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『恋は雨上がりのように』が安定の1位 注目冬アニメランキングをアニメ大好き芸人が発表「傘を持って飛んでいくOPがめちゃくちゃいい」

 お笑いコンビ ハライチの岩井勇気氏がお届けする、本音でアニメを語る番組「ハライチ岩井勇気のアニ番」。

 第82回の放送では2月9日付の冬アニメランキングを発表しました。1位には前回同様『恋は雨上がりのように』、2位には前回4位だった『刻刻』、3位には前回6位だった『宇宙よりも遠い場所』、4位には前回3位だった『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』がランクインしました。

岩井勇気氏。

※本記事には『恋は雨上がりのように』・『刻刻』・『宇宙よりも遠い場所』・『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のネタバレを一部、含みます。ご了承の上で御覧ください。


4位 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』
(画像は公式Twitterより)

岩井:
 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』はずっとしっとりした感じでやっているけれど面白い。突出してめちゃくちゃ盛り上がるところをあえて作っていない空気感。2話目か3話目かな、学校に入ってヴァイオレットがラブレターを代筆したら、すごく硬いラブレターで相手に嫌われちゃう。それでめちゃくちゃ怒られる。

 最後にエリカちゃんの言葉を代筆するのがよかった。あとアイリスっていう女の子が「田舎に帰る」って。幼なじみの男の子に告白してフラれて都会に出てきたんです。最終的に母親に宛てた手紙を書く。「愛しているの意味を知りたいのです」っていう。それがよかったです。感動させるシーンで、一番いいシーンの作画がとんでもないんだよね。

──ここ最近の京都アニメーションの中でも描き込み具合が抜群。時代が現代ではないのでより描き込まないというか、作り込まないといけないというか。

岩井:
 光の入り具合というか、髪の綺麗さ。あれはめっちゃいいね。

──とあるシーンで一瞬だけ映る関係ないじゃんみたいなシーンなんですけれど、そのシーンも髪の毛がめちゃくちゃ描いてある。

岩井:
 光の差し方がめちゃくちゃいいですね。

──コメントでスタッフは健康か? とありますが、アニメーターのブラックな環境はいま話題になっていますからね。

岩井:
 アニメーターはすごいですね。前も誰かが言っていたけれど、京都アニメーションの昔の作品ですけれど「アフレコをするときアニメーションができている」って。だから作業の計画性があるんだろうね。

3位 『宇宙よりも遠い場所』

『宇宙よりも遠い場所』
(画像は公式Twitterより)

岩井:
 略して「よりもい」って言うらしいですね。このアニメ、すごい面白いんだよね。結月(ゆづき)ちゃんという中学生の芸能人っぽい女の子が南極観測隊について行ってレポートする。「南極でレポートします」「初の試みです」みたいになっていたのに、主人公たちと偶然出会うことになって、結局4人で行けることになった。

 主人公のマリちゃんという女の子は本当にやりたいことがなくて、幼なじみのめぐみちゃんという女の子が優等生で、この子についてきた感じだった。めぐみちゃんとも昔から自分についてきてくれることが嬉しくて、お姉さんみたいな感じだったり。

 この子は私のあとを追っていればいいと思っていた。それが報瀬(しらせ)ちゃんという女の子に出会って、「南極に行きたい」と言って、行けるわけがないと思っていたけれど、南極に行けることになった。

 めぐみちゃんは、マリちゃんが独り立ちをしようとしているのを見て焦りだすわけ。そんな自我を持っている子じゃなかったじゃんって。ずっと私のあとをついてきていればよかったのに、ということをモヤモヤ思っていた。

 南極へ行くのに100万円をバイトで貯めて、南極に行くっていうことを親に黙っていたこととか、全部他の人に筒抜けになってた。なぜかと言うと、実は自分の好きなことでやらずに自分についてくるだけでよかったのにって嫉妬して、めぐみちゃんが言ってたんだよね。嫌がらせじゃないんだけど。それですごくモヤモヤしている中、マリちゃんは性格もよくて何も疑わずにやっていた。

 出発する朝に主人公の家の前で「どうしたの? 見送りに来たの?」って言うと「絶交しに来たの」って言う。全部私がやったとバラして、「私のあとをマリがついてきてくれると思っていたけれど、マリに依存していたんだ、私は」って吐露してめちゃくちゃ泣いて、そこのシーンがすごくよかった。

──「一緒に行こう」がやばかったと。

岩井:
 それがすごくよかったんだよ。めぐみちゃんがボロボロ泣いて。マリちゃんも泣くんだよ。「新しく歩み出そうとしているんだ」「そんなこと言うな」って言って、主人公が走っていって抱きついて。絶好解消みたいなところで終わるんだけど、そこがすごくよかったんだよな。

──コメントでも泣いた人は多いみたいですね。

岩井:
 日向(ひなた)ちゃんがシンガポールでパスポートをなくすんですよ。南極に行けない! となったんだけど、報瀬ちゃんは自分の母親を追っていて、一番行きたがっている。便を変更すればパスポートを再発行できる。でもちょっとでも遅れると南極観測隊が待ってくれないかもしれない。報瀬ちゃんはこれに絶対にかけてるからと思って、それを察して日向ちゃんが「三人で行ってきな、私が悪いんだもん」「あとで追うからさ」って。すごくあっけらかんとしてる。本当はすごく行きたいし、やばいと思っているのに。すごく切ない気持ちを抱えて明るく言う。

 そうしたら報瀬ちゃんが「だめ、4人で行かないと意味がないんだから!」って言って、便を変更する。変更したあと、ご飯を食べていて、報瀬ちゃんがバッグを見たら日向ちゃんのパスポートが入ってた(笑)。「そうだ、バッグに入れたんだった」って。そのシーンとか、めっちゃよかった。日向ちゃんのずっといつも明るくしているキャラ、明るさを保ったまま泣かずにみんなに「全然大丈夫だよ」みたいな振る舞い方がめちゃくちゃ切なかったですね。これめちゃくちゃ面白いですよ。心理描写がめちゃくちゃいいんですよね。

──本音がポロっと出るのがいい。

岩井:
 報瀬ちゃんの声優は焦ったときとか、畳み掛けるときとか太い声を出す。大女感があるんだよね。

──『ノーゲーム・ノーライフ』を手がけるチームがやっているんですね。

岩井:
 水瀬いのりちゃんもいいし、早見沙織さんも。

──能登麻美子、日笠陽子、阿澄佳奈、遠藤綾、小松未可子……ガチガチ具合が(笑)。

岩井:
 各々の世代のスペシャリストを集めましたみたいな(笑)。

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