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「アニメ・漫画の棲み分けをボーダーレスに」──『ペルソナ5』デザイナーが語るシリーズのデザイン論

 『龍が如く』シリーズの総合監督として知られる名越稔洋さん、タレントの椿彩菜さんが出演するゲーム情報バラエティ番組「セガなま~セガゲームクリエイター名越稔洋の生でカンパイ~」に「ペルソナ」シリーズを手がける株式会社アトラスのデザイナー副島成記さんがゲストで登場しました。 

 副島さんが描くイラストのテイストに関する名越さんからの質問に、副島さんはゲームのイラストは様々な嗜好の人から見られていることを踏まえ「それぞれの良さが伝わるように描いている」と回答。副島さんの答えに名越さんは「今の話は若い子に参考になる」とコメントしました。

『ペルソナ5』。
(画像はAmazonより)

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第一印象の責任は重大! キャラクターデザインの難しさ

左から椿彩菜さん、名越稔洋さん、副島成記さん。

椿:
 「ペルソナ」シリーズのアニメも大人気ということで、ゲームと並行してありますけれど、アニメを意識されることとかってあったりするんですか?

副島:
 キャラクターを描いていると、「アニメになったらいいな」っていうの昔からの憧れなので。

椿:
 そうなんですね。

副島:
 今『PERSONA5 the Animation』をやっていますけれども、単純に嬉しいですよね。

椿:
 割とはじめから、このキャラクターが動いたらいいなっていうのは頭にありつつ……?

副島:
 はい。

椿:
 「ペルソナ」シリーズにかかわることになった経緯なんかも伺ってもよろしいですか?

副島:
 シリーズに一番最初にかかわったのはPlayStationの『女神異聞録ペルソナ』ですね。当時メインで携わってたのは『真・女神転生デビルサマナー』なんですけども、それが終わった時に、並行して最後の方で合流した感じですね。

 オープニングの絵作りとかエンディングの絵とかをちょっと描いた感じですね。「ペルソナ2」シリーズは劇中のキャラクターの原画を描いたりとか、背景も描きましたし、聖槍騎士団とかロボットが出てきているんですけれど、デザインしたりとか結構ガッツリかかわっていました。

『ペルソナ2罪 PlayStation the Best』。
(画像はAmazonより)

椿:
 名越さんはゲームを作る時は色とかを考えられたりするもんなんですか?

名越:
 色? いや、そこはない。ただ割と思考が動画思考なので、どういう映像にしたいとかいう雰囲気とかには考えるけれど、グラフィックとしてパッケージもそうかもしれないけれど、僕は結構割と後回しにしちゃうタイプ。

 元は僕もデザイナーだから、いいか悪いかはわからないけれど、タイトルロゴとかもかなり後。

椿:
 名越さんもセガ入社当初はCGデザイナーとして様々な参加されていたということで、キャラクターデザイン、CGデザインの難しさなんかも伺いたいのですが、いかがですか?

名越:
 楽しいことはあまりなかった(笑)。

椿:
 そうなんですか!? 忙しいとか大変だ、ということのほうが多くて?

名越:
 忙しいのと、入った時の先輩がすごい厳しかったんで。すごかったですよ。仕事できる人が多いチームに入れられたというのもあったんですけれど、本当に何一つ採用させてもらえない期間がずっと続いたんです。俺は給料泥棒だなと思いながら……。

 今思えば、単純にハードルが高かった。同期で入った人間とかでたまに会って話をして、「このなんとかっていうゲームは自分がやったんだ」って見るんですけど……大したことがないんですよね(笑)。

一同:
 (笑)

名越:
 あれ? みたいな(笑)。総合的に考えると、その人に認められるかどうか。付いた人が師匠みたいな人なので。今はまた時代が違うから、それがいいか悪いかはまた違いますけれど。

椿:
 好みとかもデザインとかわかれてくるところも。

名越:
 でも最初にガンッとやられた分、なんかよかったですよ。個人的には後は少し楽になりました。

椿:
 その時厳しかったからこそ?

名越:
 そう。

椿:
 副島さんはキャラクターデザイン、CGデザインの難しさっていうのはありますか?

副島:
 キャラクターデザインに関しては、単純に自分が描いたキャラクターを見て「いいね」って言ってくれたりとか「好きだな」って言ってくれるのは本当に嬉しいですよね。ほとんどそのために描いているようなものなので。

 難しいのは、キャラクターって名越さんも物語とか人物を作られているのでおわかりかなと思うんですけれど、絵でほとんど決まったりすることはないような気がするんですよね。

 どちらかと言うと物語の中でどういうふうに描かれているのかとか、あとはアクションゲームだとパラメーターとかもあったりするので、ゲームのキャラクターの絵で決まるわけではないんですけれど、第一印象はゲームってプレイしないとわらかないので、普通の人間と同じですよね。

 最初に見た時にどう思うかっていう入り口は絵に頼っている部分はあるので、責任は重大という感じが難しいところですね。

椿:
 確かにそうですね。絵があってストーリーを考えようというわけではないですもんね。

副島:
 そうですね。やってみたらちょっと違うという場合もありますので。

クリエイターに必要なのは、自分の「好き」ではなく、人に受ける「好き」を作ること

椿:
 「クリエイターに必要なこと」というちょっと真面目なお話をしたいと思うのですが、名越さんから聞いてみましょうか。

名越:
 俺(笑)!? 平たく言うと、まず今その時点で好き嫌いってあるでしょう。結局10年経っても20年経っても好き嫌いってあんまり変わらないと思うんですよ。その好きをより人に受けてもらえる好きに変える作業っていうのは大事だと思う。

 嫌いなものを好きにはなかなかなれないので、好きは好きで。たぶん自分だけの「好き」でしかないから。それじゃ困るから。ビジネスだし、人に受けるというのはやっぱり大事なんで。どうやってそれを学んでいくかというのは千差万別なんですけれど、それが一番大事かなと思うんですよね。

椿:
 副島さんはいかがですか。クリエイターに必要なこと。こだわっていることでもいいですよ。

副島:
 自分はただ絵を描いているだけの人間なので、クリエイターって思ったことはあんまりないんですけれど、デザイナーで言うと注文があったものを描いたり作ったりというのがあると思うんですけれど。

 最初はたとえば「サイバーパンクっぽくしてね」って言われたら、サイバーパンクが作れるとか、「ファンタジー」って言われたらファンタジックなものがちゃんと作れるみたいなところから入っていくと思うんです。

 けれどクリエイターと言われる人はなぜか、いつもそのもう一歩先って言うんですかね、タイトルが作品を牽引するようなアイデアの部分だったり他と違う部分みたいなものは、そのままですけれど「創り出す人」だと思うので。

 自分の周りにいるクリエイターっていう感じがする人はそういうのがたぶん好きな方が多いのかなって感じがします。

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