88時間ぶっ通しリピート生放送する“エンドレスエイト”ってどんな話? 5分でわかる『涼宮ハルヒの憂鬱』の魅力
来たる8月28日、ニコニコ生放送にて“涼宮ハルヒの憂鬱/エンドレスエイト88時間生放送”というトンデモナイ番組が放送されます。
テーマは、“およそ1/9077長門有希体験”。
およそ1/9077長門有希体験とは
アニメ作中で、実際にループしていた時間は15日間×15532回=559万1520時間。ちなみに、これをすべて認識していたのは長門のみ。そして、今回の生放送をすべて同時視聴すれば、88時間×7話=616時間。つまり長門が体感した時間の、約9077分の1を疑似体験できる計算になります。
SNS上でも「頭おかしい」「狂ってる」など、狂気の沙汰を疑う声が多数あがり話題を集めていますが、2018年ともなれば『涼宮ハルヒの憂鬱』を観たことがない、知らない方もいるはず。
というわけで本記事では、この88時間生放送をより楽しむために、いまなお色あせない『涼宮ハルヒの憂鬱』の珠玉のストーリーを、魅力的な登場人物たちとともに振り返っていきたいと思います。5分くらいで読めるので安心してくださいね。
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萌え×SFアニメの決定版!
2006年にアニメ放送され、社会現象と言われるまでの人気を博した『涼宮ハルヒの憂鬱』。
谷川流先生によるライトノベルシリーズが原作となっており、第1巻『涼宮ハルヒの憂鬱』は“このライトノベルがすごい!”の初代1位にも選ばれました。
エンディングテーマ『ハレ晴レユカイ』も、登場キャラクターたちが歌って踊るというのが当時としては斬新で、ニコニコ動画内の“踊ってみた”タグ投稿数はゆうに1200件を越えています。
また、2010年に公開された映画『涼宮ハルヒの消失』の興行収入は、当時の深夜アニメとして最高の数値を達成しており、2000年代を代表するアニメ作品として、いまなお多くのファンに愛されています。
本作の語り手、キョン
高校1年生のキョン(本名不明)は、入学早々に美人だけど変人……どころか狂人の涼宮ハルヒと出会います。
ひょんなことからハルヒとちょっとしたおしゃべりをする仲になったキョン。そしてキョンのあるひと言がきっかけに、ハルヒは自分の目的のために暴走、いや奔走していくことになります。
そんなハルヒの周囲には、なぜか宇宙人や未来人、超能力者などの超常的な存在が集まっていき、本人の傍若無人な振る舞いも相まって日々トラブル続き。数少ない一般人であるキョンは、苦労人ポジションとして巻き込まれつつ、さまざまな事件に直面していきます。
そんな、美少女アニメとしての“萌え要素”と、SFモノとしてのスペクタクル感が「これでもか!」と詰め込まれている本作。毎話起こる騒動のカギを握るのは、これから紹介する4人の非凡なキャラクターたちです。
ツンデレ創造神、涼宮ハルヒ
初対面時のキョンいわく「えらい美人」。しかしその内面は、中二病と電波系とオカルトマニアとガキ大将をごっちゃにしたような性格です。
平凡な日常を嫌うハルヒは、SOS団なる部活を結成し「宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶこと」を目的に活動を開始。
その目論見通り、彼女の周囲には超常的な存在がつぎつぎと集まっていきますが、当のハルヒだけは周囲の正体に気付いていません。
そんな彼女には“無意識に周囲を自分に都合よく情報操作できる”という創造神的な能力があるらしく、ことあるごとに退屈な日常に不満を募らせては世界の危機を招きます。
その度にキョンが奔走することになるのですが、事件解決時にハルヒが見せるわずかな“デレ”っぷりの破壊力は抜群で、キョンよろしく「やれやれ」と許せてしまうのも事実。
果たして、“そんな力を持つ彼女はいったい何者なのか”というのが、作中最大の謎となっています。
ドジっ子未来人、朝比奈みくる
ハルヒに拉致同然で部室に連れてこられた、童顔巨乳の美少女。一応2年生で、ハルヒたちの上級生にあたります。
気弱でドジっ子属性も兼ね備える小動物的なキャラクターですが、その正体は未来人。
彼女は物語上でメインの時間軸から、3年前に起きた謎の時空振動に関わっていたとされるハルヒを監視する役割を担っています。
未来のできごとに関する情報の多くはプロテクトがかかっており、キョンに聞かれると「禁則事項です」と言ってごまかすのが口癖。
重要な場面でたびたび登場する、もう少し未来から来た大人バージョンの朝比奈さん(大)も非常にチャーミングなので必見です。
文学少女な宇宙人、長門有希
SOS団結成のため、ハルヒが部室として占領した文芸部にいた物静かな文学少女。
その正体は、“対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース”。あり体に言えば宇宙人なのだそうです。
ふだんは本ばかり読んでおり、“何もないところから情報を生み出す力”を持つらしいハルヒを日々観測中。
しかし彼女は情報操作という便利能力を持っており、いざというときに頼りになる、SOS団内で唯一に近い実働メンバーでもあります。
後述するエンドレスエイトでも活躍してくれる彼女ですが、ときには積み重なったエラーにより重大な事件を引き起こすことも……?
余談ですが、その可憐な容姿と絶妙なクーデレ具合でファンを大量獲得し、放映当時のネット上は「長門は俺の嫁」の書き込みで溢れかえりました。
慇懃無礼な超能力者、古泉一樹
キョンたちが入学して間もない5月に現れ、“謎の転校生”だと思い込んだハルヒによって勧誘されてきた男子生徒。
つねにほほ笑み絶やさず、妙にかしこまった態度は胡散臭さ全開。怪しんだキョンが問い詰めると、あっさり古泉は「お察しの通り、超能力者です」と白状します。
彼は、ハルヒの退屈やイライラが頂点に達したときに発生する“閉鎖空間”に超能力で出入りし、その拡大を食い止める役割を持っていました。
また、意味深な口調でたびたび起こる不可思議な事件の解説役として立ち回り、ときにはグサリと刺さる皮肉でキョンの奮起を促すことも。
そんな彼も、ふだんはボードゲーム好き(ただしめちゃくちゃ弱い)の好青年。なんだかんだSOS団に愛着を抱いていたり、キョンに対して妙に距離感が近かったりと憎めないキャラクターです。
ちなみに、第1期12話の次回予告で古泉が発した「まっがーれ↓」というフレーズは、妙に耳に残るとファンのあいだで話題に。ついには、(原作にないセリフにも関わらず)自身のキャラクターソングの曲名に使われるという珍事にまで発展しました。
8週連続で同じ話がループ!? “エンドレスエイト”とは
今回の生放送で88時間ループ放送されるのが、本作のアニメ第2期(2009年放送版)の第12~19話にて放送された“エンドレスエイト”というエピソード。
SOS団が過ごす夏休み中に起こったある事件を描いており、“エンドレスエイト”の“エイト”はそのまま8月を意味しています。
話の大筋は、いわゆるループもの。そんな状況を再現するかのごとく、8話に及びほぼ同じ内容のストーリーがくり返されるという仕掛けで大反響を呼びました。
毎回、夏休み後半の2週間を同じように過ごすSOS団のメンバーたち。この無限地獄を引き起こしているのは、恐らく無意識に周囲を自分に都合よく情報操作できるハルヒの仕業で間違いないのですが……。
純粋な一般人であるキョンはもちろん、毎週テレビを見守る視聴者にもこのループから脱出する方法が一向に与えられず、結末を知る原作読破組すらも非常にはがゆい思いをすることに。
“エンドレスエイト”全8話を完走した猛者であれば、「キョンくん電話~!」というセリフを聞くだけで、視聴時のトラウマが呼び起こされることでしょう。
約9077分の1だけ長門と時間をともにしよう!
そんな“エンドレスエイト”が、ニコニコ生放送にて2018年8月28日8時より88時間連続放送されます。本企画では、第12話“エンドレスエイトI”~第18話“エンドレスエイトVII”までが、各話ごとの視聴ページにて同時刻に放送スタート。
当時から「長門は俺の嫁!」と言ってはばからなかった長門ファンにとっては、長門と同じような気分を(常人が耐えられるギリギリのラインで)味わえるまたとないチャンス。
また、「終わりゆく夏休みを思うと辛い……」、「現実逃避せずにはいられない!」という方にもオススメの放送となっています。
ループから抜け出せる“エンドレスエイトVIII”の名前がないのが末恐ろしいところ……果たして、終わらない8月から抜け出せるのでしょうか。
(c)2006 谷川 流・いとうのいぢ/SOS団 (c)2007,2008,2009 谷川 流・いとうのいぢ/SOS団
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