ゲームメーカーも注目!? eスポーツ向けのゲームを作る難しさをセガゲームス・名越稔洋が説明
『龍が如く』シリーズの総合監督として知られる名越稔洋さん、タレントの椿彩菜さんが出演するゲーム情報バラエティ番組「セガなま~セガゲームクリエイター名越稔洋の生でカンパイ~」。
番組には視聴者からの「eスポーツについてどう思うか」という質問が寄せられ、名越さんが法律やプロライセンスの付与について、日本ではまだ整備されていない現状を語りました。
また、名越さんはゲームでお金を稼ぐということについて、「お金を払いたいと思わせたら、もうそれでプロだと思う」と持論を展開しました。
「龍が如く」シリーズ総合監督・名越稔洋が亡き母に遺した“たったひとつの親孝行”が泣ける「唯一喜んでたのは借金を返してあげたことかな(笑)」
『ゼルダの伝説 BotW』ゼルダ姫とのラストシーンにめちゃめちゃ心打たれまくる理由をまじめに考えた
プロ化に向け、ゲーム業界が抱えるジレンマ
椿:
(質問を読む)先月、日本eスポーツ連合が発足しました。これを機にプロライセンス制度も始まるなど、海外に比べeスポーツに対する認知度、盛り上がりに乏しかった現状を変えるきっかけになるかもしれません。
今後の展開によっては、国内のゲーム市場の活性化も期待できるのではないでしょうか。名越さんはeスポーツ、eスポーツ団体について、どのように思われますか。
名越:
みなさんご存知のとおり、海外では賞金付き大会が結構昔からあって、それで生計を立てるどころか、ちょっと有名なっちゃうような人も結構いて。日本はまだ法律が違う分、賞金付き大会自体ができないわけではない。ただやり方とか、若干のルール作り、風営法とかがあって違うので、そこは努力をしていくんですけど。
でも基本的にプロって素人に滅多に負けないものじゃないですか。どんなゲームでも、プロ化できるって思ってる人もいるんですけど、素人とプロがやった時に、プロは100%基本は勝つものですから、スキルゲームじゃないといけない。それも限りなく運要素が介入しないぐらいの。
『ストリートファイターII』の世界チャンピオンとか、僕が100回やったらまず1回も勝てない。そういうスキルの幅がちゃんと作れるようなゲームをまず作らないといけない、というのがあって。でもそういうゲームって大衆にウケるかと言うと、ちょっとメーカー側からすると……。
椿:
難しい。
名越:
ちょっと悩ましいところでもあり、ゲームありきでプロなので、今はプロ化できそうなゲームを集めて、そこからライセンスを発行する手順になりましたけれど、そこからさらに盛り上げて、見る側も参加する側も共に楽しいっていう環境整備というか、法を急がないといけないなと。
それを急がないとまた、ちょっとしたらこのブームがしぼんでしまうかもしれない。
椿:
オリンピックに向けてとかね。これからのビジョンもありますし。オリンピックで競技化されるんじゃないかという話もありますし。
名越:
前向きに話は進んでいると思います。
「お金を払いたいと思わせたら、もうそれでプロだと思う」
椿:
個人的に名越さんに聞きしたいのは、ゲームでお金を稼いでプロになるという仕事についてはどう思いますか。
名越:
お金を手に入れられるということは、何らかの貢献はしているわけだから。人に感心、感動されるっていう意味で言うと、お金を払いたいと思わせたら、もうそれでプロだと思うんですよ。
「供給するんじゃなくて、ゲームで遊んでいる側がお金もらうなんて……」って言う人もいるかもしれません。
でも単にやっていたら、それはお金を取れないと思うんですよね。お金の取れる戦い方と言うか、楽しみ方を提供できる人だと思うので、そこはさらにプロのライセンスをもらった人がたくさん増えてきて、その中でもスタープレイヤーと言われる人とそうでない人の差みたいなのが出てくる時代は多分来ると思うんです。
そこは努力があってこそ食べられると思うから、そこはどんな世界でも一緒だと思います。
椿:
メーカーさん側からすると、自分のコンテンツでお金を稼がれているということで、いい思いをしない方も……でもそんな時代じゃないかもしれませんけれど。
名越:
そうですね。いわゆるゲーム実況とかが始まった時に、ゲームが単純に遊ぶだけじゃなくて、見て楽しむっていう文化が生まれ始めた頃から、eスポーツの裾野は広がり始めていたような気がしますよね。
椿:
ゲーム業界全体が盛り上がるといいですね。
「龍が如く」シリーズ総合監督・名越稔洋が亡き母に遺した“たったひとつの親孝行”が泣ける「唯一喜んでたのは借金を返してあげたことかな(笑)」
『ゼルダの伝説 BotW』ゼルダ姫とのラストシーンにめちゃめちゃ心打たれまくる理由をまじめに考えた