コウモリは体調不良になると“ソーシャルディスタンス”を守るらしい! 米研究者が最新の研究で明らかにした「驚きの生態」についてゆっくり解説してみた
今回紹介する、アルファベータさんが投稿した『コウモリのソーシャルディスタンス【ゆっくり解説】』では、音声読み上げソフトを使用して、最近の研究で判明した体調不良のコウモリ同士が見せる“ソーシャルディスタンス”について解説していきます。
体調不良になると自ら仲間と距離を置く
霊夢:
コウモリは翼を持ち、完全な飛行ができる哺乳類で、コロニーと呼ばれる群れを作って生息しているよ。魔理沙:
哺乳類の中で、唯一完全な飛行ができるんだよな。霊夢:
コウモリが保有するウイルスがヒトに感染することもあり、注意が必要だけど、自然界では植物の授粉を助けたり、昆虫などを食べて生態系のバランスを取る役割もあるというよ。魔理沙:
新型コロナウイルスもコウモリ由来だとする説があるよな。霊夢:
最近の研究で、コウモリも病気になったりして体調が悪くなると、仲間と距離を取り、ソーシャルディスタンスを保つような行動をすることが分かったよ。
魔理沙:
コウモリも感染症対策をするかもしれないってことか。霊夢:
研究チームは野生のチスイコウモリに発信機を取り付けて、彼らが社会的な接触を行っている回数や頻度などを数日間にわたって確認してみたよ。魔理沙:
チスイコウモリは社会性が発達していて、大規模な群れを作ることもあるみたいだな。霊夢:
コウモリの免疫システムを活性化させ、体調が悪くなったように感じさせる薬剤を投与してみると、明らかに行動が変わり、仲間との交流も少なくなることが確認されたよ。
魔理沙:
具合が悪くなると、家で安静にして友達とも会わなくなるみたいなことかな。霊夢:
野生のチスイコウモリは社会的な動物で、具合が悪くなった個体は仲間と距離を取るようになる性質があるのだと、オハイオ州立大学のコウモリ研究者サイモン・リッペルガー氏は語るよ。魔理沙:
仲間に病気をうつさないようにするためなのかもな。霊夢:
コウモリも社会的距離を取ることにより病気の広がりを防いでいるのだと、リッペルガー氏は考えているというよ。魔理沙:
まさにソーシャルディスタンスだな。
体調が回復すると社会的な接触も元通りに
霊夢:
オハイオ州立大学の研究チームの以前の研究により、飼育下のコウモリは病気になったり体調が悪くなると、眠る時間が長くなり、動きも減少し、仲間のコウモリと過ごす時間も短くなり、仲間に呼びかける鳴き声も発しなくなることが分かっているよ。
魔理沙:
家でおとなしく寝ているみたいな状態だな。霊夢:
野生のコウモリでも、体調が悪くなった時に行動に変化が見られるのかを確認する方法を模索していたと、研究チームは語るよ。研究チームは中央アメリカに生息するナミチスイコウモリを31匹捕獲し、データを収集することにしたよ。コウモリに免疫システムを活性化させる薬剤を投与すると、数時間後には体調が悪くなるけど、本当の病気になるわけではないというよ。魔理沙:
ただ単に体調を悪くするだけってことか。霊夢:
ランダムに選んだ16匹のコウモリに薬剤を投与する一方で、残りの15匹のコウモリにはただの生理食塩水を投与し、31匹全部に、とても小さなセンサー・発信機を取り付けて巣に戻して経過を観察してみたよ。今回使用された発信機は、2秒ごとに電波を発して、5メートルから10メートル以内にいる別のコウモリに取り付けられたセンサーと連動し、両方のセンサー・発信機にデータが残るというものだよ。研究チームによると、体調が悪くなったコウモリは仲間のコウモリに近づく頻度も時間も減ることが確認できたというよ。さらに48時間が経過し、体調が回復してくると、社会的な接触も元通りになり、通常のコロニーの状態に戻ることが判明したよ。
霊夢:
合理的に行動を変化させてるな。魔理沙:
これほど明確にコウモリの行動変化が確認できたことは驚くべきことだと研究チームは語るよ。霊夢:
やっぱり病気の感染を防ごうとしているのかもな。魔理沙:
今回の研究で使われた薬剤は、本当の病気にさせるものではないので、本物のウイルスや細菌に感染した場合にどのような行動を取るのかは、さらなる調査が必要だと研究チームは考えているよ。霊夢:
今後の研究に期待だな。
体調不良の際は自ら仲間と距離を置くという知能の高さが発見されたコウモリ。さらなる今後の研究調査が楽しみですね。解説をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画をご視聴ください。
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