『おそ松さん』2期「ベタなアニメは作らない」退路を断つ覚悟が現れた第1話――『十二大戦』『アイマスSideM』注目の秋アニメ第1話総括
お笑いコンビ ハライチの岩井勇気氏がお届けする、本音でアニメを語る番組『ハライチ岩井勇気のアニ番』。
第75回の放送では、2017年秋アニメランキングを発表しました。1位には、岩井氏が男ウケしかしないのではと語る『Infini-T Force』がランクインしました。2位には、『おそ松さん』。3位には、前回の予想から大きく順位を伸ばした『アイドルマスターSideM』。4位には、西尾維新氏が原作の『十二大戦』が選ばれました。
※本記事には『Infini-T Force』・『おそ松さん』・『アイドルマスターSideM』・『十二大戦』のネタバレを一部含みます。ご了承の上で御覧ください。
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第4位 『十二大戦』
岩井:
皆さんはアニメを見ていますか? 初回、全部見ていないよという方。私は始まったアニメは全部1話から見ましたね(笑)。今回は30本ぐらいありましたけど全部見ましたよ。このトップ10を今日決めたいと思います。4位、十二大戦。十二大戦は面白かった。
──話題作ですね。
岩井:
そうだよ、面白いもん。だって、前情報が何もない。アニメの1話からしても、まったく謎のまま、これから戦いましょうみたいなところから始まる。
あらすじは、十二大戦というものが12年に一度ある。それで子丑寅宇辰みたいなキャラクターが各々一人ずつ、計12人集められて、それがヨーイドンで殺しあう。本当に『バトル・ロワイアル』みたいですね。最後の一人になるまで殺しあう。
確か最初に薬みたいなのを飲まされて何時間後までに決着がつかないとこの薬の毒で死ぬというところから始まる。これが各々どういう能力やキャラクターなのか明かされないままスタートするから、すごくワクワクするよね。
1話で主人公みたいな猪のキャラクターが最初に出てきて兎のキャラクターと対戦する。最初にみんな散り散りにどこかに隠れるけれど、主人公みたいな猪と兎だけが対峙して戦います。それでまんまと兎の策略にハマって猪が殺されます。その主人公っぽい猪が殺されて1話が終わる。これが殺されたのかどうかもよく分からない。俺は死んでないのかなと思っています。
──なるほど。
岩井:
何回か見たけど、毎回主人公みたいなのが、俺はこういう策略で倒すといった人物が殺されている。
──(笑)
岩井:
裏切りがあるからすごく面白い!
──ちなみに原作は西尾維新です。
岩井:
それっぽいよね。おどろおどろしい世界観とかね。
──アニメーション制作はグラフィニカでして、この会社は3DCGが強い会社です。『ハイスクール・フリート』とか『ラブライブ!サンシャイン!!』を手掛けている。『チェインクロニクル ~ヘクセイタスの閃~』とかのアニメーションで協力しています。
岩井:
声優も豪華だったと思いますよ。
──声優さんは堀江瞬、梅原裕一郎、五十嵐裕美、岡本信彦、江口拓也、鳥海浩輔、緑川光、チョー、早見沙織、佐倉綾音、西村朋紘、日笠陽子……。ちなみに江口拓也さんと鳥海浩輔さんのキャラは、兄弟です。兄貴の方が江口拓也さん、弟の方が鳥海浩輔さん。
岩井:
鳥海さんが殺されているからね。鳥海さんはあまり出ないってことなのかな、それが活きてくるかのどっちかだな……。最初に弟が殺されているところから始まる。最初に裏切ってきているから、このわくわく感がすごい。
──なんといっても、西尾維新ってところがね。どんなどんでん返しがあるのか分からない。
岩井:
そうだよね。十二大戦をひっくり返すようなどんでん返しがあるのが面白い。ワクワクしながら見ることができるよね。実態が分からないですからね、十二大戦は。
第3位 『アイドルマスター SideM』
岩井:
第3位、『アイドルマスターSideM』。面白いよ。まず0話がめちゃくちゃ面白かった。
──それはどういうことですか?
岩井:
拡大版というかスペシャルで0話をやっていました。あの「アイドルマスター」の最初のアニメに出てきた961(クロイ)プロという765(ナムコ)プロの敵対プロダクションがあって、そこの男の子アイドルJupiterという三人組のアイドルがいました。
そのJupiterが、961プロの社長に命令されて、765プロに嫌がらせをしていました。でも、嫌だといって961プロを離れた。その後の話が0話です。スポットがあたっているのが、そのジュピターの3人組。その話が苦労もあって、めちゃくちゃ良かったです。
961プロダクションを離れた後は、プロダクションに入らないで自分達だけでやっていこうみたいなことで、事務所に入らないでやっていこうとなりました。しかし、そろそろ限界になってきた時に、新しく事務所を立ち上げる315(サイコー!)プロの斉藤さんが来ました。
そこは、給料がいくらいくらですみたいな人達と違って、情熱やパッションでお前たちを持ち上げてやりたいと。お金の話をしてこなかったのはそんなに給料を出せないからっていうのもあるかもしれないけれど、その情熱に感化されて、Jupiterはその事務所に入ろうとなった。
立ち上げたばかりの事務所を俺たちが大きくするくらいの勢いでやってこうぜという話が0話。これがまた苦労がすごく出ている。
──コメントでもすごいですね。苦労というコメントがあります。
岩井:
「アイドルマスター」1期の女の子達がJupiterを負かしているわけですよ。765プロのアイドル達にばったりと会いますが、野外ライブみたいなシーンを1期でやっていたけれども、そこの流れもあったなと。1期の最後かな。
その765プロの女の子たちがライブをやっているところにJupiterたちもいかせてもらって、こんな大きいところでライブをやっているのかみたいな。
俺たちは961プロから離れて小さい小屋でやっているけど、こんなところでやりたいという気持ちになる。でも小さい箱でやっている。それがまた泣けますね。実力があっても事務所がダメならダメになってしまう。
──コメントでもありましたけど、芸能人から見てやっぱり共感できるというか。これはリアルだなとか共感する部分があったりしたようです。
岩井:
僕もアイドルと一緒に仕事をやってきたりしましたが、やっぱり運や事務所の力とか色々あるんです。俺はそのアイドルがものすごく能力値が高いと思っている。歌やダンスも頑張っている、性格も良くてバラエティもできる、これはもう他のアイドルと比べても完璧でしょと。でも、ズバンと今のところは売れていない。
──そういう子もいると。
岩井:
この子達が売れなかったら、アイドル業界は終わりだなと思っている。
──あえて名前は聞きませんが、そういう人もいると。
岩井:
だから、そういうことよ。事務所によってなかなかね。それに色んな運もあるよね。それを掴めるか掴めないかでいうとJupiterってすごいアイドルだから。これを経てJupiterが315プロに入りました。
同じ時期にスカウトで入った3人組のアイドルがいます。これがSideMの新しいアイドル達ということで0話が終わります。この始まりがめちゃくちゃいい。一応この子たちが、Jupiterより先に315プロに入ったから、事務所的には彼らが先輩にあたるけど、Jupiterさんの方が上でしょという感じ。
──なるほど。面白い。
岩井:
その新しいSideMの3人組の中にいる主人公っぽい子が28歳ですね。1回弁護士をやっていました。弁護士をやって問題を起こして弁護士事務所を離れて、なんかフリーで弁護士みたいなことをやっていたけれど、何となくオファーされて。
結構な歳だよね。ここからアイドルを目指して、「俺はアイドルの一番星になってやる!」というセリフがまた古い感じで、年齢層がまた上って感じが出て、それがいいよね。
──(笑)
岩井:
理由あってアイドル。またさ、弁護士だから理論的に考えるところもあって。元職業の弁護士、パイロット、外科医。これがまたいいですよね。主人公に髭が生えているから(笑)。アイドルだけどね。
──コメントでも見ていましたけど、男でも楽しめるって書いてありますね。
岩井:
女の子ワーキャー系のアニメじゃなくて普通にアニメとして楽しめます。「アイドルマスター」のアニメは外れないから。『アイドルマスターシンデレラガールズ』も面白かったでしょ。