『Fate』尽くしの年末配信をより楽しむために! 『Fate』シリーズの魅力を原作・アニメ(映画)・主人公から見てみた
2018年12月31日21時より、『Fate/stay night』に端を発する人気シリーズの特別番組『Fate Project 大晦日TVスペシャル 2018』がニコニコ生放送にて放送される。
さらに、同日8時30分より、『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』の一挙放送があったりと、2018年の大晦日は『Fate』尽くし!
そこでこの記事では、発売から10数年が経過した原作『Fate/stay night』を皮切りに、改めて『Fate』シリーズの基礎知識を解説していく。
原作ゲームから見る『Fate』の魅力
『Fate』シリーズの原典となっているのは、2004年にリリースされたPC向けノベルゲーム『Fate/stay night』。
こちらは、『月姫』などで知られる同人サークル“TYPE-MOON”の法人化に伴う、商業作品の第1弾となっている。
シナリオは奈須きのこ氏、キャラクターデザインは武内崇氏が務め、全編ボイスなしの18禁エロゲーとしては異例の大ヒットを果たした。『Fate』シリーズが「もとはエロゲーだった」と聞くと、最近『Fate』を知った方は驚くかもしれない。
その後、全年齢版として『Fate/stay night[Réalta Nua]』がPS2・PSVitaに移植され、2018年時点で18禁版と全年齢版を合わせた販売実績は50万本【※】にも及ぶとのこと。
※“CEDEC2018”にて“TYPE-MOON”公式より発表。
では、そんな『Fate』がここまで多くのファンを惹きつけた理由は何だったのだろうか?
★『Fate』シリーズ原典の魅力
・ケタ違いに中二病全開のストーリー
・個性豊かすぎる魔術師&サーヴァントたち
・胸アツの3大ルートと豊富なバッドエンド
ケタ違いに中二病全開のストーリー
『Fate/stay night』にて主軸として描かれているのが、“聖杯戦争”という万能の願望器・聖杯を巡る魔術師たちの争い。
この戦いでは、聖杯によって選ばれた7人の魔術師が、それぞれがサーヴァントと呼ばれる古今東西の英雄の霊(=英霊)を召喚し、バトルロイヤルをくり広げていく。
超常的な異能を武器に人知れず、闇討ち、だまし討ち、なんでもアリの乱戦に臨む各陣営。その思惑は複雑に絡み合うことに。
そんなデスマッチに、半ば強引に巻き込まれる形になってしまった主人公・衛宮士郎と、サーヴァント・セイバーの活躍は見応えバツグン。
ちなみに、『Fate/stay night』における“聖杯戦争”は史上5回目のものとなっており、過去の戦いの模様は『Fate/Zero』やそのほかの外伝的作品で触れられている。
そのため、シリーズを知れば知るほど“聖杯戦争”の謎が明らかになっていくというのも、ファン心理をくすぐる魅力と言えるだろう。
個性豊かすぎる魔術師&サーヴァントたち
“聖杯戦争”には、さまざまな得意分野を持った魔術師たちが参戦。彼らは各々の果たすべき願いを叶えるべく、サーヴァントの力を借りて覇権を争う。
登場キャラクターたちは、ゲームが世に出てから10年以上たったいまでも、現在進行形で掘り下げ続けられるほどの人気で、まさに『Fate』の魅力を語るうえで欠かせない存在となっている。
■魔術師
魔力を使ってさまざまな術を使う魔術使いの中でも、“根源”への到達を目指す者を『Fate』シリーズでは“魔術師”と呼称。“聖杯戦争”の参加者に選ばれた魔術師はマスターと呼ばれ、あらゆる願いが叶うとされる“聖杯”を手に入れるための戦いに身を投じることとなる。■サーヴァント
あらゆる伝説や伝承の英霊が、マスターの召喚に応じて使い魔化したもの。サーヴァントには、セイバー、ランサー、アーチャーといったクラスが割り当てられている。各々、生前のエピソードなどをもとにした武装“宝具”を所持しているが、使用すると素性がばれてしまう=弱点を探られてしまうため、ここぞという場面の切り札的な存在。
『Fate/stay night』には上記画像のような、可憐な少女マスター×大男のサーヴァントといった組み合わせも登場。
こちらの少女は、イリヤことイリヤスフィール・フォン・アインツベルンちゃん。見かけによらず魔術師としてスゴ腕の実力を持ち、士郎たちの前に幾度となく立ちはだかることに。
また、彼女が従えるバーサーカーは最強のサーヴァントと目されており、“宝具”の性能も反則スレスレ。正体はとある神話の超有名な英雄……でありながら、バーサーカーのクラスで召喚されたことにより知性の失われた狂戦士と化している。
胸アツの3大ルートと豊富なバッドエンド
『Fate/stay night』は、おもに3つのルートで構成されており、各ルートの中心となるヒロインや“聖杯戦争”そのものの展開は大きく変わってくる。
どの陣営が、いつ、どんな形で脱落していくかによって、キャラクターたちに対する印象も様変わりするのが本作の魅力。
また、選択肢次第で士郎が見るも無残な死を迎えることもしばしば。
あまりにも多すぎるバッドエンドの後には、本編のシリアスな雰囲気から一点、コミカルに振り切った“タイガー道場”がプレイヤーをお出迎え。
こちらは、士郎の姉的存在・藤村大河と、本編でマスターとして活躍するイリヤが、なぜバッドエンドに突入してしまったかのヒントを教えてくれる解説コーナー。
しかし、解説コーナーとは名ばかりで、ストーリーの裏話やメタ話をくり広げる回も多く、この“タイガー道場”じたいをコンテンツとして楽しむファンも少なくなかった。
思えば、こういった形で公式みずから“キャラ崩壊”させていく懐の深さが、その後のシリーズ展開や二次創作ジャンルとしての人気獲得にも繋がっていたのかもしれない。