「見放題サービスは我々に全くお金が落ちないので、どんどん貧乏になる」AV監督二村が語るアダルト業界事情最前線
12月29日に放送された『BUZZ WORD NEWS~2016年炎上ニュースを消火します!』では、2016年の締めくくりにAV監督二村ヒトシが2016年の炎上ニュースを消化するとともに、“AV監督”というコンテンツを生み出す立場から、ネット上に増え続けるアニメ、ドラマ、AVなどのコンテンツについて自身の考えを語った。
ネット上のコンテンツ、多すぎませんか?
二村:
あのね、これ言うとまた業界に敵を増やすんですけど、AV業界縮小していいと思いますよ。AVだけじゃなくてさ、コンテンツ多すぎませんか? AVだけじゃないね、アニメ漫画、ドラマ、ネット上のコンテンツ。
コメント:
深夜アニメ…
昔みたいに皆が見てるものがないのがつらい
二村:
AVはね、間に合わない場合、クオリティーを重視しない場合があるので、間に合わせてできちゃったりすんですよね。間に合わないのは監督が、編集をサボっている場合です(笑)。現場では撮れちゃうからね、とりあえず。昔より撮らなきゃいけない数が増えてる状況の中で女の子のに対する要求も増えていて、これは今書かれた昔みたいに全てのサブカルユーザーが見ている、サブカルだったらこれ押さえときゃいいだろう、AVだったらこれ押さえておけばいいだろうというものがないよね。
いまのコンテンツ産業は自転車操業
二村:
多様性が必要だからと言って数が増えたわけではないと思いますよ。今ここが空いてるな、ここが好きだなって思う人が作っていって、ジャンルを増やしていけばいいので。今はそういう増え方ではない。今問題なのは売れるものしかなくて、しかも数が多い売れるであろうものがしか作らなくて数が多い。
その結果、すべてが売れなくなっている。売れないからやってる人たちは自転車操業なんです。コンテンツ産業が自転車操業なんですよ。出版の人とかに話聞くとそうですよね。つぶれないために本出してるみたいなことをAVもやっていて、それは買わなくなるよね、皆さんもね。
コメント:
でも多様性が失われる恐れがあるのがねぇ
どうしても見たいものってなくなってきた
当てるために数を撃つやり方
二村:
そう、リスクを減らそうとして結局みんなの首を絞めてる。AV女優の数も多すぎる。もっとAV女優になりにくくしてもいいと思うんです。本当にやりたい人だけがやるべき。でも売れちゃうのは、AVは素晴らしいことなんだという思想を吹き込まれ、もしくは「お金が儲かるんだよ」って言われてしまって、要するに出たくてやってるわけじゃない人の作品が売れたりするんだよね。元芸能人とか。それはあまり面白くない。
今ドラマもそうだけど、数が多過ぎることによってAVも見放題システムになってますね。それはもう全く我々にお金が落ちないので、AV監督はどんどん貧乏になってきて、しょうがないから本を書いたりニコ生に出たりしなきゃいけない(笑)。これはAV監督が言ってもしょうがないと思うんですけど、コンテンツが多すぎる問題ありますね。