年明け注目のアニメ作品『DEVILMAN crybaby』への期待を評論家が語る「ちょっと見たんですが…面白いです」
糖分多めの『One Room』と『Room Mate』
国井:
これは、良かったのか、悪かったのか……。まあ、これは見てました。『One Room』
サンキュータツオ:
まあ、ショートアニメでしたけどね。
国井:
極端に狙いどころがピンスポットな、もう狙いがわかっているから、そこだけスパーンと一発だけ撃ってきたみたいな。『One Room』は、視聴者が男の子向け。ヒロインが出てきて……。この後に製作された『Room Mate』は視聴者が女性とターゲットを絞って、キャラクターが男の子。
サンキュータツオ:
しかも主人公が全く出てこなくて、目線だけというね。
藤津:
枕男子とかそういう感じだよね。ああいう傾向なんだよね。
国井:
ドラマCDとかでも非常によく使われている手法なんですよ。だからヒロインしかしゃべっていない。これは素敵だと見えるのか、いや、ここまでいっちゃうとちょっと違うのかもれないわ。というので、けっこう別れ道なのかな、というのもありましたね。
藤津:
こういうタイプの作品は。チョコレートのめっちゃ甘いやつみたいな感じで。本当に、2つぽっと食べれば十分ていう感じですよね(笑)。
国井:
週に1回5分で調度いいくらいの糖分が、凄まじい糖分でしたね。
サンキュータツオ:
僕なんか、さんざん、可愛い女子高生アニメでたくさん見てきたわけですよ。そりゃもう、『けいおん!』の唯ちゃんもそうですし、『あずまんが大王』もそうですしね。もう、女子高生は可愛いって散々知ってるし! これ以上可愛い女子高生が出てくるわけないって、思ってんのに……可愛いんだ(笑)。
国井:
『Room Mate』は寮に3人のイケメンの男が住んでいて、そこの管理人として女の子がやってきて、3人がその子を取り合うみたいな空気が出るわけですよ。女子ドリームってこういうことなのかなっていうのもちょっとありました。商品として出されているので、イコールで女性の意見と丸呑みはできないんですけど。
藤津:
でも、女性向けのソシャゲで、監獄に差し入れにいくやつがあったじゃないですか(笑)。
『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』子どものアニメファンが増えればアニメ文化は維持される
藤津:
今年はレギュラーの劇場版がどれも面白かったんですよ。『名探偵コナン から紅の恋歌』、『ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』、『DCスーパーヒーローズ vs 鷹の爪団』それから、『クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ』、グッと懐かしい系でしたけれど『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』も良かった。
コナンは日本のアニメでプログラムピクチャを作るならこれくらいやってほしいというレベルでよくできてる。
サンキュータツオ:
鷹の爪はどこまでいくんでしょうか(笑)。
藤津:
ポケモンはいわゆる最初のピカチュウと旅に出たところをもういっぺん改めてやるってとこなんですけど。ポケモンがいることの幸福というのは何か? ということをテーマにしていて。それがよかったですね。
子どものアニメファンが増えると、アニメ文化が維持されていくので。
サンキュータツオ:
アニメを見ることが気持ち悪いっていうことにはならない、と。
藤津:
やっぱり、コナン、ドラえもん、しんちゃんをまず1回面白いと思ってくれるのは大事なことですね。
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