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北朝鮮からの帰国便で出た機内食がひどすぎた話。渡航費35万円でこれは……

帰国直前、軍人二人に肩を掴まれて……

ニポポ:
 ここから僕は大変な目に遭うんです。正直今ここにいるという時点で帰国の手続きは全部終わっているんです。国際法上は北朝鮮を出ているんですね。免税店があるということはそうなんですけれども。ここからバスで飛行機のタラップまで行って、飛行機に乗り込んで終わりというようなところなんですけれども、まあここでひと安心ですよ。

 北朝鮮を出られて、携帯も返ってきた、というところなんですけれどもね。ここから私はバスに乗り、タラップに向かいます。最後の夜に日本人の方とようやく一緒になれたんですけれども、その方とタラップに上がります。最初に日本人の夫婦がタラップを上がりまして、僕もじゃあ行きますと言って上がりました。

ニポポ:
 そうしたらガッと後ろから肩を掴まれまして、こんなところに知り合いがいるわけがないとパッと振り返ったら、軍服を着た二人がいるんですよ。ああ、僕はもう帰れないんだ、終わったと思って……。そういえばやっちゃいけないこといっぱいやったわ、どうしようと思って……。北朝鮮の飛行機は週に2往復しかないんですよ。だから待つとかはしてくれないのね。

 ここで時間を多めに取られたら、僕は最低でも翌週まで帰れないんですよ。とりあえずこの軍人の話を聞こうと思ったんですが、軍人さんは日本語がわからない。「とにかくお前のカメラを出せ」と言われて写真を見せると、もう撮っちゃいけないものがいっぱい映っているわけですよ。

 撮っちゃいけない写真がいっぱい映っているわけよ。「だから、これをメモリーカードごと全部消せ、没収だ」と言われたので、「それは勘弁してくださいよ」と言っても、だめだの1点張りでした。じゃあ全部消しますと言って、その何十枚とか何百枚とかの写真を1枚1枚全部消しました。もうフォーマットすりゃいいじゃん(笑)。1枚1枚全部消せ、とやらされたんですよ。

安:
 では、確認して、消して、確認して、消してみたいな?

ニポポ:
 1枚1枚消せと言われて、僕もうどうしようと思って。それで飛行機がこの間に出ちゃったら僕もうどうしたらいいのかと思っていました。それで全部消し終わって「俺はもう乗っていいのか」と言ったら、渋々仕方ないからいいぞみたいなことを言ってくれて、うれしかったよ。

 ここがさ同じ日本人だね。最後に頼れるのは同胞だよ。同じ日本人の古物商の人が、高麗航空の飛行機のタラップを上がったところで飛行機の扉をずっと押さえていてくれたんです。

安:
 えー、すごい!

ニポポ:
 超感動してさ。「この飛行機は出させん!」みたいな感じで……。ありがとうございますって言いました。それでやっと帰ることができたわけ。その憎き私を取り調べたやつを最後に意地で撮った写真がこの画像です。

撮影:ニポポ

安:
 隠し撮り的な(笑)。

ニポポ:
 この軍服を着ている二人がいるでしょ。これが私を引きとめて、写真を全部取り上げたんです。もうこの時は流石に震えた。恐ろしい思いをしたよ。北京経由ではありますけれども、ギリギリでようやく帰って来られたよ。これが北朝鮮旅行の全てのあらましでございました。

安:
 お疲れ様でございました。

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