駄女神はダメダメなほどかわいい法則。『信者ゼロの女神サマと始める異世界攻略』のあの手この手で信者にしようとしてくるポンコツ女神が微笑ましい
やはり異世界モノにおける女神サマは、ダメダメであればダメダメであるほどカワイイ……と思わせてくれるのがこちらの作品。
ニコニコ漫画の「火曜日のコミックガルド」にて連載中の『信者ゼロの女神サマと始める異世界攻略』は、最弱とウワサの魔法使い見習い&マイナー女神サマがくり広げる胸アツな冒険譚です。
うさん臭くもどこか憎めない女神サマとの出会いは、RPGゲーマーとしての知識と経験を武器に戦う主人公に果たしてどんな運命をもたらすのか……!?
原作:大崎アイル(@Isle_Osaki)
漫画:しろいはくと(@shiroi_hakuto)
キャラクター原案:Tam-U(@Tam_U)
微妙スキルを引いたことを察する主人公
“目を覚ますとそこは異世界でした”という、何とも心躍るモノローグから幕を開ける本作。
主人公の高月マコトは、スキー合宿の帰り道に雪崩で生き埋めとなり、異世界へと転移してしまいます。
目覚めたマコトが人を探して部屋を出てみると、外には見知った顔のクラスメイトたちが。
その中には友人のふじやんの姿もあり、彼から全員が助かったわけではないこと、そしてこの世界には“スキル”が存在することを聞かされます。
根っからのRPGゲーマーであるマコトは、いかにもな異世界ファンタジー展開に心を躍らせるのですが……。
彼のスキル判定を担当した神父は「あなたのステータスは少々……ですが!」と、非常に気がかりなセリフを残して足早に去っていくではありませんか。
どうやらハズレスキルを引いてしまったらしいマコト。彼は今日この時から、最弱の魔法使い見習いとして生きていくことになってしまいます。
ちなみにマコトが獲得したスキルの内訳は、“明鏡止水”、“水魔法・初級”、“RPGプレイヤー”の3つ。
どれも使いどころがないとまでは言えなさそうですが、チートスキルで異世界無双的な展開とはほど遠そう。
そしてやたらテンションの高いスキル説明文も、絶妙にこちらの神経を逆なでしてきます。
一方のふじやんが引いたスキルも、便利そうながら戦闘には不向きそうなスキルばかり。
堅実に商人でも目指すと語る彼から慰めの言葉を受けてもなお、マコトは「異世界……クソゲーかよ……」とつぶやかざるを得ないのでした。
ゲーマーならではの順応力を見せるマコト
運よく異世界転生を果たしたものの、微妙スキル(?)を引いてしまいテンションガタ落ちなマコト。
さらにそんな彼に対しても、この世界のルールは平等かつ無慈悲に襲いかかってきます。
なんとこの世界では寿命が可視化されており、異世界人に与えられた猶予は例外なく10年とのこと!
寿命を伸ばすためには貢献値を稼がねばならないらしく、マコトはなけなしのスキルを頼りに人助けの旅を始めることになります。
有能なスキルを得たクラスメイトたちが各所に引き抜かれていくなか、だれからも必要とされなかったマコトは完全ソロで旅立つことに。
しかしゲーマーとしては、こんな展開も燃えるところ。果たして彼は、「最高のエンディング」にたどり着くことができるのでしょうか……。
そんな不安要素しかないマコトの旅路でしたが、それを補って余りある順能力の高さが彼の長所でもあり。
地道な鍛錬と使いどころの巧みさによって、個々のスキルの弱さをカバーしていくのでした。
初の突発戦闘イベントでは、屈強なホブゴブリンに対しても勇敢に立ち向かっていったマコト。
知識はあれど実戦経験がとぼしいゲーマーにとって、雑念をカットできる“明鏡止水”スキルは非常に噛み合わせが良さそうです。
さらには“水魔法・初級”をアレンジしたオリジナル魔法を叩き込み、見事ホブゴブリンを打倒!
強い意志力と創意工夫で、最弱と評されながらも商人たちを救う大戦果を上げてみせます。
こうして人助けによる貢献値をゲットしたマコトの寿命は、若干ながらも延長されたのですが……。
その日の夜、眠りに落ちた彼は異空間にて目を覚まし、なぜか女神なる人物と遭遇することになるのでした。
信者獲得に必死すぎる女神サマ
目の前に現れるなり、いきなり「あなたを私の眷属に加えましょう」とワケのわからないことを言ってきた女神サマ。
あっけにとられるマコトを尻目に、有無を言わさず女神サマは話を進めていきます。
聞けば彼女はかなりマイナーな存在らしく、マコトが名前を尋ねても「いずれお教えします」とごまかすばかり。
しかも訳知り顔で、マコトのクラスメイトがすでに3人も死亡、もしくは消息不明になっていることを教えてくれます。
こ、これはもしや「入信しないとあなたも不幸になりますよ?」的な脅し文句なのでは……?
ゲーマーとしての勘が働いたマコトは、当然こんなウマい話などあるはずがないと警戒。
「持ち帰って検討しますね」とその場を後にしようとすると、女神サマは打って変わって非常に焦った様子で彼を引き止めにかかります。
先ほどの神々しいオーラはどこへやら。彼女、早くもボロが出てる気が。
しかもこの御方、マコトを口説き落とせないとみるや否や、彼の手を取って魅了魔法を使ってくるではありませんか!?
ちなみに彼が魅了魔法の行使に気付けたのは、スキル“RPGプレイヤー”による自己の客観視のたまもの。
なりふり構わずマコトを入信させようとかかる女神サマでしたが、万策尽きたか最終的には駄々っ子モードに。
これには思わず、マコトも「そんなことしたらスカートの中、見えますよ」と冷静にツッコまざるを得ません。
すると女神サマは、あろうことか「……見せたら信者になってくれる?」とスカートをチラリ!
こうなると、もはや色仕掛けというよりも、どうにかして信者を獲得したい必死さのほうが強いようにも感じられるところでして……。
その熱意だけは信用に足るものだと考えたマコトは、しかたなく入信を決意するのでした。
かくして泣き落としに近い形で信者をゲットした女神サマには、(いまさら遅いながらも)初対面時のような落ち着きが戻ってきたご様子。
そしてマコトに「強くなりなさい」と願いを言い残し、彼の夢の中から去っていくのでした。
大して役に立ちそうにない女神サマとの出会いが、マコトの旅路に何をもたらすのかは現状わからず終いでしたが……。
とにかく今後、彼女に振り回されることになりそうな気配だけは大いにあるところ。ふたりの冒険譚の続きは、ぜひ皆さま自身の目で見届けてあげてください!
(画像はニコニコ漫画『信者ゼロの女神サマと始める異世界攻略』より)
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