 『ブローニングM1910』がサラエボで“歴史を変えた”瞬間を解説

 アニメ『ルパン三世』の峰不二子も愛用している、今でも世界で愛され続けている銃”ブローニングM1910”。手のひらサイズの銃である”ブローニングM1910”から放たれた銃弾が歴史を変えたことをご存じでしょうか。

 今回紹介する、バーガースさんが投稿した『ゆっくりで見る歴史を変えた武器・兵器【ブローニングM1910】』という動画では、音声読み上げソフトを使用して、同人ゲーム『東方Project』の河城にとり(かわしろにとり)霧雨魔理沙(きりさめ まりさ)の二人のキャラクターが、歴史を変えた武器“ブローニングM1910”の解説と第一次世界大戦のきっかけとなった、”ブローニングM1910”によって起きた事件”サラエボ事件”の解説を行っています。


スマートな見た目が人気の”ブローニングM1910”

にとり:
 ブローニングM1910は、ジョン・ブローニングが開発したオートマチック・ピストルだよ。

魔理沙:
 ジョン・ブローニングって何者なんだ?

にとり:
 ジョン・ブローニングは、アメリカの天才設計技師だよ。

 今回解説するブローニングM1910の他にも、たくさんの優れた銃を生み出したんだ。ブローニングM1910の特徴の一つは、ブローバック方式といわれる作動方式だよ。

 一般的に、ブローバック方式では、銃弾を発射した時のガスの吹き戻しを使って、倒れた撃鉄を起こし、空薬莢を排出して、新しい銃弾を装填するんだ。

魔理沙:
 結局どういうことだ?

にとり:
 銃弾を撃つには引き金を引くだけでいいようにいろいろな操作を自動でやってくれる方式ってことだね。だからオートマチックといわれるんだ。

魔理沙:
 なるほどな。

にとり:
 ブローニングM1910のもう一つの特徴はストライカー方式といわれる、ばねを使った撃針だよ。

魔理沙:
 撃針ってなんだ?

にとり:
 撃針は銃弾を発射する火薬に点火するのに必要な雷管を叩く鉄の棒だよ。

 撃針は、撃鉄といわれるハンマーをあてて作動させることが多いんだ。

 でも、ストライカー方式では撃針をばねで押して作動させるんだ。

魔理沙:
 それって、どんなメリットがあるんだ?

にとり:
 撃鉄を採用すると、そこがピストルの突起部分となってしまう。だから、いざ撃とうと思って懐からピストルを取り出そうとしたときに服に引っかかることがあるんだ。

魔理沙:
 コンマ一秒を争うかもしれない世界でそんなことが起きればたまったもんじゃないな。

にとり:
 それに、撃鉄をなくしたことで、スマートな見た目になってブローニングM1910が人気になる一因となったよ。

魔理沙:
 やっぱり人気だったんだな。私もこのピストルかっこいいと思ったんだよ。一丁持っておきたいぜ。

にとり:
 うーん、でもブローニングM1910は魔理沙にはあまり向いてないと思うよ。

魔理沙:
 そうなのか。

にとり:
 さっき、ブローニングM1910はブローバック方式を採用してるって言っただろう?

魔理沙:
 そうだな。

にとり:
 この方式が発射ガスが大きい弾を撃つと、銃身からガスが漏れ出て危険な状態になるんだ。

 発射ガスが大きい弾っていうのは、威力の大きい弾ってことだね。

魔理沙:
 ということは、このピストルにはパワーが足りないということか?

にとり:
 そうなるね。

魔理沙:
 弾幕もピストルもパワーだぜ! 私にはふさわしくないな。

にとり:
 やっぱりそういうと思ったよ。

魔理沙:
 で、こんなパワー不足のピストルがどうして大惨事を起こせるだけのパワーを持てるんだ?

にとり:
 それは、ブローニングM1910が使われた場所と人と時代が最悪だったからだよ。

 “ブローニングM1910”はパワーが足りなかったということに、「なんでや普通に死ぬ威力やろ!」「事件を起こすのにパワーは必要ないんだよなぁ」といったコメントが寄せられました。

オーストリアVSセルビア――真逆の特別な日6月28日

にとり:
 ブローニングM1910が世に出回り始めた1910年代初頭、ヨーロッパには、火薬庫といわれるほど情勢不安定な地域があった。

 それは、バルカン半島だよ。

魔理沙:
 そのバルカン半島とやらはなんで火薬庫ってひどい例え方をされたんだ?

にとり:
 自国内のスラブ系民族の分離・独立運動を抑えたいオーストリアと、これに反対するセルビアを筆頭とするスラブ系国家が激しい対立状態にあったんだ。

 特に、1908年のオーストリアによるボスニア・ヘルツェゴヴィナ併合は、セルビアを大いに怒らせた

 というのも、ボスニア・ヘルツェゴヴィナはスラブ系の民族が住む地域でセルビア人も多かったからなんだ。

魔理沙:
 ここにきてスラブ人の人口を増やしていくのか……。

にとり:
 欲が出てしまったんだね。そういった状況の中、運命の1914年6月28日に事件は起きた

魔理沙:
 6月28日ってそんな特別な日でもなくないか?

にとり:
 幻想郷、というより、日本人にはあまり馴染みの無い日だね。

 でも、セルビアにとってこの日は中世にコソボの戦いでオスマン帝国に負けて属国となった屈辱の日なんだ。

 一方、オーストリアにとってこの日は皇太子フェルディナント大公夫妻の結婚記念日だったよ。

魔理沙:
 真逆って感じだな。

にとり:
 そしてこの日、大公夫妻はボスニアで軍事演習の視察を終えて州都サラエボで街頭パレードを行うことになっていた

魔理沙:
 セルビアからしたら、喧嘩を売っているようにしかみえないな。

にとり:
 売られた喧嘩は買う、と判断したセルビアの過激派組織「黒手組(ツルナ・ルカ)」はパレード中の大公を殺そうと、7人の刺客を送り込んだ

魔理沙:
 大変なことになってきたな……。

にとり:
 しかも、大公はパレードを行う道路に兵隊を配置しなかったよ。

魔理沙:
 どう考えても危ないだろ。何を思って兵隊を使わなかったんだ?

にとり:
 それは、大公の妻ゾフィーの出自に関係があるんだ。

 セルビアにとって屈辱の日に、併合したボスニアでオーストリアのフェルディナント大公夫妻の街頭パレードが行われました。コメント欄では、「なんと間の悪い・・・運命のいたずらだな」「避けようはあったか」といった感想が寄せられました。

なぜ兵隊を配置しなかったのか?

にとり:
 ゾフィーはあまり位の高くない貴族の出身で、宮廷ではフェルディナント大公との結婚は身の程知らずだと思われていた。

 ところが、フェルディナント大公のゾフィーに対する愛は並々ならぬもので、二人はついに結婚するよ。

魔理沙:
 こういう話って本当にあるもんなんだな。

にとり:
 でも、宮廷は二人の結婚を認めたわけじゃなかった。

 二人の結婚式には数々の大諸侯どころか皇帝のフランツ・ヨーゼフ1世までもが欠席したんだ。

魔理沙:
 気に入らなかったとしても普通そこまでするか……。

にとり:
 結婚後も二人は冷遇され続けたよ。

 二人の子供には皇位継承権は認められなかったし、式典や行事で、大公と夫人が同列に座ったり並んだりすることも許されなかったんだ。

 でも、今回のサラエボのパレードでは、オープンカーに並んで座ることを許されたんだ。大公としては、パレードをなるべく開かれたものにして世間に自分の愛する妻をアピールしたかっただろうね。

魔理沙:
 兵隊を配置しなかったのは大公の愛ゆえなんだな。いい話だなあ。

 貴族ではないゾフィーとの結婚は許されず、結婚後も冷遇され続けたフェルディナント大公。コメント欄では、「だからパレードが自国ではなく植民地のボスニア(以下略)で行われたんだよね」といった意見が寄せられ、また、サラエボでのパレードでは並んで座ることを許されたことに、「すごい偶然ダナー」「仕組まれてませんかねぇ?」といった陰謀論を指摘するコメントも。

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