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“親しき仲にもスキャンダル”週刊文春編集長・新谷学が仕事への想いを語る「文春に忠誠を誓っている」

「全ての忠誠を週刊文春に誓っている、この雑誌に殉ずる気持ちでいます」

竹山:
 そうしたら、テレビとかメディアが文春さんの記事を使って特集するじゃないですか。それでさらに広がるじゃないですか。結局、編集長がおっしゃるには、見返りがこっちに来ないってことですよね。見返りが来ないからこっちもビジネスだからやってられないっていう話じゃないですか。それで文春デジタルで映像の方も売っていこうという話にはなると思うんですけど、そっちが騒がなければテレビは文春の記事を一切やらないと。デジタルも買わないと。うちは独自のことしかやらないと。

 そうなるとテレビを意識した記事はやらないみたいな。元々テレビはそんなに意識してないんですか。でもやっぱりここ最近、どこかで意識はするようになったんですか。

新谷:
 正直言って、全く意識しないということはないですよね。ただそんなに大きく変わってないんですよ。週刊文春も先ほど申し上げたように、なかなか他の新聞やテレビが踏み込めないような……特に偉い人ですよね。政治家もそうだし権力を持っている人、世の中に非常に影響力を持っている人で、非常に表の顔が金ピカに輝いている方。

 でも「実はこんな裏の顔もありますよ」ということをやるのには、当然リスクはありますよ。金ピカに輝いて権力を持っているわけですから。私がよく現場に言っているのは「我々の仕事は、王様は裸だと最初に叫ぶ勇気を持つことだ」と。裸の王様に怖いから忖度して言わないのではなくて、「王様は裸だと最初に言おうよ。それが週刊文春だ」と。それが私がいつも言っているスクープ主義です。

竹山:
 政治家とかのスキャンダルって、文春さんはよくやってるなと思うわけですよね。なんでかと言うと政治ってみんなの1票をもらって代表でいってるから。そりゃ不倫もダメでしょ。議員でいる間はダメだと思うんですよね。文春さんもメディアじゃないですか。そうすると芸能とはある程度仲良くやった方がお互いがwin-winでいくような気もするんですけれど、結構仲良くないところもあるじゃないですか。

新谷:
 どうなんですかね。

竹山:
 みんなうまくやった方が……。「王様は裸だ」と出したいのは分かりますけれども、言う必要もないこともあるじゃないですか。

新谷:
 はい、もちろん。

竹山:
 芸能プロダクションとの関係はうまくやった方がいいと思うんですけど、その辺はどう考えているんですか。

新谷:
 私は誰とでもうまくやりたいし、ただ、“親しき仲にもスキャンダル”というのをモットーに今までやってきたんで。

竹山:
 親しい政治家の人とかでもスキャンダルがあった時には、自分ところの雑誌で大きなスキャンダルを出しますか。

新谷:
 思いっきりやりますよ。

竹山:
 関係が壊れても。

新谷:
 やりますよ。関係が終わったことも何回もありますよ。基本的に私は政治をずっとやってきたので、いろんな政治家と仲良くなって、ズバッと斬って修復して、またズバッと斬ってを繰り返して、今どっちだっけ? っていう政治家も結構いますよ。

竹山:
 極論を言うとですよ、政治家にもご家族がいると思うんですよ。ご家族に何かしらすごいスキャンダルやすごい事件があった。書きますか? 書きませんか?

新谷:
 書くでしょうね。やっぱりそこで例外を作っちゃうと……。私も編集長になって6年経ちますけど、全ての忠誠を週刊文春に誓っているわけですよ。それは絶対に裏切ることはできなくて、週刊文春としてこれは書くべきなんだと思うものであれば、相手が誰でも私は書きたい。もちろん社長に止められてクビになるかもしれませんが、やっぱりそれぐらいこの雑誌に殉ずる気持ちでいますから、そのぐらいの覚悟じゃないと現場もついてきてくれないし。

文春リークスに送られてくる情報の精度は上がっている

竹山:
 となるとスタンスも今後は変えない?

新谷:
 雑誌は生き物ですから、その時代時代の空気によって、これまでは話題になるしみんなが興味を持って選んでくれるものでも、今はちょっと違うよねっていうことは当然あるわけです。AIがやるわけでもないし、マニュアルがあるわけでもないんです。ここのハードルを越えたら記事になりますとか、厳然たるものだあるわけではなくて、日々それは移ろっていますよね。

 今回の小室さんの反響を受けて、なるほどなと。世の中の人たちはこういうことを考えているんだと私は肌身で分かったので。

竹山:
 ああいう記事に対して世の中の人はちょっと嫌がっていると言うか、もういいんじゃないかっていうことも、ちょっと肌身で感じていると。

新谷:
 不倫に対してはある意味、私自身も、もういいんじゃない? って思う時もあります。

竹山:
 ということは、今後の文春さんは今までの流れじゃなくて、時代とともにまた記事の内容とかスクープの内容が変わっていく可能性もあるよということですか。

新谷:
 これで来週竹山さんの不倫とかが出たらすごいですよ。

竹山:
 俺が出たら一番面白い(笑)。ちょっと時間もないのであと2点ほど聞きたいんですけど、まず政治でも芸能でも、そういう記事の出所はリークで来るものなんですか。それとも40人いる取材班がネタを探しに行っているのか。

新谷:
 ケースバイケースで両方ありますよ。どっちが多いってこともないですけど、うちは本当に現場が優秀なので、いいネタがバシバシ上がってきますよ。

竹山:
 でも編集長、この本に書いてありましたけど文春さんではお金は払わないでしょう。

新谷:
 最終的に記事になった時に情報提供の謝礼は払うことはありますけど、安いです。出版社って基本的に原稿料という考え方があるので、1ページ原稿書いたらいくらみたいなものはあるんですね。

竹山:
 僕、とある週刊誌に裸のハニートラップで売られた時は、逆取材をライブでしたら5万だったんですよ。5万で全国にばらまかれたんですけど、そんな値段ぐらいですか。

新谷:
 何とも言えないですけど、大した額じゃないですよ。ケースバイケースですけどね。

竹山:
 スクープと言われる記事の何パーセントがリークですか。

新谷:
 厳密には言えないです。リークでくるものが記事の形になることもあれば、現場の記者が毎週どんどん取ってくることもあって、パーセントは言えないけれども、傾向として文春リークスに送られてくる情報の精度、確度が上がってきて、お~っ! っていうのが入っていることは増えています。

週刊新潮が四人体制で俺の不倫を狙ってるっていう情報が流れてきて……

竹山:
 あと最後に、編集長はズバリ不倫したことはないですか。

新谷:
 ないんですよ、本当に。

竹山:
 叩いたらホコリが出ることはありますか。

新谷:
 1回現場から週刊新潮が四人体制で俺の不倫を狙ってるっていう情報が流れてきて「気をつけてください」とか言われて(笑)。

竹山:
 不倫以外は? 人間って秘密ってあるじゃないですか。これ触れられたくないなっていう過去のこととか。

新谷:
 若い頃は酔っ払って裸になったりとかそういうのはありましたよね。ちょんまげやっちゃったとか、そういうのはありますけど(笑)。法律に触れるようなことはないですね。

竹山:
 自分の部下たちには「不倫はするな」って言ってるんですか。意外と編集者の方って結構遊んでる人が多いじゃないですか。

新谷:
 「するな」とは言ってないですね。これもまた「お前が言うな」って突っ込まれるかもしれないですけど、不倫がすごく悪いことだと思ってないんです。悪いと思ってやってるわけじゃなくて面白いなって。

竹山:
 「面白い」って言っちゃってるじゃないですか(笑)。それで迷惑してる人がたくさんいるのに(笑)。

新谷:
 それが面白いで終わらないところが、やっぱりベッキーさん以外でも面白いで終わらないんだなってことは、我々も身に染みて分かってるんですよね。

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