AKB48『豆腐プロレス』内での“ガチ”発言多用に疑問。「プロレスの“ガチ”は「真剣勝負」という意味。デリケートなので気をつけましょう」
AKB48グループが出演した、プロレスをテーマにしたドラマ『豆腐プロレス』を、プロレスの聖地である後楽園ホールで実演する企画が行われました。
試合の出場選手であるAKB48グループのメンバーが“ガチ”という言葉を多用した件について、9月9日放送の『タブーなワイドショー』にて、吉田豪さんが問題提起。久田将義さんとKダブシャインさんが議論を交わしました。
プロレスにおける“ガチ”は「真剣勝負」? 軽々しく口にしてはいけない
久田:
僕、AKBを取材してましたけど、豆腐プロレスってことになった時に、「え? どこに行くんだろう」って思っちゃって。
吉田:
『豆腐プロレス』っていうプロレスのドラマが、ちょっと前までやってて、僕も仕事の関係があったので見たんですよ。
ひっかかったのが、主題歌が秋元さん作詞の『シュートサイン』っていう。シュートサインというのは、プロレスにおける『シュート』『ピストル』とか呼ばれるサインのことですね。そのサインなんですけど、タイトルがそれなのに、シュートサインが存在しないプロレスを描くドラマだったんですよ。
吉田:
プロレスを格闘技として描いているドラマで、そこのズレにもやっとして……。その興行が始まったときに、AKBって「ガチ」を多用するんですよね。選挙とかじゃんけん大会で「ガチです!」ってアピールする流れで、プロレスも「ガチです」ってやっちゃったんですよ。
久田:
このプロレスもガチと。
吉田:
興行としてもガチを多用して、周りのスタッフもプロレスのことがよくわからない人が多い。選手のAKBの子もプロレスがわからない子が多いから、試合後のコメントとかでも何でもかんでも、「今日はもうホントにガチの戦いだったんで、とにかく……」みたいな。
久田:
なるほど(笑)。
吉田:
「その辺、デリケートなんで気をつけましょうよ」みたいなことをツイッターでつぶやいたら、AKBのファンに怒られて。
要はガチっていうのが、今、「真面目に」とかっていう意味で使われているじゃないですか。でも、プロレスにおけるガチっていうのは「真剣勝負」っていう意味なんですけど、その辺が伝わっていなくて。「彼女たちがあんなにプロレスをガチでやっているのに、吉田豪は何もわかっていない!」みたいなことを怒られて。
久田:
ああ。気持ちが真剣で、勝負としては真剣じゃないとか……何だ? 何ていうの?
吉田:
難しいんですよ、ここは。すごく言いにくいんですよ。でも、プロレスのガチっていうのは、ホントに喧嘩に近いですからね。急所を殴るのがガチですからね。
久田:
それをやってきていないわけだから。
エンターテイメントの“ガチ”・闘いの“ガチ”
Kダブシャイン:
エンターテイメントとしてのガチと、本当に闘いとしてのガチと違いますよねって言えばいいのかな。
久田:
違いますよね。
吉田:
ガチっていうのはプロレスの対極みたいな。
Kダブシャイン:
僕ちょっと勉強不足で申し訳ないんですけど、豆腐がどうプロレスと絡むんですか?
吉田:
豆腐屋の子がプロレスをやるみたいな話なんですよ。
Kダブシャイン:
みんな朝早く起きるとか。
一同:
(笑)
Kダブシャイン:
そういうことではなくて。
吉田:
そういうことではないですけれども、そんな感じでいいです(笑)。
久田:
ざっくり。でもそう思いますよね。
Kダブ:
何だこれ、というね。リングが豆腐だったらもう試合にならないしな、と思って。
吉田:
リングが豆腐で(笑)。違いますよ。
久田:
これ、本当に普通のプロレスなの?
吉田:
他のプロレスと違って、投げ技はそんなにやらないとかで、それでリアリティをちゃんと出してやっていたから、全然思った以上にきちんとプロレスはできていました。
久田:
僕も総合格闘技のジムに5年くらい通っていたんですよ。池袋のブルードッグジムに。それで、グラップリングのスパークリングやると、僕はガードポジションになれるじゃないですか。で、上になった人がちょっとでも落とすと、コーチがめっちゃ怒りますから【※】ね。
※コーチがめっちゃ怒りますから
総合格闘技において、相手の下に位置する状態になっていることをガードポジションという。総合格闘技や柔術の試合では、ガードポジションになっている選手を持ち上げて叩きつける行為は危険な為、禁止されていることが多い。
吉田:
バスターね。
久田:
バスター系です。女子プロレスラーでも、本当に亡くなった方がいらっしゃるんで。プラム麻里子さんとかね。あと、男子プロレスだと三沢さんとか。この落とす型って本当に怖いんですよ。
吉田:
その辺はうまく考えていましたよ。
久田:
ちゃんとやっているんだ。
Kダブシャイン:
これ、もう終わっちゃったんですか?
吉田:
公演は終わったんですけど、今後もやっていくっぽい感じでした。