ニコニコ動画的ボーカロイドの歴史を“970,686本の投稿動画”とともに振り返ってみた
2020年12月11日(金)から、初開催となるボカロ文化の祭典「The VOCALOID Collection ~2020 Winter~」がスタートする。
期間中は、有名ボカロPによるライブやDJパフォーマンス、対談企画、REMIX楽曲制作用のStemデータ公開、そして数多くの新作ボカロ動画が集まるランキング企画など、ボカロファン必見のコンテンツを多数実施だ。
このイベントに合わせて、「ニコニコニュースORIGINALでも何かボカロ企画をできないか?」と編集部で過去のボカロ動画を見ていたのだが、
ニコニコに投稿された膨大なボカロ動画そのものが、貴重な歴史の資料なのではないか? と思い至った。
そこで、この記事では、2007年に初音ミクが誕生してから今年まで、13年分の全ての投稿動画をチェックし、下記のデータを作成した。
・ボカロ別投稿数の推移グラフ
・ボカロ別延べ投稿数グラフ
・100万回再生を突破した投稿者リスト
13年の歴史をデータで可視化してみることで、
「やっぱりミクは圧倒的だ」とか、「2010年はすごい年だったんだな」「ハチ(米津玄師)は意外と最近なのか」などなど、色々な実感を得ることが出来るのではないかと思う。
ボカロの世界を知れば知るほど、よりボカロ楽曲を楽しむことが出来るのではと思う。
あなたの好きな楽曲のお供に、ぜひ一読してもらえると幸いだ。
目次
ボカロ別投稿数の推移グラフ
ボカロ別延べ投稿数グラフ
100万回再生を突破した投稿者リスト
※本記事に記載データは全て、2020年11月1日時点のものです。
―あわせて読みたい―
・ニコニコで100万回以上再生されたボカロ動画を大公開!2007年-2020年を年代別に約700曲をリストアップ
・初音ミクの歌声を分析してみた――音響学のエキスパートがボカロに科学的視点でせまる! 周波数、波形、歌唱法…“電子の歌姫”だけが持つ魅力とは?
ボカロ別投稿数の推移グラフ
このグラフはボカロオリジナル楽曲の動画を、使用しているVOCALOID毎に集計したものだ。
まず目につくのは、初音ミクの圧倒的な安定感だろう。最も初音ミクの投稿数が多かった2011年には3万本ものオリジナル楽曲が投稿されている。
また、投稿全体を見ると、初音ミクが誕生した2007年から年々伸び続け、最も投稿数が多い2012年のボカロ動画数は11万本を超えたことが分かった。
2012年をピークに投稿数は徐々に下がっていくが、2020年は2016~2019年の投稿数を上回っていることが印象的だ。
2021年は、これまで以上にニコニコでボカロが盛り上がることになるかもしれない。
ボカロ別延べ投稿数グラフ
このグラフは、ボカロオリジナル楽曲で使用されたVOCALOIDの、2007年から2020年までの延べ投稿数を集計したものだ。
やはり、初音ミクが2位のUTAUに倍以上の差をつけて、最も多く使用されていることが分かる。
ニコニコ動画に33万曲以上の初音ミクオリジナル楽曲が投稿されているというのは、改めて初音ミクの人気を思い知らされる。
UTAUは、使用しやすいフリーソフトであること、また歌声を自由に変えられることから、多くのボカロPに好まれて使用されたのではないだろうか。
以降は、鏡音リン・レン、GUMI、巡音ルカ、KAITOなど、人気楽曲も多い有名ボカロが続く。
100万回再生を突破した投稿者リスト
2007年から2020年までの13年間で、100万回再生を突破した投稿者は258人となった。
100万再生を突破した動画は700本ほどなので、ryoさん、kzさん、じんさんなど、一部の人気ボカロPがミリオン常連となっていることを改めて実感する。
一方で、無名のボカロPだとしても、楽曲が魅力的であれば、誰でもミリオン再生のチャンスがあるのも、ニコニコ動画の魅力だと思う。
今後、これまで活躍してきたボカロPの方々の新曲を楽しみに待ちつつ、新たなボカロPの台頭にも期待したい。
■info
「The VOCALOID Collection ~2020 Winter~」 公式サイトはコチラ
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