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岸田メル「自分が女の子に同化していく」、いとうのいぢ「顔がいちばんの基本」現代のトップイラストレーターが語る“かわいい女の子を描くコツ”

 ドワンゴとNEXCO中日本が贈るメディアミックスプロジェクト『幻想交流』公式Twitterアカウント)。

 本作のキャラクターデザインを手掛ける岸田メル先生いとうのいぢ先生のサイン会が、2018年2月12日、コスパ・トラベリング・デポ in 名古屋パルコで開催された。

岸田メル先生のTwitterアカウント

いとうのいぢ先生のTwitterアカウント

サインを書く岸田メル先生。
サインを書くいとうのいぢ先生。

 会場には、年配の方から子供まで幅広い層のファンが集い、中には、東京や新潟、福井など遠方から訪れたという熱量の高いファンの姿も。

 SNSでのつぶやきに関してやりとりしたり、その場でイラストを描いたりと、サービス満載な岸田メル先生、いとうのいぢ先生。サイン会場を後にするファンの方々の表情が笑顔に溢れていたことが印象的だった。

プレゼントを持参するファンの方も多かった。

 そして、今回ニコニコニュースオリジナル編集部では、サイン会直後のおふたりの元へ直撃インタビューを敢行。

 『幻想交流』でのキャラクター誕生秘話や、現代のトップイラストレーターのふたりが考える“かわいい女の子を描くコツ”などお話をうかがった。

取材・文・編集/竹中プレジデント

岸田メル「僕はもっと変態になりました」

──本日はよろしくお願いします。まずはサイン会を終えた今の感想をお願いします。

岸田メル(以下、メル):
 僕が名古屋パルコでサイン会をさせていただいたのは、“花咲くいろは展”以来6年ぶりくらいなんですけれど、またここでサイン会をできたことがうれしかったです。

 新潟や福井など遠くからいらっしゃった方もいて、今日こういう機会があったからこそ出会えたお客さんが何人もいると思うんです。そこがすごくうれしかったです。

──キャラクターデザインを担当したオカザキさんとトヨタさんを描く際にこだわったポイントを教えてください。

メル:
 オカザキさんは岡崎のサービスエリアの外壁のデザインや配色を参考にして描きました。とくに胸のパッチワークのポケット部分は何パターンも作って検討しました。

オカザキさん。
(©NEFCO)

──ひと目見て分かるくらいパッチワークの数多いですよね。

メル:
 オカザキさんは洋服屋さんなので、いっぱいパッチワークをしている雰囲気を出したり、エプロンをつけていて職人風の格好をイメージしました。布を組み合わせ作った装飾を足につけているのもそうです。

 芝村さん【※】の作った世界観では、“この世界に金属はあるけどファスナーはない”とか厳密に設定されているので、その世界観が出るようにデザインしました。

※芝村裕吏氏のこと
『幻想交流』の原作・原案を務める。『ガンパレード・マーチ』をはじめとする作品を手掛けるゲームデザイナー。

──トヨタさんのほうはいかがですか?

メル:
 トヨタさんは露出が多いところです。トヨタさんは巨人族なんですが、この世界では資源が限られているので、布をたくさん用意するのが大変なんです。

 そういった背景があるので、肩が出てしまっていて露出も多いみたいな。

トヨタさん。
(©NEFCO)

──全体的に肌の露出が多いのにはそういう理由があったんですね。

メル:
 後は生きているネコを髪留めにしているという、すごい設定があるので、それをデザインに反映させています。

──生きたネコを!? このネコ生きているんですか?

メル:
 そうなんです。身体にあるハシゴはネコが登るためのものです。

──かわいい女の子を描くコツは何ですか?

メル:
 でた。いつも言われています。確か、変態になってくださいみたいなことを言ったんですよね【※】

※2012年1月22日、ニコニコ動画で生放送されたテレビ東京の番組『ドリームクリエイター』にて、岸田メル先生が「カワイイ女の子を描くコツ」を「変態になること」とする持論を展開した件。ニコニコニュースでも取り上げられ大きな話題を集めた。

──ちなみになぜ変態になることがコツなんでしょう?

メル:
 いい絵を描くとか、かわいいい女の子を描くんだったら、第一に必要なのはそのモチーフに対する興味なんですよ。で、どれぐらい興味を持ったほうがいいかと言ったら、それはもう偏執狂的なレベルまで持った方がいいに決まっているんですね。

 だったら、女の子を描いている仕事の僕らは、女の子に対して死ぬほど興味がないとダメじゃないですか? それは、世間一般的な目から見たらメチャクチャ変態だと思うんで、まずはそこからだよね。というのを要約しての「変態になってください。」なんです。

──その「変態になってください。」という部分が抽出されてバズったんですね。当時から6年経っていますが、ご自身の中で変化があったのか、もしくはなかったのかというのをぜひ。

メル:
 変わったかと言えば、僕はもっと変態になりました。ですので、意味合いとしては全然変わってないです。やっぱり自分が実践しないと、と思って。

──実践とは具体的にどのようなことなのですか?

メル:
 アニメキャラとか漫画のキャラ、ニ次元のキャラが好きだったから、こういう仕事をしているんですけれど、それとは別にこの世界で生きている女の子はどういう存在なんだろうみたいなことは、常に考えています。

 今の若い女の子は、どういったことを考えているのか? とか、どういうことをしゃべっているのか? とか、すごく興味があるんですよね。世代が違ったとしても、若い子が好きなものを否定したくないし、逆にいっしょに好きになっていきたいんです。

 そして、どういうことを考えているのかシミュレートして、自分が女の子に同化していくことでいい絵が描けるんじゃないかみたいな。そういう変なことを考えているんですね。なりきって考えてみるみたいな。

──ときどき女装しているのもそのためなんですか?

メル:
 女装はギャグです。女装しても女の子にはなれないので、精神的な方面でなりきっています。

──最後にファンのみなさんへメッセージをお願いします

メル:
 『幻想交流』のお話をいただいてからけっこう時間も経っていて、愛着もあり、今後も続いてほしいコンテンツだと思っていますし、僕も関わっていきたいと思っているので、ぜひ応援よろしくお願いします。

 僕個人の今後の活動は、いずれ発表されていくと思うのでTwitterをチェックいただければと。後、Eテレの水曜朝9時10分からの「コノマチ☆リサーチ」という番組にレギュラーで出演しているので、そちらもご覧いただけるとうれしいです。

──ありがとうございました。

楽屋での岸田メル先生。ポスターをバックにパシャり。

いとうのいぢ「顔を基本に描き進める」

──本日はよろしくお願いします。まずはサイン会を終えた今の感想をお願いします。

いとうのいぢ(以下、のいぢ):
 私自身が名古屋にあまり来ることがないので、すごく新鮮な気持ちでサインをさせていただけました。名古屋近郊だけでなく、東京や大阪など遠くから来てくださったお客さんもいて本当にありがたいです。

──キャラクターデザインを担当したハママツさんを描く際にこだわったポイントを教えてください。

のいぢ:
 浜松は音楽の町というのを聞いていたので、鈴や鍵盤とかはデザインに組み込みたいなと思いました。私の中でハママツさんは、踊り子さんというか、楽しげに鈴をシャンシャン鳴らして踊っているイメージなんです。

 後、設定でこの世界ではボタンやファスナーが存在しないというのを最初にいただいていたので、極力そういうものを使わずに衣服として成り立つものをデザインがんばりました。

ハママツさん。
(©NEFCO)

──性格や内面でこだわった点はありますか?

のいぢ:
 元気でボーイッシュというのは第一にありました。口に咥えている葉っぱだったり、アホ毛だったりは、より活発さを表現するために描き加えていった部分です。

 ほかにも魅力的な女の子が登場する中で、そういった面で住み分けはできたかなという気はします。

──かわいい女の子を描くコツは何ですか?

のいぢ:
 やはりみなさんキャラクターの顔にいちばん目が行くと思うので、お顔が命じゃないですけれど、できるだけ自分の思い浮かべるかわいいかたちを再現できるようにラインを引くようにしています。

──キャラクターを描く際は顔から描き始めるんですか?

のいぢ:
 そうですね。顔がいちばん基本となって、そこから描き進めていく流れです。

──顔の中でもとくにこだわりを持っているパーツはありますか?

のいぢ:
 目ですね。自分の中のこだわりなんですけれど、目のパーツの位置をあまり広がらないようにしたり、収縮させて大きく描いたりとかです。

──最後にファンのみなさんへメッセージをお願いします。

のいぢ:
 これまで描いたもの以上に、自分の可能性を広げるデザインをこれからも描いていきたいと思っています。その中にも、のいぢらしさを含めつつがんばっていきますので、今後も応援よろしくお願いします。

──ありがとうございました。

いとうのいぢ先生に描いていただいたハママツさん。

幻想交流展は2月28日まで開催中!

 今回サイン会が行われたコスパ・トラベリング・デポ in 名古屋パルコでは、2月28日まで幻想交流展が開催中。

 作中に登場する女の子が描かれたキャンバスアートほか、缶バッジやステッカーなどのグッズが販売されている。

 岸田メル先生といとうのいぢ先生のサイン入りの特大パネルも展示されているので、名古屋近隣の方はぜひ足を運んでみよう。

春はもうすぐ♪  幻想交流プレゼントキャンペーン!

 岸田メル先生、いとうのいぢ先生のサイン入りポストカード3枚組をセットで3名様にプレゼント! 

 応募方法は 『幻想交流』Twitterアカウントをフォロー、下記の投稿をリツイートするだけ。

■応募期間
2018年2月13日(火)11:00~2月28日(水)15:00

幻想交流キャンペーンページ

※ポストカードは幻想交流展in名古屋パルコの物販購入者プレゼントに使用しているものです。抽選で3名様に当選DMを送ります。発送は3月中を予定しています。

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