『Fate』尽くしの年末配信をより楽しむために! 『Fate』シリーズの魅力を原作・アニメ(映画)・主人公から見てみた
主人公・衛宮士郎から見る『Fate』の魅力
多くの派生作品があり、作品によって主人公が異なる場合がある『Fate』シリーズだが、原作『Fate/stay night』にて主人公を務めた衛宮士郎が、『Fate』の主人公というイメージが一般的ではないだろうか。
せっかくなので、今回はまだ原作に触れていないという方のために、士郎の人間性とその魅力についても紹介していきたいと思う。
★衛宮士郎の魅力
・“正義の味方”を夢見る青年
・一点特化すぎる魔術の才能
・単なる人格破綻者か、頼れるヒーローか
“正義の味方”を夢見る青年
高校2年生の士郎は、『Fate/stay night』の時間軸から10年前に起こった“冬木大災害”に巻き込まれ天涯孤独となるという過去を持っている。
そんな幼少期の士郎を救い、養子として迎え入れたのが『Fate/Zero』の主人公・衛宮切嗣。
切嗣を慕っていた士郎は、切嗣のようになること、ひいては“正義の味方になる”ことを決意。こうした士郎の気高くも青臭い理想は、呪いのように彼を縛り、いつしか彼の行動原理そのものとなっていく。
「誰かを救うということは、他の誰かを救わないということ」という切嗣の言葉にもある通り、ある種歪んだ理想を掲げる士郎が、その自己矛盾に対しどんな解を得るのかというのが、『Fate/stay night』の大きな見どころでもある。
一点特化すぎる魔術の才能
大きな理想を抱えながらも、ふだんは等身大の青年として描かれている士郎。
彼が正義の味方となるべくもっぱら請け負っていることといえば、ほぼほぼ便利屋のようなものだった。
その内容は、彼が使える数少ない魔術である“構造把握”や、“強化”をなんとか駆使して、壊れたストーブを修理するといった類。
一応、“投影”によって物の外見だけを真似たガラクタを生み出すこともできるみたいだが、魔術師としてエキスパートの凛から言わせれば「へっぽこ」という力量しかない。
しかし、これらの魔術は士郎の成長とともに点と点が線でつながるように、ある到達点へと至るもので……。一見では取るに足らない個々の魔術が、使いかた次第で英霊をも凌駕する武器になる……というカタルシスを、とくに“Unlimited Blade Works”ルートにて味わえる。もちろんアニメでも。
単なる人格破綻者か、頼れるヒーローか
『Fate/stay night』のバッドエンドの豊富さは、士郎のお人好しすぎる性格に起因しているケースも少なくない。
お人好しと言えばまだ聞こえがいいのがだが、士郎の場合は単に“人がいい”だけでなく、自己犠牲を何とも思わないという異常性がタチの悪さに拍車をかける。
ときには、英霊同士の異次元の戦闘に割って入って命を落とすなどの、犬死ににしか思えないような理外の行動を取ることも。
それほどまでに士郎の「誰かを救いたい」という想いは根深く、人間として壊れてしまっていると評される場合もある。それゆえ、ファンの間では「好き嫌いがはっきりわかれる」と言われることも多い。
そんな士郎の異常性の根源にあるものを、セイバー、凛、桜の3大ヒロインはそれぞれのルートにて異なるアプローチからひも解いていく。
それらのピースがすべて出揃った結果、プレイヤーにとって果たして士郎はどんな人物に映るのか。
確かに万人受けはしにくいキャラクターなのだだが、それだけに味わい深いというのが士郎の持つ最大の魅力なのだろう。
年末充実の配信で『Fate』を楽しもう
いまなお色褪せぬ没入感を誇る原作を筆頭に、数多くの媒体で縦横無尽に展開されている懐の深さこそ、『Fate』シリーズの魅力。
中二病的な雰囲気が好きな方、伝奇モノが好きな方、異能バトルが好きな方、はては可憐なロリっ子が好きな方まで、いずれかの派生作品に何かしら刺さるものがあったと感じた方も多いハズ。
この年末、、『Fate』作品の配信は充実しているので、ぜひこの機会に『Fate』作品に触れてみてはいかがだろう?
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