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武豊&羽生善治、2人のレジェンドが32年ぶり対談 目標は「凱旋門賞制覇」「藤井二冠とタイトル戦」など貴重なトークを展開【対談全文】

目標は「凱旋門賞制覇」「藤井二冠とタイトル戦」

小籔千豊:
 本当にいろいろな事を成し遂げられたお二人ですが、今後の夢や目標についてお伺いできたらなというふうに思っております。

 羽生さんからお願いしてもいいですか?

羽生善治:
 具体的なもので言ったら、最近は藤井聡太さんが非常に大活躍されているので、大舞台というかタイトル戦で顔合わせることができたらいいなということは思っています。

 将棋の世界のいい所って、ものすごく世代の離れている人とかでも同じ盤上で対局ができるということがあります。
 私も一番古いと明治産まれの先生とも対局しているので、現代の棋士の人まで対局できれば、多分100年くらいの世代の人と対局できるので、是非実現できたらいいなと思っています。

小籔千豊:
 なるほど。長くご活躍、ご健康でいれば藤井さんが偉くなったときに、指導対局していたような子がまた棋士なったりしたら本当にすごい繋がりですよね。

羽生善治:
 将棋の世界は結構その間隔が短くて、10歳くらいの小学生と指導対局をしたとしても、10年も経たないうちにプロ棋士になって目の前で対戦するってこと結構あるんです。

小籔千豊:
 タイトル戦できたりとか。

羽生善治:
 洒落にならないことがよく起こるので、その間隔がすごい短いのが面白い所ですね。

小籔千豊:
 本当それはすごいなと、そういう逸話も将棋の世界ではたくさんありますね。
 武豊さんはいかがでしょうか? 今後の夢や目標なんていうのはいかがでしょう。

武豊:
 そうですね。僕も、まだまだ騎手として頑張っていきたいですし、勝ちたいレースも一杯あります。
 特にフランスである凱旋門賞という大きなレースなんですけども、そこは具体的な大きな目標です。
 その為には今よりもっとレベルアップしていかなきゃいけないと思っています。

小籔千豊:
 まだレベルアップですか。腕前だけで言えば武豊さんはもう成長する余白なんてないのかななんて思ったりしてましたけども。

武豊:
 いえいえ、若手もどんどん良いジョッキーも出てきて皆すごく勝ちますから、同じように自分も上げていかないとなかなか大変ですよ。

小籔千豊:
 またいい馬と出会ってタイミングが合って、凱旋門賞で勝ったらそりゃもう競馬ファンは皆泣きますね。

羽生善治:
 皆泣くと思います。

武豊:
 先日、ゴルフのマスターズで松山英樹選手が優勝されて私も感動しましたね。あの姿を見たときに改めて絶対自分も凱旋門賞勝ちたいと思いました。

小籔千豊:
 なるほど。これからご健康だけは気を付けていただけたら、もう偉業を成し遂げられまくるお二人でごさいます。本当に期待してお二人を見守っていきたいなと思います。

武豊:
 小藪さんの夢は何ですか?

小籔千豊:
 いいです、いいです、僕の目標なんて! 嫁はんと仲良く85歳くらいまで生きれたらそれでいいです!

武さんは『ウマ娘』をどう思っていますか?

小籔千豊:
 では後半戦は視聴者の皆様からいただいた質問にお答えいただけたらと思います。
 質問がたくさん書かれた紙がお二人に渡されるので、ご自身が選んでいただきお答えください。

羽生善治:
 はい。「将棋では『りゅうおうのおしごと!』、競馬では『ウマ娘』等、お二人の専門分野をテーマにしたサブカルコンテンツが近年出ています。お二人はそういったコンテンツに対して驚いたこと、感心したことはありますか?」という質問です。

 これはぜひ武さんに『ウマ娘』についてどう思っているか聞いてみたいです(笑)。

武豊:
 実は『ウマ娘』は立ち上げときから少し関わらせていただいています。

 非常に斬新というか、女の子が馬になって尻尾も付いて、人間が走るように競馬場を走るという驚きというか。
 最初に見たときはちょっとシュールかなと思ったんですけど、それが今は大人気と伺って非常に嬉しいです。

 『ウマ娘』から実際の競馬に興味を持っていただく方も絶対いると思いますし、やっぱりファンが広がって競馬ということを知ってもらえるというのは嬉しいですね。

羽生善治:
 多分、それによって全く今まで競馬とは接点のなかった人たちも興味持って競馬場行ってみようとか、馬券を買ってみようという人もすごく増えたんじゃないですかね。

武豊:
 もしそうであれば本当に嬉しいことですね。

小籔千豊:
 羽生さんも将棋界の広がりを熱望されている感じですか? もっと将棋ファンが増えて欲しいとか。

羽生善治:
 そうですね。例えば、ニコニコ生放送でもずっと将棋の中継をやっていただいています。
 私がプロになりたての頃って対局室って密室の世界だったんですね。対局者二人と記録係の人と、観戦記者のライターさんの4人しかいない世界でした。

 それが今では何万人とか何十万人っていう人に見てもらえる世界になって、今まではあまり将棋に興味持ってなかった人たちにも感心を持ってもらえるきっかけを作ってもらったというのはとてもすごくありがたいことだなと思っています。

小籔千豊:
 そうですね。ネットとかアプリとかそういう広がりによって、将棋も競馬も広がり見せていますもんね。

競輪で負けたときは無茶苦茶悔しい!

小籔千豊:
 それでは同じように武豊さん、質問の中から一つ選んでいただきましてお答えいただけますでしょうか?

武豊:
 「羽生さん武さんは勝負の世界に身を置かれて敗北を喫したときの悔しさは想像以上だと思います。そこで将棋や競馬以外で本業以上に負けて悔しい思いをしたご経験はありますでしょうか?」という質問です。

小籔千豊:
 なるほど。お二人、あんまり負けず嫌いじゃなさそうな感じがします。
 競馬、将棋のことはそうでしょうけど、それ以外のことではのほほんとされているお二人ですから、それ以外で負けて悔しい思いなんかありますか?

羽生善治:
 ちょっとどう言えばいいんでしょうかね。
 他の勝負事をやって、勝っても負けてもちょっと複雑な気持ちになるところがあって、例えば、負けたら悔しんですけど、「ここででも運を使っちゃって将棋の方に悪影響が出ないかな」とか(笑)。

小籔千豊:
 なるほど(笑)。

羽生善治:
 負ければ悔しいじゃないですか。でも勝っても「これ良かったのかな」と。
 どっちでもなんかスッキリしないからあまり勝負事はやらないってことはあります。 

小籔千豊:
 本業が勝負師やから他所で勝負している場合じゃないという。
 武豊さんいかがでしょう?

武豊:
 今、羽生さんがおっしゃった後に言うの恥ずかしいんですけど、僕は競輪が好きで実際に車券を買うのも大好きなんですよ。

 いつもと言うわけではないんですけど、実際に競輪場に行って車券を買って応援するっていうのが好きなんですけど、やっぱり負けたというかハズレたときがもう無茶苦茶悔しくて、帰りの車とかでもしばらく愚痴というかボヤいてるときがよくあります(笑)。

 一緒に行った身近な人から「競馬の帰りにそんだけ悔しがっている姿を見たことない」って言われるんです。だからファンの気持ちが良くわかると思っています(笑)。

小籔千豊:
 なるほど(笑)。でも乗っている側と買っている側なので、そりゃ競馬のときと競輪のときと違いますからね。

武豊:
 でもファン心理は非常に勉強になりますね。

小籔千豊:
 それがプレッシャーになったりとかしないですか? 有馬記念となったとき、みんな買っていると思ったら。

武豊:
 だからもう本当に「しっかり乗らなきゃ」と思いますね。

羽生善治:
 私もすごく聞いてみたかったことで、例えば単勝で1.2倍とかめちゃくちゃ人気の馬に乗るときってあるじゃないですか。
 棋士の場合は負けたら自分の責任で全部完結するんですけど、競馬の場合ってものすごい人の期待を全身に背負うっていうか、そういう心境ってどういうものなのかなというのは一回聞いてみたいです。

武豊:
 もちろんそのレース前に自分の馬が何倍なのか目に入ったりします。
 自信があるとそれほどあんまり気にならないんですけど、全然自信がないときに例えば1.2倍とかっていうオッズを見ると「いや、参ったな」とかいうか「勿体ないな」というか複雑になりますね。

羽生善治:
 実際のオッズと自分自身の感覚のオッズは結構違ったりするものなのですか?

武豊:
 違うときもあります。

羽生善治:
 あぁ、そうなんですか。

武豊:
 でも競馬は誰かが外れれば誰か当たっているので、「本命馬が負けてもそれはそれで穴党の人が喜んでるんだろうな」とか「今日は穴党に貢献したんだな」とかすごく都合のいいように思うときもあります。

小籔千豊:
 そう思っていないとやってられないですよね。
 1.2倍とかで「ワ〜」って言われているけど、「俺、今日自信ないんだけど」と思っていたらね。そりゃあもう(笑)。

武豊:
 でも自分が競輪で負けたらめちゃくちゃ腹立ちます(笑)。

一同:
 (笑)

小籔千豊:
 話を聞いていたら、天才が人間っぽいなっていうふうな感じがありますけども。

普段は緩めて勝負所で締める

小籔千豊:
 続いて、羽生さんもう一つお答えいただけますか?
 
羽生善治:
 えーと……。「何事にも先読みして行動しているのでしょうか?」という質問ですが、私自身は普段は全く先読みはしていないです。

小籔千豊:
 そうですか。将棋以外は何も?

羽生善治:
 はい、将棋以外は。いい加減というか、あまり全部日常まで将棋の読みでやっていたら、周りにも迷惑かけますし、いろいろやりにくいと思っています。

小籔千豊:
 脳もパンクしますもんね。

羽生善治:
 そうですね、まあいい加減です。

小籔千豊:
 武豊さんいかがでしょうか?

武豊:
 はい。僕もそうです。あまり先読みしてないと思いますね。
 先日実際あって自分でも驚いたんですけど、車に乗って出掛けたのに何で出掛けたのか忘れたときがあって。

小籔千豊:
 そんなん、サザエさんですやん!

武豊:
 思い出すまでちょっと走らせていましたね。

小籔千豊:
 結局、思い出したんですか(笑)?

武豊:
 思い出しました。散髪でした。

一同:
 (笑)

小籔千豊:
 それだけレースとかに集中されているから、普段は緩めてその勝負所でキュッといくという部分がまた天才なのかもわかりませんね。

お互いの第一印象

小籔千豊:
 では武豊さん、質問を一つ選んでいただけますでしょうか?

武豊:
 「お二人の第一印象を教えて下さい」という質問です。

 これは32年前になります。僕はもちろん年齢も知っていまして、確か羽生さんより私の方が2つ上だったはずなんですけど、非常に年上に感じたというか大人だなって思いました。自分の周りにいる大人よりもすごく大人に感じてそれが衝撃的だったことを非常に覚えていますね。

小籔千豊:
 なるほど。

羽生善治:
 多分ただ単に緊張していただけだと思います(笑)。
 私は武さん最初会ったときにすごくシュッとしているというかスマートに感じました。今もそのときと体型はあまり変わっていないんじゃないかってくらい。

武豊:
 そんなことはないですよ。

羽生善治:
 騎手の方って体型を維持されていてすごいなと思いますし、スマートで爽やかという感じは最初に会ったときも今もずっと変わってないと思います。 

武豊:
 ありがとうございます。

小籔千豊:
 お二人が大体同じ歳というか、世代が一緒で、同じ時期に生きているということが本当に改めてすごいなというふうに思います。

大先輩の驚くべき行動!? 印象に残るハプニング

 質問の方まだまだいきましょうか。もう一つ羽生さん中から選んでお答えいただけますでしょうか?

羽生善治:
 はい、そうですね。「対局中、あるいは対局直前に集中を乱されるハプニングがあったと思いますが、一番驚いたハプニングは何でしょうか?」という質問です。

小籔千豊:
 あ~ハプニング(笑)。

羽生善治:
 長いことやっているといろいろあるんですけど、例えば停電になったっていうこともあって、それは15分から20分くらい急遽中断したっていうことがありました。
 あともう一つは大先輩の加藤一二三先生ですね。A級順位戦という大きな対局の夜9時くらいだったと思うんですけど、突然チョコレートを爆食いされたことがあって、余りの速さに驚きました(笑)。

一同:
 (笑)

羽生善治:
 速すぎるんですよね。信じられないスピードで食べるので思わず見入ってしまいました。

小籔千豊:
 たくさんあるハプニングの中でそれを二番目に思い出されるくらい印象的だったんですね。
 武さんはいかがでしょうか? レース中でもレース前後でも構いません。

武豊:
 そうですね、レースなんかハプニングの連続です。
 一度、フランスに滞在して乗っていたときがあるんですけど、競馬場に行くときに自分で運転していて競馬場を間違えていたことがありました。

一同:
 !?

小籔千豊:
 間に合ったんですか?

武豊:
 ギリギリ間に合いました。たまたま行かなきゃいけない競馬場とそんなに離れていなかったんです。

小籔千豊:
 助かりましたね〜!

武豊:
 競馬場に着いたら「あれ、今日は静かだな」「お客さんいないけど、どうしたんだろう」「関係者もいないし」と思って新聞を見直したら競馬場が違いましたね。

小籔千豊:
 あ~もう、冷や汗どころか。

武豊:
 冷や汗と、あとすごく誰かに言いたいのとで。自分一人でウケてましたね。

小籔千豊:
 余裕ありますね(笑)。

またどこかで対談するときが……?

小籔千豊:
 ということで残念ながらそろそろお時間となりました。
 お二人に感想を聞いていきたいと思いますが、武豊さん、本日対談いかがでしたでしょうか?

武豊:
 あっという間でした。羽生さんのお話は引き込まれるというか、大学の教授のお話を聞いているような感覚になりますね。

小籔千豊:
 また何年後かにお二人に対談していだきたいと視聴者の方も思っているんじゃないでしょうか。
 羽生さんは今日の対談はいかがでしたでしょうか?

羽生善治:
 久しぶりに武さんとお話できてとても楽しかったですし、ためにもなりましたし。本当にすぐに終わってしまったなというのが実感です。

小籔千豊:
 ありがとうございます。お二人はいつかまたどこかで対談するときが絶対来ると思いますし、していただきたいですね。

 最後にお二人から「これから何かを始めようとしている」視聴者の皆様に何かメッセージをいただけたらと思います。羽生さん、視聴者の皆さんに何かメッセージの方、お願いします。

羽生善治:
 今、コロナの影響もあってなかなか行動していくのが難しいときではあるとは思います。
 これは自分自身にも言い聞かせていることでもあるんですけども、まず一歩前に進んでみるっていうことが大事なんじゃないかなっていうふうに思っています。

小籔千豊:
 ありがとうございます。武豊さんいかがでしょうか?

武豊:
 おそらく若い世代の方がたくさん見て下さっていると思います。
 当たり前かもしれないですけど、自分の好きな事や夢や目標とかそこに向かって一生懸命やってもらえたらいいなという気持ちはあります。もちろん我々もまだまだ頑張っていかなきゃいけないと思っています。

小籔千豊:
 でも武豊さんから好きなものを突き詰めたらいいよなんていうのはホントにあの重みがあると思いますし、きっと元気付けられた若い人達も多いんじゃないかなというふうに思います。

 最後になりましたが、32年前の対談のときにお馬さんを挟んで2ショット写真がありました。今回は同じような構図で写真を撮らせていただければと思います。

 撮影タイム終了です。

 今回は素晴らしいお時間でした。次は32年ごと言わず、早々と対談をしていただけたらと思います。

 武豊騎手、羽生善治九段、ありがとうございました! 超JRA企画「超レジェンド対談~武豊×羽生善治32年ぶりの邂逅~@ニコニコネット超会議2021」これにて終了させていただきます。皆さんどうもありがとうございました。

▼番組はこちら▼

超レジェンド対談~武豊×羽生善治32年ぶりの邂逅~

※アカウント登録不要でどなたでもタイムシフトを視聴可能。(視聴期限は2022年4月27日23時59分まで。スマートフォンから視聴する場合、ニコニコ生放送アプリのインストールが必要)

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