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早稲田大学の専門家の先生に“ヒアリ探知犬”とヒアリについてヒアリングしてみた「機械より犬の見つける能力のほうが優れている」

 南米原産の強毒アリ「ヒアリ」。刺されるとその毒で激しく痛み、患部が腫れ、人によってはアレルギー症状を起こすことも……。寒さで日本の冬は越せないのではないか、といった専門家の指摘とともにヒアリの報道は鳴りを潜めていますが暖かくなり、再び発見事例が大量に出てくる可能性があります。

 ニコニコでは「第62回日本応用動物昆虫学会大会」において、台湾では既にヒアリ対策で活躍している“ヒアリ探知犬”のデモンストレーションの様子をMonsters’ Agrotech(蒙斯特農研有限公司)林彦宏氏の解説と共に中継しました。

 さらに早稲田大学理工学術院の坂本洋典先生にヒアリについて貴重な話のヒアリングも行いました。

ヒアリ探知犬:フェイフェイ。

デモンストレーション開始! 果たしてヒアリを探知できるのか

 デモンストレーションの説明を行うのはMonsters’ Agrotech(蒙斯特農研有限公司)林彦宏氏

 台湾で既に活躍しているヒアリ探知犬のフェイフェイ。犬種はビーグル犬。

 デモンストレーションではヒアリの匂いがついた紙を入れた缶と、匂いのついていない缶を並べて配置します。ヒアリの匂いを嗅ぎ分けることができるのでしょうか。

 フェイフェイは、ヒアリの匂いのついていない缶を倒して次の缶へ向かっていきます。

 ヒアリの匂いがついた紙を入れた缶の横におすわりして、ドッグハンドラー(調教師)に知らせます。

 見事、デモンストレーションを成功させたフェイフェイ。ご褒美をもらって嬉しそうです。

番組にはフェイフェイへの温かいコメントが寄せられました。すでに台湾ではいくつものヒアリのアリ塚を発見するお手柄をたてているそうです。

今日だけでいっぱい働いたんだなぁ
凛々しい
ヒアリの気配を感じるんだ!
優秀でかわいかった

ヒアリについて、早稲田大学理工学術院の坂本洋典先生にヒアリング

ヒアリの標本を見せる坂本洋典先生。

記者:
 機械で出来たりしないのでしょうか

坂本:
 将来的に機械で行うことは可能になると思います。ただ今は犬の見つける能力が非常に優れている。機械だと一つの匂いからですが、犬だともっと色々な匂いから特徴を覚えてくれるというのがあると思います。

記者:
 台湾のヒアリの被害というのは多いんですか。

坂本:
 桃園(タオイェン)という空港があるところにヒアリが侵入して首都のある台北市に侵入し、大きく広がってきました。現在は侵入をできるだけ狭い範囲に抑え込む為にモンスターアグロテックさんたちなどのヒアリの駆除の方たちが活躍してくれています。

記者:
 日本でもヒアリは当たり前になっていくのでしょうか?

坂本:
 当たり前になってしまわないように、今のうちに押さえ込みたいなと思っています。何回も刺されていくうちに、アレルギーの毒性が強いものなので何回も刺されるうちに被害が大きくなってしまう。いろんな危険性を持っていると思います。現状のほうではまだ新しい女王アリが見つかっていないので、今の所は抑え込める初期状態だと思っています。

 小さいものから大きいものまでバリエーションがありますが、全部ヒアリの働きアリです。大きさにバリエーションがあるのがヒアリの大きな特徴です。

ヒアリに刺されたらいったいどうすれば?

記者:
 ヒアリに刺されたらどうすればいいのでしょうか?

坂本:
 ニュースになっているような命にかかわる場合は急性のアレルギーのような刺されてから一時間以内に激しい症状が出る場合があります。

 息苦しくなったりとか、めまいを感じたりとか、呼吸が苦しいそんな症状が出たらすぐに病院に行って下さい。アレルギーというのはあくまでも人間の反応なのでスズメバチに刺されたときと同じように治療してもらえれば人間も問題なく治ります。

 実はヒアリに刺されると刺されたところの細胞が溶けて膿になるんですけども、そうした症状については、刺されたところを潰さないようにできるだけ清潔にしてあげれば一週間くらいで治って命の別状はありません。

 ここの茶色っぽくなってるところが刺されてから一週間くらいしたところですね。細胞が溶けていたので真っ白な膿が一杯あったんですよ。

記者:
 うわぁー!

坂本:
 指とかを刺されると膨れてしまうのでなにかに擦れて触ったりするとかなり痛みがあります。

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