事務用品メーカーの作ったアニメMVがガチ過ぎてビックリ! “May’n×大石昌良×Rabbit MACHINE”という豪華タッグを仕掛けた担当者を直撃した
※ご覧の記事はナカバヤシ株式会社の提供でお届けします。
先日、アーティストのMay’nさんの歌うアニメーションミュージックビデオ「未来ノート」が公開された。
まずは少しだけ、この30秒のダイジェスト映像を見てみてほしい。
「思い悩め 立ち止まれ。それが君の前進だから。焦らなくていいよ。つまずいていいよ」という前向きな歌詞と、May’nさんの力強い歌声。
社会人女性が日常の中で舞い踊るキラキラした映像。
疲れた仕事帰りに見ると、思いっきり元気をもらえそうなミュージックビデオだと思う。
作詞作曲編曲は、『けものフレンズ』の「ようこそジャパリパークへ」など数多くのアニメソングを手掛ける大石昌良さん。
映像はヨルシカ、神聖かまってちゃん等人気アーティストのMVを制作しているRabbit MACHINEさんが手掛けるという、アニメMVとして盤石過ぎる布陣で作られたものだ。
「豪華メンバーでMay’nさんの新曲MVを作ったのね」と思ったあなた、ちょっと待ってほしい。
実はこのMV、ナカバヤシ株式会社という設立70周年を迎えた老舗の事務用品メーカーによる、企業ブランドムービーなのだ。
失礼かもしれないが、正直、いち事務用品メーカーの仕掛けた映像にしてはあまりに完成度がガチすぎる、と筆者は感じた。
どうしてナカバヤシ株式会社は、こんな本気すぎるアニメMVを作り上げてしまったのだろうか?
その真相を確かめるべく、ナカバヤシ株式会社を突撃し、このMVを仕掛けた広報IR室リーダー・西浦さんにインタビューを行った。
東京都板橋区にあるナカバヤシのオフィスを訪ねると、西浦さんはたくさんの自社製品を持って登場した。
話を聞いてみると、このMVにはナカバヤシ株式会社の企業としての姿勢やメッセージがガッツリと込められていることが分かった。
MVを楽しんでいただきつつ、こだわり満載な作品完成の裏側を、ぜひ多くの方に知ってほしいと思う。
[PR]
──本日はアニメーションMV「未来ノート」のことを色々伺いたいと思います。よろしくお願い致します!
ナカバヤシ株式会社 西浦さん(以下、西浦):
こんにちは、よろしくお願いします。
──たくさん製品をお持ちいただいてありがとうございます。やはりノートなど紙製品が多いんですね。
西浦:
実は、後ろの壁も弊社が展開している製品(N-smart)。この透明のガラスが……。(と、スイッチを押す)
西浦:
ワンタッチで、こうやってガラスが透けなくなります。
──ええ!? すごい!
西浦:
会議をする時などは中が見えなくなるように出来る、調光ガラスといわれるものです。昨年立ち上げたばかりの事業で、積極提案中です!
──すごいのですが、ますますナカバヤシさんが今回のミュージックビデオを作られた理由が分からなくなりました……。
ナカバヤシってどんな会社?
──改めて、ナカバヤシって何をしている会社なのですか?
西浦:
よく知られているのは一般向けの文房具の製造販売ですね。
でも、それだけではなくて例えば企業様からデータをいただいて、オンデマンドでプリントしてDMを送るサービスやBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)などもやっています。あとは先ほどの会議用の壁のようなオフィス向けの提案を多く手掛けていますね。
あとは、図書館事業もやっています。
──図書館事業、ですか?
西浦:
はい、大学とか自治体の図書館の運用管理だったり、製本・資料保存なども行わせてもらってます。実は、今回のMVに登場するナカバヤシロゴが入ったエプロンを着てる図書館員さんがいるのは、弊社が携わってる図書館なんです。
西浦:
あとは、ニンニクを栽培したり、発電事業も行っていたり……。
──すごく幅広い事業を行っているんですね。 どんな会社なの?って聞かれると、一言で説明するの難しいんじゃないですか?
西浦:
そうなんですよ。よく皆さんに認知していただいているのは「フエルアルバム」や「ロジカルノート」というブランドかと思います。なので、「アルバムやノートを作ってる会社だよ」っていうのが一番伝わりやすいと思うのですが、全容を説明するのはなかなか難しいですね。
生活をそっと裏から支えている
──そんなナカバヤシさんがどうしてMV「未来ノート」を作られたのか、今のところ全然見えてこないんです……。
西浦:
そうですよね(笑)。映像自体も、最後の弊社ロゴが出るまで企業のブランディングだと全然わからないようにしています。
──本当に、「May’nさんの新曲のPVです」って言われても納得してしまうような。
西浦:
「ナカバヤシのCMを見てください」っていうような広告にしたくなかったんですよ。この映像を楽しんでもらって、副産物的にナカバヤシのことを知っていただけれたら、それ以上の喜びはないですね。
──4分半のアニメですが、社会人になって仕事に追われる主人公が学生時代の自分を思い出してまた立ち上がる、というストーリーが曲と合わせてストレートに伝わってくる、お世辞じゃなく素敵なミュージックビデオだと思いました。
西浦:
ありがとうございます。
自分の頑張った過去にまた背中を押されてこれからも頑張る、というエモーショナルなストーリーが描けたかなと思います。
歌詞にも登場する「思い悩め 立ち止まれ。それが君の前進だから。」というワードがあるのですが、実はこれ、ナカバヤシが使っている企業メッセージなんです。
このメッセージが、まさに4分半のムービーに込められてるなと思いますね。
──「思い悩め 立ち止まれ。それが君の前進だから。」という企業メッセージには、どんな想いが込められているのですか?
西浦:
ナカバヤシの製品とかサービスっていうのは、本当にいろんな場所でいろんな人に使われているんですね。
だけど、じゃあ皆さんが会社名を認知して使ってくれているかっていうと、そうでもなかったりするので「実は皆さんの生活をそっと裏から支えてるんだよ」っていうのが今の企業のポジションだなって思っていたんです。
──生活の気付かないところに、ナカバヤシの製品だったりサービスがたくさんあるっていうことですね。
西浦:
そうですね。「実はいろんな人を応援している企業なんだよ」っていうのを伝えたいと思って「思い悩め 立ち止まれ。それが君の前進だから。」という、背中を押せるメッセージが生まれました。
そして、このメッセージを通して「これもナカバヤシだったんだ!」と気づいてほしいなと(笑)。
若者にナカバヤシのことを知ってもらいたい
──今回、ブランドムービーとしてアニメのミュージックビデオを制作するに至ったのは、どういった経緯なのですか?
西浦:
昭和~平成の始めにかけては、「フエルアルバム」という、ページが増やせるフォトアルバムで多くの方に認知いただいていました。
「フエルアルバムのナカバヤシ」って言われたぐらいたくさん使って頂いていた製品だったのですが、今はスマートフォンがあって、需要がどうしても減っているんですよね。
──確かに、写真を綴じるアルバムってあんまり使わなくなったなと思いました……。
西浦:
そうなんです。
中高年層にはナカバヤシの製品として知っていただいてるけど、それ以外の若者層にとって、ナカバヤシという会社が馴染みの薄い会社になってしまってる。今後、長く成長していくためには、若年層への認知を広げることがとても重要だと考えていました。
そうした若者へのアプローチが、今回のMVの制作を決めた一番のきっかけです。
豪華メンバーキャスティングの経緯
──若者へのアプローチのためのMVを作ることが決まり、キャスティングが始まるわけですが、May’nさん、大石昌良さん、Rabbit MACHINEさんという豪華メンバーが集結しました。この経緯をお聞かせください。
西浦:
May’nさんに関しては、私個人的にもちろん『マクロスF』を観てMay’nさんの楽曲は元々聴いていたのですが、このMVのプロジェクトが始まる前からナカバヤシとの接点があったんです。
3年前、弊社のTwitterのアカウントに、May’nさんのファンの方が「May’nさんの名字、中林なんです。せっかくナカバヤシ同士だし何か面白いことしてください」というご提案をくださって。で、それに企業アカウントで返信をさせていただいたんですよね。
それにMay’nさんが反応してくださったんですよ。
ナカバヤシのファイルなど、昔から名前に惹かれて愛用してます( ˆoˆ )/中林です https://t.co/3gLIWTMstU
— May'n (@mayn_tw) April 18, 2018
それで今回、アーティストを誰にお願いしようかってなった時「May’nさんしかいない」って思いましたね。「ナカバヤシ×中林」というコラボがとても面白いし、それこそ弊社ならではの企画になるんじゃないかなと。
ちょうど今年、May’nさんが15周年というアニバーサリーのイヤーで活躍されてるということも知って。May’nさんにお声がけをさせていただいたら、「もちろんです! 」とお返事頂き決定しました。
──運命的なつながりがあったのですね! 大石昌良さんはどういった流れだったのですか?
西浦:
それはですね、完全に私がファンだったからなんです(笑)。
──ええ、そうなんですか(笑)。
西浦:
大石さんがやられていたバンド・Sound Scheduleのライブにも行きましたし、もちろん最近の手掛けている楽曲もずっと聴いているので、ダメ元でもオファーしてみたいなっていう。。自分の中で「アニメーションにぴったりな音楽を作る方=大石さん」だったので、大石さん以外浮かびませんでした。
そしたら、快くOKいただけて「え、マジで?」っていう感じです(笑)。まさか作っていただけるとは思っていなかったので、本当にありがたいことでしたね。
──Rabbit MACHINEさんはいかがですか?
西浦:
Rabbit MACHINEさんは、ヨルシカさんのMVを手掛けたのを拝見していましたし、いろんなタイプの映像を描ける方だという印象を持っていました。
今回、Rabbit MACHINEさんにお願いできれば、すごく表現の幅を広げてくれるだろうという安心と期待感もあって、お願いさせて頂きました。
──MVを拝見して、日常の中のキラキラ感が表れた映像が本当に素敵だなと思いました。ストーリーもRabbit MACHINEさんが考えられたんですか?
西浦:
ストーリーに関しては、先に曲が完成していたので私たちからは「この歌詞をイメージできる画を作りたいです」とだけお伝えさしていただいて。
ストーリー・演出の部分はRabbit MACHINEさんからたくさんご提案していただきましたね。
──MVの中に御社の製品が登場しますが、そういったセレクトもRabbit MACHINEさんにお任せしたのですか?
西浦:
もちろん「この商品は出したい」っていう話を打ち合わせさせていただきながら、Rabbit MACHINEさんから、提案頂いたストーリーや世界観との相性を考えながら決めていった感じです。
登場する製品は特設サイトでもシーンと合わせてご紹介してるのですが、実はMVには紹介してない製品も登場してたりして、細かく作り上げてくださいました。
──なるほど。せっかくなので、MVに登場する製品をちょっとご紹介いただけますでしょうか。
西浦:
まず、これはasue(読み:あすえ)というブランドの紙コップと紙ストローです。イベント会場のケータリングや飲食のテイクアウトや、企業や大学の食堂など、そういったところで使っていただくような製品です。
西浦:
弊社はDigio²というPCガジェットのブランドもやっておりまして、MVにはPCマウスも登場します。
──マウスも作られてるんですか、本当に幅広いですね。オフィスのシーンでシュレッダーも登場しますが、これもナカバヤシの製品ですか?
西浦:
はい、そうです。オフィス製品の一環ということで作っています。
西浦:
あとは、もちろん、今回の「未来ノート」というタイトルにもなったノート「スイング・ロジカルノート」「ロジカル・エアーノート」も登場してます。MVの歌詞テロップには、このノートで使われる本文罫線「ロジカル罫」が使用されてるところもポイントかと。
時間があれば原宿でリサーチ
──今回のMVは若者向けの取り組みとのことですが、以前から会社として若者向けの施策は行っていたのでしょうか?
西浦:
そうですね。
まず若者はテレビはあまり見なくなっただろうということで、ここ数年はテレビCMを減らし、長年続けていたテレビ番組へのスポンサーも止めました。
その代わりに、『君の膵臓をたべたい』、『HELLO WORLD』といったアニメ映画とタイアップをしました。『HELLO WORLD』は、実際、映画の中に製品が出てくるんですよ。
──長く続けていたテレビCMやテレビ番組のスポンサーをやめて、『HELLO WORLD』のようなアニメ映画とタイアップするというのは大きな変化だと思うのですが、社内的に反発はなかったのですか?
西浦:
反発はなかったですね。新鮮さがあるというか、「あ、こういうこともできるんだ」っていう喜びの声のほうが多かったです。
──偏見で申し訳ないのですが、「設立70年のメーカー」と聞くと、お堅い会社というか、昔ながらの硬派さみたいなものがあったのかなと勝手に思ったのですが、柔軟に新しいことに取り組める雰囲気だったのですね。
西浦:
そうですね。やっぱり時代が変わっていく中で「新しいことにチャレンジしていこう」っていう空気は会社全体にしっかりあると思います。
──「新しいことにチャレンジ」ということですが、今回のMVにしてもネット文化をしっかり理解した上で企画・挑戦されているなとすごく感じました。普段からリサーチされているのですか?
西浦:
はい、これはもう仕事柄だと思うんですけど、今、世間で何が人気なのか、やっぱりチェックするようにしてるんです。
それこそYouTubeでアニメのミュージックビデオを見かけるようになって、次に会社で何かやるとしたら、そのあたりだなっていう感覚は持っていたと思います。
西浦:
あとは、もちろん『呪術廻戦』はしっかりリサーチしています。
──それはリサーチと言いつつ……。
西浦:
はい、好きで見てますね(笑)。
──YouTubeやアニメを見たりする以外にも、何か意識してやられていることはありますか?
西浦:
僕の場合は、時間があったら渋谷とか原宿へ行きますね。竹下通りをちょっと出歩いてみたりとか。
「まだイチゴ、串に刺さってんな」みたいなことを思いながら、一応リサーチしています(笑)。
変わる時代の中で「ナカバヤシ」をどのように表現していくか
──今回のMVは若者への認知を目指して作られたとのことですか、今後企業としては、どのように成長していきたいと考えていますか?
西浦:
去年から世界は急激に変わりましたけど、そういった時代に合わせて、既存のことももちろん大切にはしつつ、いかに社会の流れに合わせて新しい事業だったりサービスを生んでいくのかを考えて実行すること。企業としては、もうそこに尽きると思います。
これまでも、時代によって形を変えながら70年続けてきた、この動きを止めないでいくことが全てかなと。
──今日ずっとお話聞いてて、歴史のある企業でありながら成功体験にとらわれ過ぎず、どんどん新しいことをやっていくっていう社風がすごく伝わってきました。
西浦:
そうですね。成功体験にずっと浸っていると、次に新しいことが生まれないですし、今のままじゃダメだなっていうので気づかされることがたくさんあります。
だから、新しいことに挑戦しつづけていきたいと常に思っています。
── これからも時代の流れを読みつつ、たまに原宿に行って。
西浦:
そうですね(笑)。しっかりリサーチして。
時代の中で、私たちがやりたい・伝えたいことをどのように表現していくのかを考えていきたいと思います。
──最後に、MVを視聴される方にメッセージがあればお願いします。
西浦:
まず、本当に一回でもいいのでMVを見てください、曲を聴いてください。
そして出来ればナカバヤシのサイトを見て欲しいです。「これ、学校や会社にあった! これ持ってた!」とか、意外と身近にいろんなことをやっている企業があるよと。それがナカバヤシなんだよ。っていうことを少しでも知っていただけるだけで本当に嬉しいです!
──本日はありがとうございました!
西浦:
ありがとうございました!
Rabbit MACHINEさんからメッセージ
視聴者の皆様に、Rabbit MACHINEさんからメッセージが届きました!
今回の企画オファーを頂いた時、
May’nさん、大石昌良さんの音楽で映像を制作できるとの事で、ワクワクしたのを覚えています。
「思い悩め 立ち止まれ。それが君の前進だから。」
口遊んで、前向きな心持ちでいきましょう。
Info
ナカバヤシ株式会社 コーポレートサイト
asueブランドサイト
ナカバヤシのにんにくサイト
ナカバヤシ 公式Twitter