5周年を迎えたボカロ“音街ウナ”が楽曲コンテストを開催! 激戦を勝ち抜いた全15曲はバラエティ豊か&超名曲揃いだった
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「音街ウナ(CV:田中あいみ)」
2016年ボーカロイドとして衝撃的なデビューを飾り、クリエイターやファンの方々に育てられて早5年。
今ではニコニコ動画をはじめとする、ボーカロイド系のイベントでもレギュラーを務める人気ボカロとなっています。
今年10月、音街ウナの発売5周年を記念して、「音街ウナ5周年記念楽曲コンテスト」が開催されました。ルールは「音街ウナを使った楽曲をニコニコ動画に投稿すること」です。
『The VOCALOID Collection ~2021 Autumn~』の開催と相まって、たくさんの楽曲が投稿されました。
入選した楽曲は、スマホ向けリズムゲーム「Leaping Destiny」に採用されることが決まっています。
多数の楽曲のなかから最優秀賞に選ばれたのは、mihakoさんが投稿した「TOXIC PARTY / mihako feat.音街ウナ」でした。
おしゃれなバンドサウンドと、ゴシック調のダークな世界観が印象的な1曲となっています。
mihakoさんは、2020年6月から投稿をスタートし、現在までに8曲を投稿している若手ボカロPです。
しかし、その素性はSNSでもあまり明らかにせず、性別も非公開となっています。
最近は音街ウナの楽曲を主に投稿しているmihakoさん。
使用したきっかけは「たくさんのボカロに自分の曲を歌わせて、自分のイメージに合うのが偶然ぜんぶ音街ウナだった」とのこと。
この記事では、mihakoさんにインタビューを行いました。
コンテストで最優秀賞を取った楽曲の裏側や、音街ウナの魅力までたっぷり伺っています。
楽曲視聴とあわせて、ぜひご覧ください。
取材・文:金沢俊吾
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──音街ウナ楽曲コンテストの最優秀賞受賞、おめでとうございます!
mihako:
ありがとうございます!メチャクチャうれしいです。
──受賞を聞いたときの心境はいかがでしたか?
mihako:
コンテストの時期はボーカロイドコレクションが開催されていて、ニコニコにたくさん楽曲があがっていた時期だったんです。
どれも良い曲ばかりで、正直自信無くなったので、ちょっと信じられなかったですね。
──そうなんですね。すごくクオリティの高い楽曲だなと思いましたが。
mihako:
ありがとうございます。私は普段から音楽制作の仕事をしているんですが、「クライアントのオーダー通りに作る」ことが多いんですよ。
今回みたいに自分の好きなものを作って、評価されたことがあまり無かったんです。だからそうですね……ほんとうに感無量でした。
──音楽制作の仕事は、具体的にどのようなものなんですか?
mihako:
基本的には楽曲提供が多いです。あとは、編曲やミックス、マスタリングみたいな作業もしています。もともとはずっとバンドをやっていて、ギタリストでした。
──なるほど。mihakoさんの初投稿の曲に「初投稿なのにクオリティが高い!」っていうコメントが付いていたんですが、音楽はずっとやってこられていたんですね。
mihako:
そうなんです。仕事で音楽を作るなかで「自分自身の本当に書きたいものをそのまま世に出したい」という願望が強まって、ボカロ投稿をはじめました。
みんなどこか、こじれている
──受賞曲「TOXIC PARTY」についてお聞きしたいです。
mihako:
「邪念をぜんぶ取っ払った方が人生楽だよ」というコンセプトで作りました。
聴いてくれたかたが、ポジティブな気持ちになってくれるといいなって。
──でも、曲調自体はダークな印象ですよね。
mihako:
そうですね。だけど、曲の雰囲気が暗かったりしても、その中に「楽しさ」とか「気持ちよさ」を見つけてくれる人はいると思うんです。
──なるほど。暗い音楽に救われるリスナーも、きっとたくさんいますよね。
mihako:
はい。私は人間みんなどこか、こじれていると思って音楽を作っているんです。
ネガティブになるのが好きな人もいると思いますし、そういう人にはこの曲を、ネガティブなものとして受け取ってほしいなと思っています。
ネガティブだけど、奥にあるものはポジティブ
──「TOXIC PARTY」だけでなく、mihakoさんの楽曲は「現代に生きる人の孤独」みたいなものが大きなテーマになっていると感じました。
mihako:
そうですね、本当におっしゃる通りです。
私自身、社会不適合者じゃないですけど、会社とかにちゃんと属せなかった人間なんです。上司と揉めたり、友人関係も上手くいかないとか。自分の人間性がいいと思ったこともなくて。
でも、「こんな人間でもやれば出来るぞ!」みたいなものが、まず活動のコンセプトにあったんです。
──デビュー作の「アブノーマルワンダーシティー」は新宿の歌舞伎町が舞台になっていました。
mihako:
「どんな人間でも自由に生きてみせる」というテーマを考えたときに、歌舞伎町が目に入ったんです。楽曲や映像を作っていくうえで、歌舞伎町をもうすこし広くとらえた都会的な世界観を意識しました。
ちょっと他に無い雰囲気を作りたいなと思った結果、出来あがったのが「アブノーマルワンダーシティー」です。
──MVも含めて暗い世界観ですが、メッセージとしては「そのなかでも生きていけるぞ」ということなんですね。
mihako:
その通りだと思います。ダメな人達の下剋上のような感じで、まさに1曲目はそれをテーマにしています。「ネガティブだけど、奥にあるものはポジティブ」みたいな。
──そういった世界観は、mihakoさんが作られているすべての曲に共通していると思いました。
mihako:
そうですね。2曲目以降も、テーマ自体は似ているところがあると思います。
私の歌をうたってくれるのがウナちゃんだった
──たくさんのボーカロイドがあるなか、mihakoさんは、ここ最近ずっと音街ウナを使われています。どういったきっかけで使い始めたのでしょうか?
mihako:
それはもう率直に、純粋に好きだったんです。mihakoの歌をうたってくれるボーカロイドがウナちゃんだと思ったんです。
──それは、運命的な感覚だったのでしょうか?
mihako:
いえ、実は仮歌段階でいろんなボカロに歌わせているんですよ。「どのボカロが歌ってくれた時にいちばん自分のイメージに合うか」を試したら、偶然ぜんぶウナちゃんだったんです。
意図して選んだというよりは、結果的にウナちゃんの声が私の曲にハマったという感じですかね。
──じゃあ、コンテストの受賞曲も、他のボカロが歌った可能性はあったんですか?
mihako:
はい、ありましたね。受賞曲の「TOXIC PARTY」も、実は最後までv_flowerに歌ってもらうか悩んだんです。
──なんと! そうしたら今回の受賞もなかったということですね。
mihako:
そうなんですよ。それで、知人たちにウナちゃんバージョンと、v_flowerバージョンを両方聴いてもらったんです。そうしたら、全員ウナちゃんを選んで。これは「もうウナでいくしかない!」ってなりましたね。
──mihakoさんが作る曲と、音街ウナの声が相性がいいってことなんでしょうか。
mihako:
私が言うのも恐れ多いですけど、きっと、そうなのかもしれないです。
──音街ウナの特徴って、どういったところにあると思いますか?
mihako:
ウナちゃんの声は、ザラついている・トガっているというか、「埋もれにくい声」なんですよ。
──埋もれにくい声、というのは?
mihako:
私の曲って、バンドサウンド+シンセサイザーとか、音色が飽和している曲が多いんです。その中でボーカルの声が埋もれちゃう事が多いんですけど、ウナちゃんはしっかり声が抜け出てきてくれるんです。
そこが、他のボーカロイドとのいちばんの違いかなって思います。
──なるほど、音街ウナのイラストなどのアートワークに関してはいかがでしょうか?
mihako:
ウナちゃんって、ひねくれているというか、私的にちょっとニヒルなイメージがあると思って。そこが好きですね。
まあ、実際のウナちゃんはいい子だと思うんですけど(笑)。声だけじゃなく、ビジュアル面でも他の子より私の好きな世界を持っていますね。
今後の活動について
──今後の活動についてお伺いしたいです。何か予定されていることはありますか?
mihako:
いまは、アルバムを制作中なんです。来年にアルバムを出したいと思っています。もう少ししたら、詳細を公開する予定です。
──おお、それは楽しみです!
mihako:
もちろん、今後もボカロ投稿は続けていきます。投稿ペースもあげていきたいと思っています。
なにより私は、ボカロPのmihakoとして生きていきたいというか、大袈裟なんですけど成功したいなって思っているんですよね。
──もともと音楽制作の仕事をされていますけど、最終的にはボカロP・mihakoとしての活動をメインにしたいということですね。
mihako:
はい、それをメインでやっていきたいですね。ほかの仕事で自分のボカロ曲投稿が遅れるっていうのは、絶対にしたくないと思っています。
だから、こういう場だから言うわけじゃなく、ウナちゃんのコンテストで最優秀賞をいただいて、mihakoとして評価していただけたっていうのが本当にすごくうれしかったんです。
──本日はありがとうございました! ボカロ投稿もアルバムも楽しみにしております!
mihako:
こちらこそ、ありがとうございました!がんばります!
田中あいみさんからメッセージ動画が届きました
音街ウナの声を担当している田中あいみさんからメッセージが届きました。
まるで音街ウナが語りかけているかのようなコメント動画、ぜひご覧ください!