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「ニコニコ動画のゲーム実況はどうしたら盛り上がるか」を徹底討論! 【話者:加藤純一・セピア・テラゾー・スナザメ・宮助・百花繚乱】

 2月10日、11日に幕張メッセにて開催された、ゲームファンとゲーム大会の祭典「闘会議2018」。

 イベント会場のゲーム実況者エリアでは、MCの百花繚乱さんの進行で、ゲーム実況者の加藤純一さんセピアさんテラゾーさんスナザメさん宮助さんが、「ゲーム実況者の地位向上」「ニコニコ動画のゲーム実況はどうしたら盛り上がるのか」というテーマで討論を繰り広げました。

 セピアさんがニコニコ動画を取り巻く現状について、「演者側も見ている側も、ニコニコ動画についてネガティブに言いすぎだ」と熱のこもったコメントを行い、そのコメントを受けて、加藤さんが「心に刺さった」と返す一幕も……。

左から百花繚乱さん、加藤純一さん、宮助さん、テラゾーさん、スナザメさん、セピアさん。

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「“ゲーム実況者”ではない別の呼ばれ方になっていくと思う」

百花繚乱:
 討論のお題はこちらです。「世間から見たゲーム実況者の地位は上がるのか? 実況者がさらに大きくなるため次のステージとして目指すべき舞台とは? ゲーム実況というものをどうすれば向上させていけるのか」という話題になっております。

加藤:
 僕、持論があって、ゲームってそんなに高尚じゃないほうが面白いと思うんですよ。たとえば僕は『クレヨンしんちゃん』が大好きだったんですけれど、「見ちゃダメよ」ってお母さんに言われていて、言われれば言われるほど陰でコソコソ見ていたんです。そういうものであってほしいというか、あまり高尚になりすぎると楽しめない。

 途中でやめてもいいし、自分に合った楽しみ方をするためには、そんなに徳の高いものにしないほうがいいんじゃないのかなって思っているので、今ぐらいな感じがちょうどいいと思います。メディアにチヤホヤしていただいたり、「お前らみたいなもんが」って言われている、今くらいがちょうどいい。

テラゾー:
 コメントにもあったけれど、「アングラ感が面白い」って。

セピア:
 08年とか09年とかにめちゃくちゃあった文化ですよね。

テラゾー:
 選ばれるゲームにしても「人気を得るためには」という視点で実況者は選びがちなところがある。もっとマイナーで面白いゲームをやりたいなと思っても、選びづらくなっているんですよね。

百花繚乱:
 昔との違いで言うと、ゲーム実況で生計を立てている人も増えたじゃないですか。そういう意味で「お金を稼げるようになったから、次の舞台へ……」という人たちも出てきているので、それはみなさんからはどう見えているのでしょうか。

セピア:
 生計を立てるとか、資産を確保するとなると、どうしてもビジネス的な観点というのが大事。でも“ゲーム実況者”ではない別の呼ばれ方になっていくと思うんです。それが“ナレーター”という形なのか“舞台俳優”という形なのか、それとも“動画クリエイター”という形なのか……。

 どういう形なのかはわからないのですが、“ゲーム実況者”というのが前面に出されて呼ばれるというのは、向こう4、5年くらいなのかなと思っていて、また違う呼ばれ方が出てくるのかなと思います。

 アングラな場所でざっくばらんな感じでゲーム実況をやっていくとなると、「人気を稼ぐ」、「よくわからない人にも見させる」と相反するものだと思うんですよね。動画の本来の面白さを追求していく上で、そこは相容れない部分だと思っています。

 それこそ簡単にニコニコ動画からYouTubeにいっちゃう人はそれを目指しているかもしれない。俺はそういうのは無視したくない。

テラゾー:
 セピアさんが、個人に対してライバル意識はないけれど、YouTubeに対してすごくライバル視している感じが伝わってきます。

セピア:
 それはすごくありますね。YouTubeで実況動画を見ても、正直燃えないんですよ。ニコニコ動画はみんながコメントで盛り上げてくれているじゃない? それって、ものすごい力です。やっぱり自分が投稿した動画って自分で見るじゃないですか。その熱が沸かないなというのが、ニコニコ動画に比べると思います。

テラゾー:
 俺もYouTubeに出て行けない理由がそこにあるんだよね。やらなきゃいけないんだろうなって思うんだけど、ニコニコ動画でやりたいなって。YouTubeに行ったら行ったで、いいことはあると思うんだけど。

百花繚乱:
 ニコニコ動画ではみなさんが一緒に盛り上げてくれるっていう、自分が上げた動画をみんながもっと面白くしてくれるっていうのはありがたいですよね。

やっぱりお金? ニコニコ動画のゲーム実況が盛り返す方法

百花繚乱:
 次はこちらです。「ニコニコ動画のゲーム実況はどうすれば盛り上がるのか」。先ほどはYouTubeの話が出ましたけれど、ニコニコ動画のゲーム実況はみなさんから見て、こうすればいいんじゃないかというアイデアや議論を是非展開していただきたいと思います。

加藤:
 これ簡単じゃない?

スナザメ:
 みんな同じ答えを持っていると思っています。お金です。

加藤:
 そうしたらみんな戻ってきますよ。YouTubeに行っている人たちも「ニコニコ動画のほうがお金が貰えるよ」って言われたら全員戻ってきますよ。

セピア:
 はっきりしておきたいのは、YouTubeに行きたい人はそういう人なんだろうなって……。人間である限り否定はしない。だって俺たちだって金がないと生きていけない。もっと金を持っていたら今できることがもっと増える。だから否定はしないけれど、それで失っているもののほうが多いかもしれない。

 俺はあまり自分がそうなりたくない、という思いがあって……。ニコニコ動画がどうすれば盛り上がるのか、YouTubeの人、OPENREC.tvの人、Twitchの人を戻すという意味で盛り上げるというのであれば、お金というのは大きな要素だと思う。

スナザメ:
 お金もそうなんだけど、作品って一人でも多くの人に見てもらいたいという思いがあります。

加藤:
 僕はそれですね。YouTubeで生放送をしているんですが、単純に規模が大きいところでやりたくなるんですよ。

スナザメ:
 YouTubeが二つ持っちゃっているんですよ。「いっぱい見てもらえる」というのと、しかも「儲かる」というのがあるので、「いっぱい見てもらえる」をニコニコ動画が今からすぐに叶えられるかと言うと、今後ちょっとずつ上がっていくものだと思っています。今すぐできる力技は何かと言えば、「儲かる」ってことかなと。

セピア:
 そうだね。

テラゾー:
 投稿者にとって、ニコニコ動画よりYouTubeのほうが動画投稿機能が洗練されていて、便利だなって感じてしまう時があります。それが最後の一押しになるところだと思うので、是非そこは力を入れて、投稿者向けの機能を改善してほしいと思います。

スナザメ:
 毎日動画を投稿しているのですが、まとめて15個くらいの動画を1日で上げることがあるんです。15日分の動画を上げるのに、YouTubeだと10分くらいで終わるんです。あとは放置するだけ。ニコニコ動画でその作業をすると早くて1時間、遅くて2時間かかるんです。

テラゾー:
 人気であればあるほど、そういうことをする人は多いから……俺も結構やるし。

スナザメ:
 20個全部まとめて投稿というのをYouTubeではできるんですけれど、ニコニコ動画でそれをやろうとすると、「前の動画がまだ投稿されていないから待って」ってなるんですよ。

百花繚乱:
 宮助さんは何本同時に投稿したことありますか。

宮助:
 ないない。私は「動画上げたほうがいいよ」って言われて……。

加藤:
 誰に言われてるの?

宮助:
 ニコニコ動画の運営さんに言われました。しかも「ニコニコ動画だけじゃなくてYouTubeにも上げたほうがいい」って言われてるの。ニコニコ動画の運営さんにだよ? それくらいニコニコ動画に人が減っているということだから。

加藤:
 でもそれって間違いだと思った。ニコニコ動画とYouTubeと同時配信しているんですが、YouTubeで最近いろいろな人が見てくれるようになって、気分が乗ったときにニコニコ動画だけでやるんですけれど、その時にYouTubeで見ていたやつが「今日はニコニコ動画でやるんだ」って言って、結構見に来てくれたんです。

セピア:
 最近よくある「逆輸入」と言われるパターンですよね。

スナザメ:
 今日みたいなニコニコの会場でも「何がきっかけで知ってくれたんですか?」って聞くと、「YouTubeです」っていう人もいて、「なんで今までニコニコ動画で見なかったんですか」って聞くと、ニコニコ動画は友達には勧めにくいらしくて。

 友達に動画を見てほしいときに、「アカウントを取得してね」っていうハードルが高かったらしいです。YouTubeだとURLを送るだけでそこから見られるので、そういうところで差が広がっていますね。

加藤:
 何かコラボすればいいじゃないですか。

スナザメ:
 たまにすることはある……。

加藤:
 リクエストあるんですよ。セピアさんとテラゾーさんが「ゼルダの伝説」をやっているのを見たいんです。そういう活気が出てきたら盛り上がるんじゃないですか。

テラゾー:
 一度「ゼルダの伝説」の公式放送で共演したことはあるのですが、セピアさんと実況するのは難しい(笑)。

セピア:
 自覚はあります(笑)。テラゾーさんに限らず、共演の方が隣にいて、その方の活きるところもダメにしちゃっているんだろうなって思うことが多すぎて、申し訳なくなってきちゃうんですよ。頭抱えながら編集しています。

百花繚乱:
 うんこちゃん【※】はしたいコラボとかないんですか。

※うんこちゃん
加藤純一さんのハンドルネーム。

加藤:
 僕はセピアさんとコラボしたいです。

一同:
 おぉ~!

加藤:
 12時間くらいぶっ続けで、二人でお酒飲みながら何かのゲームをやりたいですね。

テラゾー:
 もう一度言います、セピアさんとの実況は難しい(笑)。

加藤:
 やりたいですけれどね。共同プレイがしたいんです。レトロゲームみたいなものをやらせてもらいたいんですよね。「がんばれゴエモン」の実況がやりたい。

百花繚乱:
 この討論がきっかけで、その話になったらいいですね。コラボが増えていけばゲーム実況のほうも……。

加藤:
 活気が出てくるといいですね。

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