濡れ衣で“実質死罪”？ 『悪役令嬢が恐怖の覇王と政略結婚する罰は甘すぎませんか!?』覚悟完了の悪役令嬢がかっこよくて推せる
ゲームなどの世界観設定で、顔も登場しないのにやたらと怖い噂やヤバい異名がついた「存在するにはするらしいけど」みたいな人っていますよね。
ニコニコ漫画「FLOSコミック」にて掲載中の『悪役令嬢が恐怖の覇王と政略結婚する罰は甘すぎませんか!?』では、乙女ゲームの悪役令嬢に転生した主人公が原作未登場な隣国の皇帝に嫁ぐことになります。
極力悪目立ちせぬよう立ち回るも、結局追放まがいの命を受けることになったマリアンナ。“恐怖の覇王”と出会うことで、彼女の運命はどう変化するのか……!?
作者：せきはら（@u_sekihara）
原作：柚原テイル（「小説家になろう」マイページ）
キャラクター原案：炎かりよ（@kariyohq）
極悪ヒロインに濡れ衣を着せられる悪役令嬢
乙女ゲームの登場人物であるマリアンナ・ブリンツェラは、プレイヤーの障害になるべく用意された悪役令嬢キャラ。
どんな攻略ルートにおいても、彼女の一生は“ひどいめにあって、さよならしました。”の1行で片付けられる運命にありました。
しかし本作でのマリアンナは、「ひどいめってなんだ!!」とメタな思考を働かせており……。
何を隠そう、いまの彼女には現実世界のとあるプレイヤーの魂が乗り移っていたのでした。
このマリアンナに転生してしまったのは、山戸佐知代（やまべ さちよ）という乙女ゲーム大好き女子。
生前の佐知代は食品会社に入社するも夢半ばの25歳で不慮の事故に遭い、この世を去ります。
最期の瞬間によくプレイしていた乙女ゲームのことを回想するほど、筋金入りの乙女ゲーム愛を持っていた佐知代。
しかしヒロインのプリシラならよかったのですが、悪役令嬢役のマリアンナに転生してしまったのが彼女の運の尽き。
マリアンナの結末を知る彼女は、さまざまな工夫をこらして波風を立てぬよう努めてみたものの。
プリシラがことあるごとに濡れ衣を着せてきたことで、とうとう婚約者のユベール王太子を奪われてしまうのでした。
しかしながらこのプリシラという少女、ヒロインのくせに性格が悪すぎる……。
威風堂々、開き直るマリアンナ
そんなマリアンナに運命の時、来たる。この日に催された社交界で、ついに彼女はかのユベール王太子から呼び出されます。
以前から覚悟を決めていた彼女は「お聞きしますわ」と応じますが、内心は心臓バクバク。
それをおくびにも出さず毅然とした態度で臨む姿が、なおさら不憫に思えて切ないところです。
ユベールの話というのは、予想通り自分との婚約破棄＆プリシラとの新たな婚約のことでした。
彼女はそれをさも当然と聞き入れるのですが、王太子様は「理由を知りたいか！ 自分の胸に手をあててよーく考えてみろ！」なんて余計なことを言ってきて……。
ここまではすべて勝手にしてくれといったスタンスのマリアンナでしたが、さすがにやってもいない悪行をネチネチと糾弾されるなんてまっぴらごめん。
しかしこの場では反論も意味をなさないと腹をくくった彼女は、「身に覚えがあるかもしれません――と申しましたら？」と挑戦的な態度をとります。
これにはユベールも怒りに打ち震え、「その顔！ だいっきらいだ!!」とわめくしかなく。目尻には涙すら見えますが、それほどまでに悔しかったのでしょう。
すぐさま彼は父親である国王を呼びつけ、マリアンナを裁いてもらおうとします。この期に及んで親頼みとは、まったく情けないヤツ。
それに引き換え、あのマリアンナの威風堂々とした立ち振る舞いは見事でした。これもひとえに乙女ゲーム愛のなせるロールプレイなのか……!?
“実質死罪”の罰を与えられたマリアンナ
国王様から、（身に覚えのない）悪行に対する罰を与えられることになってしまったマリアンナ。
極刑ならばどうか苦しまぬ形で。ただ、ここまで自分を育ててくれたブリンツェラ公爵家のお取り潰しだけは勘弁願いたいと祈ります。
すると意外なことに国王は、国の役に立ってくれるなら公爵家の罪は不問にするとのこと。
ただし「国の役に立て」という言葉は、すなわち隣国の皇帝ジュリオ・ガゼルタと政略結婚せよという意味で……!?
皇帝ジュリオといえば原作ゲーム中にも登場していない、噂のみが伝わっている謎の人物。
そんな彼についた異名が“恐怖の覇王”というだけに、集まっていた貴族たちからは「実質死罪だろう」という言葉すら飛び出します。
不条理極まりない沙汰ですが、これを飲めば公爵家――家族を守るという最優先事項は間違いなく果たせる。
そう考えたマリアンナは、悲壮な覚悟で“恐怖の覇王”との政略結婚を受け入れるのでした。
かくして愛する家族から送ってもらった真紅のドレスを身にまとい、皇帝の住まう城へと乗り込むことになったマリアンナ。
腹をくくったオーラは衛兵たちが「敵襲か!?」と勘違いするほどのド迫力！ 「悪人顔でも花嫁だよ」という返しがむしろサマになっていて笑えます。
とはいえさすがに皇帝への謁見の場では、脳裏に死が過ぎって冷や汗を止められませんが……。
マリアンナが顔を上げてみれば、そこには鋭い眼光を宿しながらも甘いマスクをしたイケメンが座しておられたのでした！
そんな皇帝ジュリオを前にして、一見恐ろしげではあるが意外に気遣いのできる御方だと見抜いた彼女。果たしてマリアンナにどのような新婚生活が待っているのか!? 続きが気になった方は、ぜひ連載ページをチェックしてみてください。
（画像はニコニコ漫画『悪役令嬢が恐怖の覇王と政略結婚する罰は甘すぎませんか!?』より）
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