1ドル=135円も!? FXのプロが2017年の相場をガチ予想!
FXの最前線で敏腕を振るうプロ達4人がここに集結!
JFX株式会社代表取締役社長の小林芳彦氏、外国為替予想サイト「円を救え」を運営、個人のFX取引活動を支援しリポート配信やセミナー活動を続けるだいまん(文一雄)氏、日本のデイトレーダーの先駆け的存在、岡安盛男氏、株式会社みんかぶマガジン社FX情報配信部門部長兼編集長ダックビル山岡(山岡和雅)氏。
2016年を振り返ると共に、2017年の相場を大予想!
イギリスのEU離脱、アメリカ大統領選…… 2016年相場の振り返り
岡安盛男(以下、岡安):
2016年の相場、特にブレグジットの時にまず思ったのが、「なんでこんなに予想と違ったんだろう?」って。それも、僕だけじゃない。みんな見誤ったじゃないですか。
小林芳彦(以下、小林):
だって、前に山岡さんともお話しましたけど、どう考えたって経済的な観点から言ったら離脱するわけがないって思ってましたもん、みんな。
岡安:
その後のアメリカ大統領選もね、正直言って、90何%の人間が見誤ってたわけじゃないですか。(大統領選を)予想した人って嘘つきでしょ(笑)。ちょっとそういう人は相場やったらまずいなって思いますよ。
小林:
あまりに裏をかきすぎてるっていうかね。
岡安:
そうそう。そういう人って、メチャクチャ儲かるかメチャクチャやられるか、どっちかなんですよ。オーソドックスなのが本当はいいんですよ。
だいまん:
その面で言うと、こういうことですよ。「結末を予想するんじゃなくて、それがどうなったらこういう対応をするっていうことを考えるのが一番いい」ってことでしょ?
岡安:
そうそうそう。そういう意味では、ディーラーってフレキシブルが一番いいの。
岡安:
ただ、2016年はそれがあまりにも多かった。1月だってそうじゃないですか。まさかの中国の株価にサーキットブレイクが付いちゃって。あれだって「え?」って思ったわけでしょ? つまり、年初から既に始まってたのに気が付かなかった。それが本当にわかったのは、やっぱり(12月の)大統領選ですよ。
だいまん:
それじゃあ“too late”(手遅れ)じゃないですか(笑)。
岡安:
違う違う。「世の中が変わったんだ」って。それを認識できれば、これからの予想もできるわけですよ。
小林:
逆にさ、僕なんかは近視眼的っていうか、例えば「Aということが起きることによって相場がどう動くか?」ってこと、頭では概念を考えてるけど、事前にポジションを張っておくってことをしないから。どっちでもいいんですよ、上がっても下がっても。とりあえず(相場が)動けば。それだけなんですよね。
ダックビル山岡(以下、山岡):
2016年は不思議なことばかり起こりましたけど。いや、ブレグジットの時は素直にポンドが下がりましたけど。でも、トランプさんの時って、サプライズ&(相場の)反応が逆だったじゃないですか。そういう意味で言うと、マーケットのみんなのコンセンサス自体が大統領選の結果からだけじゃなく、相場の反応からズレてましたね。
山岡:
トランプさんに関しては、あとはあれですね。みんなが言動に騙された、じゃないですけど。言動が派手すぎて「(彼が大統領になったら)世界が終わりだー!」ぐらいに思って、必死になって(ドルを)売るんだって思ってたら、実際に大統領になってみて、発言を聞いてみたら「あれ? この流れ、ドル買いじゃん!」って(笑)。
小林:
結局、財政については「減税します」って。
だいまん:
そりゃあね、テレビ討論会のバカみてーな発言聞きゃあさ、誰も信じないよ(笑)。
岡安:
たださ、101円の二十銭だっけ? 結局のところね、あの時、我々の多くは「これは基本的に(ドル)売りだ」って思ってたところに買いが入ったってこと自体がそうだったっていうかね。たぶん、あれ以上“売り玉”もなかったっていう。100円っていうのも実はものすごい堅いところだったっていう。
だいまん:
その辺は僕は完全に見誤ったのでなにも言いません(笑)! 95円まで入ってもおかしくないと思ってたから。その時が絶好の買い場だって思ってたんだけど、そこまで入らなかったからね。
小林:
え? いまコメントで「だいまんさんが言ってたので買えました。ありがとうございます」って流れてましたけど?
だいまん:
何を買ったの?
小林:
だから、ドルを買ったんじゃん。
だいまん:
俺より全然上手いじゃん(笑)。
一同:
(笑)
2017年の注目通貨は?
だいまん:
オージー/ニュージーです。なぜかと言うと歴史的な安値圏にずっといるんですよ。これが転換する時期が絶対来るんです。オセアニアの場合は、オーストラリアとニュージランドで考えると、必ずオーストラリアが強いんですよ。だから必ずそういう日が来ます。
小林:
僕はやっぱりドル/円です。先に上がってその後失速。118.85円が年末予想。来年124円、その後失速して110円位まで。もしかしたら110円割れるかも。年末には115円位に。陰線で終わります。
岡安:
ドル/円です。僕は陽線で終わると思ってます。小林さんとシナリオは似てます。夏場にダレてもしかしたら10円位下がる、ドスンと来るかもしれない。問題はヨーロッパですよ。欧州がどうなるかっていうのが大きくて、ドイツ・オランダ・フランス、イタリアも総選挙あるかもしれないし、ブレグジットも含めて世の中が変わり始めているとすれば、ユーロ自体の存在が危なくなる可能性がでるかも。相場というのは先取りするのでユーロが売られてドルがガンガン上がる。ユーロ崩壊です。
山岡:
ポンド/ドルです。ブレグジットが3月に正式スタートすると思います。ハードブレグジット、ソフトブレグジットと言われてますけど、3月迄にしかまとまらないです。まとまらなかったらメイさんはどうするか。強行します。何でかというと、イギリスって民主主義を一番最初にした国です。国民投票で決まったことを覆すということは、少なくともメイさんの性格からするとありえないです。となった時にハードブレグジットになったら、そりゃ下がります。とりあえず、ブレグジットで一度下がって1.15(ポンド/ドルの現在値は1.232)。その後はわからないです。
プロが語る「逆張りしたときの相場観の切り替え方法」とは?
ユーザーの質問:
アメリカ大統領選の時もそうですが、こうだと言われてることと、実際の値動きが違う場合に相場観の切り替えが上手くできません。予測・予報を信じてしまってそのまま逆張りをし続けてしまいます。みなさんはどの様にして相場観の切り替えをしてらっしゃるのですか?
山岡:
ポジションを一回スクウェアにする。それが一番大事です。ひっくり返しじゃなくてきれいにして 、次入るときは変わってくるので。
小林:
チャートで見て切る? それとも本能で切る?
山岡:
インターバンクの感覚から、ハズレ出したら一回きる。顔洗ってもいいし、電話を叩きつけてもいいし、一回リフレッシュする。
だいまん:
切るっていうのは簡単だけど、そうじゃなくてまずポイントを決めるんです。ここを越えたらヤバイなってところをまず決めて、そこを越えたら止める。
例えば、ドル/円だったら今回、レベルによりますが115円のミドルで一回止まりましたよね。売ってもいいですよ。だけど超えたら止めるとか。今だったら118円の66が高値でしょ。66を超えたらショートは止めると。
小林:
66の手前で40に近いところ……45つけたらきってもいいんだなと思う。
だいまん:
そういう見方もあるね。
岡安:
僕はダブルアップってしないんですよ。要するにドテンですよ。ドテン好きな人っているんですよ。しょっちゅうショートからロング、ロングからショートって。一回切って、冷静に考えてもう一度ポジション持つっていうのは基本的に昔からやってるやり方です。