「尿意を我慢すると頭が冴える」「ジェットコースターで結石除去」etc…ちょっと笑えるイグノーベル賞受賞研究がこちら
今回紹介する、おねカナ不思議旅さんが投稿した『意外と凄い研究イグノーベル賞【VOICEROID解説】』では、音声読み上げソフトを使用して、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に与えられるイグノーベル賞について解説していきます。
ユーモアの才能があふれる“笑撃研究”
お姉さん:
ノーベル賞は物理学や化学などで顕著な功績を残した人に与えられます。それに対しノーベル賞のパロディであるイグノーベル賞というものがあるのよ。
カナ:
確か笑わせるための発明だったかな。
お姉さん:
そう。「イグ」とは英語で否定的な意味があり、下品な不名誉なと言った意味の単語にもかけられているのよ。今回はそんな人々を笑わせ、考えさせた人に贈られるイグノーベル賞について紹介します。
ひとつ目はイグノーベル医学賞を受賞した尿意を我慢していると頭が冴えるという研究です。まず被験者を50mlの水を飲むチームと、700mlの水を飲むチームに分け、その後45分かけてある衝動に関するテストをしたのよ。
カナ:
衝動ってどんなものなんだろう。
お姉さん:
明日16ドルもらうのと、35日かけて30ドルもらうの、どちらを選ぶかという問いに対して、トイレをずっと我慢していた700mlのチームの方が報酬が多い後者を選ぶという結果になったの。
尿意に耐えている状態だと今よりも将来のことを優先して物事を考えるということだそうです。
カナ:
なんでそんなことになるのかな?
お姉さん:
尿意を我慢している状態は、体中に抑制の信号を送っていることになるらしいの。つまり、行動や考え方に置き換えられた結果、目先の楽が抑制され、将来的にメリットがあるほうを選ぶということだそうです。
でも、集中力や記憶力は落ちてしまうらしいわ。
カナ:
でしょうね。
お姉さん:
ではふたつ目は2020年にイグノーベル心理学賞を受賞した「眉毛とナルシスト度合いの関係」についての研究です。
トロント大学のミランダ・ジャコミン氏は大学の学部生39人を対象に、自然な表情をしてから撮影された被験者自身の写真を見て、その表情のナルシスト度合いを採点するという調査を行ったの。
カナ:
具体的な実験方法は?
お姉さん:
実験は多数ありますので一部を紹介しますが、ある実験ではナルシストと普通の人、ナルシストが低い人を開けたそうです。
ナルシストの眉毛とナルシストではない人の眉毛を入れ替えるなどをして、その状態を参加者が自己申告し、ナルシストレベルを評価していったとのことです。
その結果、整えられた濃い眉を持つ人は、ナルシストの傾向が高いことがわかったらしいわ。
カナ:
ふむふむ。そういう人は鏡を見て超うっとりしてるって事だね。
お姉さん:
そう。鏡を見て超うっとりしてるそうなのよ。では次は2009年にイグノーベル化学賞を受賞した、テキーラから人工ダイヤモンドを生成する研究です。
カナ:
めっちゃすごいやん。なんでイグノーベル賞になるのかな。
お姉さん:
テキーラを熱して発生した蒸気を、ステンレス製の基板上に沈着させると、ダイヤモンドの皮膜ができるんだけど、小さすぎて指輪用のダイヤモンドを作り出すのは難しいからだそうです。
カナ:
だけどテキーラでできるって本当? お酒とダイヤモンドって結びつかないよね。
お姉さん:
実はメタノールやエタノール等の含酸素有機化合物と水素を用いると、ダイヤモンドができるらしいの。気化させたアルコール類を2400度前後の高温にすることで、ダイヤモンドを生成することを気相合成法と言います。
なぜこのことによってダイヤモンドが生成されるのか、まだ不明な点が多いらしいのよ。エタノール40%、水60%という配合がテキーラに近いことに気づいた研究員は、実験を行ったところ、テキーラダイヤモンドができたということだそうです。
最後は2018年にイグノーベル医学賞を受賞したジェットコースターに乗ると尿路結石を除去できるという研究です。
カナ:
そもそも尿路結石ってどんなものなのかな。
お姉さん:
動物性たんぱく質を多く摂ると体内でシュウ酸というものが増え、それが結晶化し、石のようになったものが結石と言います。それが尿路。つまり尿管や尿道などに結石が詰まった状態のことを尿路結石と言うのよ。
尿路結石は「胆石」「膵炎」に並ぶ三大激痛と言われるように、血尿、吐き気か腹部激痛など、救急車を呼ぶほど大変痛いものらしいのよ。
カナ:
確か自然に出てくるのを待つしかなかったような。
お姉さん:
そう、でもジェットコースターに乗ることでも除去できる可能性が高いことがわかったの。アメリカのふたりの医師が遊園地でジェットコースターに乗って結石を除去したという患者の体験談を聞いて、これを検証したのよ。
3Dプリンターで腎臓と尿路の模型を作った後、結石を入れてビッグサンダーマウンテンに60回も乗って実験したそうです。
カナ:
めっちゃ乗るやん。
お姉さん:
その結果、結石の排出率は、先頭座席の場合は平均約17%、最後尾座席の場合は平均約64%となり、より揺れが激しい最後尾座席の方が排出率が高かったの。
発表後(イグノーベル賞発表)も230回以上同じ実験を繰り返し、ほぼ70%の確率で結石が出ることが確認されたのよ。
カナ:
めっちゃ乗るやん。
お姉さん:
だから尿路結石になった時は、ジェットコースターに乗ることをお勧めします。このようにユニークな研究に贈られるイグノーベル賞の中でも意外とすごい賞があるのよ。
ノーベル賞を受賞できなくとも、人に関心を持たれるイグノーベル賞に人生をかけるのも面白いかもしれないわね。
役に立つのか立たないのかはさておき、情熱あふれる風変わりな研究を紹介しました。どれも独創性にあふれて面白いですよね。解説をノーカットでご覧になりたい方は、動画を視聴してみてください。
▼動画はこちらから視聴できます▼
―あわせて読みたい―
・「トーストが床に落ちるときはバターを塗った面が下になりやすい」本当なのか? 人々を笑わせ考えさせた研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」のハチャメチャな世界【ニコニコ超会議2022】
・靴下が片方だけ消える…人類が悩み続けた問題を数学的に解明した結果がコレだ! アナタの家庭の「靴下が片方だけ消える確率」を割り出す方法