『コスプレイヤー・オブ・ザ・イヤー2021』各部門グランプリ受賞者インタビュー コロナ禍ならではの大掛かりな衣装制作、家族の献身的なサポートなど、印象的なエピソードも
池袋の東口エリアが巨大なコスプレ空間として開放される10月末恒例のビッグイベント“池ハロ”こと「池袋ハロウィンコスプレフェス2020」。
今年はコロナ禍ということもあり、同イベント初のオンライン開催「池袋ハロウィンコスプレフェス ONLINE コスプレ大感謝祭 2020」として、ニコニコ生放送にて盛大に行われました。
「コスプレイヤーの『来年の顔』を決めるコンテスト」として、昨年より新たなに登場した“COTY”こと「Cosplayer Of The Year 2021」もオンラインで開催され、10万人以上が見守る放送の中、各部門の最終審査及び授賞式は盛り上がりました。
ニコニコニュースでは、最終審査直後、各部門グランプリ受賞者にその喜びを伺いました。
聞き手・文/ニポポ
写真/かちゃ
▽COTY2021の授賞式の様子はこちら▽
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『コスプレイヤー・オブ・ザ・イヤー 2020』各部門グランプリ受賞者インタビュー! 喜びの声や今後の目標を聞いてみた
各受賞者からの自己紹介と喜びの声
――まずは皆さま「Cosplayer Of The Year2021」での各部門グランプリ本当におめでとうございます。
一同:
ありがとうございます!(パチパチパチパチ)
――早速なんですが自己紹介として、みなさんがグランプリを受賞された部門、お名前、キャラクター名をよろしくお願いいたします。
monster:
「スイート(女性・女装部門)」でグランプリを頂きました、monsterです。「ドラゴンボールZ」より、人造人間18号をやらせて頂きました。
monsterさん(@ponkotu_mon)
紅蓮:
「ビター(女性・男装部門)」でグランプリを頂きました、紅蓮です。本日は「#コンパス 戦闘摂理解析システム」より、ルチアーノで頑張らせて頂きました。
紅蓮さん(@bomb_gu_ren_go)
西妻:
「チェリー(男性・男装部門)」でグランプリを頂きました、西妻です。今回は「BLEACH」の、市丸ギンになります。よろしくお願いいたします。
西妻さん(@nazuma00)
あす:
「シャイニー(男性・女装部門)」でグランプリを頂きました、あすです。今日の衣装は「盾の勇者の成り上がり」のラフタリアです。
あすさん(@depressed_asu)
三毛猫教授:
「オールジャンル(オールジャンル部門※男女共通)」でグランプリを頂きました、三毛猫教授です。「モンスターハンターフロンティア」より、男性主人公のレウス装備をやらせて頂きました。よろしくお願いします。
三毛猫教授(@dxmikeneko)
Dakara:
「#コンパス部門」でのグランプリ、そして総合グランプリを頂きましたDakaraです。「#コンパス 戦闘摂理解析システム」より、ルチアーノで参加しました。よろしくお願いします。
Dakaraさん(@Dakara_10mg)
cozy:
「パッション(コスプレカメラマン部門※男女共通)」でグランプリを頂きました、cozyです。よろしくお願いいたします。
cozyさん(@cozy1215)
――各部門での優勝が決定した時の率直なお気持ちを、お一人ずつよろしくお願いします。
monster:
最初名前を呼ばれた時、聞き間違えかと思いました(笑)。
信じられない気持ちでいっぱいでしたが、去年参加したときはグランプリを取れなかったので、今年はグランプリを取れたことが本当に嬉しいです。
紅蓮:
素で「えっ」って言ってしまいました(笑)。
正直、本当に頂けるとは思っていなくて、とにかく自分のできることを最大限やって、楽しんでステージを終えたいという気持ちでいっぱいだったので、まさかあの瞬間に自分の名前が呼ばれるなんて夢にも思っていませんでした。
たぶん凄い顔晒しちゃったんじゃないかと思ってます(笑)。
西妻:
「嘘やん!」ってめっちゃビックリしました(笑)。後で映像見てもらったらわかると思うんですが、糸目キャラなのに目かっぴらいてると思います!
一同:
(笑)
あす:
嬉しかったですよね! 僕以外の2人も同じようにポージングやウォーキングを頑張っていたので、この3人の中で誰がグランプリを取ってもおかしくない状況でした。誰の名前が呼ばれても驚くことはないという中で自分の名前が呼ばれたというのは本当に嬉しかったです。
三毛猫教授:
ステージパフォーマンス審査の時に、剣がすっぽ抜けるというあり得ないミスがあったので、その凹みがデカかったんですよ! なので名前が呼ばれた時も、フラッと一歩前に出たんですが、本当に呼ばれたのか訳が分からなくなってしまって!
嬉しさと訳の分からなさが半々でした(笑)。
Dakara:
僕の率直な感想は、「この2か月の戦いがやっと終わった!」というものでした。色々あった2か月間のことを思い返し、自分が勝ったのは“みんなのおかげ”だなと思いました。
――Dakaraさんは総合優勝でもありますが、こちらの瞬間はいかがでしたか?
Dakara:
当初は総合優勝まで頂けるとは思っていませんでした。
実は一次審査から一緒に参加していた仲間や友達もいたんですが、みんな脱落してしまって、そんな仲間がまだ残っている自分に「Dakaraさん頑張ってください!」とメッセージを送ってくれたりしていたので、「絶対に負けられないな」という思いもあったんです。
その分プレッシャーも大きかったので、本当に「やっと終わった!」という思いが強かったです。
cozy:
パッション部門は二次選抜までだったので、自分の場合はみなさんより早くグランプリが決まっていたので、早めに気持ちが楽になっていたかと思います。
グランプリ決定までのラスト15分、数字がリアルタイムで上がってくる感じを緊張しながら見守っていたんですが、決まった瞬間は喜びと「やっと終わった!」という解放感、それとともに気持ち悪くなってしまいました(笑)。
ピンチをチャンスに!? コスプレイヤーのコロナ禍の過ごし方
――コスプレ業界も広いようで狭いような空間となっておりますが、お互いの面識や「一方的に知っていたよ~」「作品見てますよ~」といったことはありましたか?
西妻:
あすくんと関西勢が繋がっていたというか飲み友達です(笑)。
――あすさんは今回のカメラマンさんとも面識あったみたいですもんね!
あす:
全くの偶然で驚きました!
西妻:
あとは、Dakaraさんとは二次選抜で1位2位を争っていたので、「凄いな!」と思って見ていました。
Dakara:
いやいやいやいや! 「凄いな!」はこっちのセリフですよ。西妻さんに一瞬勝っていたタイミングがあって、「今勝ちました!」って言ったら、次の瞬間にバーンと離されまして!
西妻:
バーンいきましたね!
一同:
(笑)
Dakara:
もう「圧倒的西妻」でした!
――今大会もオンラインですが、今年はコロナ騒動もありコスプレイヤーにとっては少々厳しい年でもありました。「披露する場」の激減をみなさんはどう過ごされていましたか?
三毛猫教授:
自分はこの機会じゃないと大型の衣装は作れないと思って、今回の衣装もコロナの自粛期間中に作ったものなんです。
元々撮影用に作っていたものなので、可動が考えられていなかったんですが、このCOTYに出ると決めてから可動できるように改造しました。コロナの自粛期間がなければ仕上がらなかった大作ですね。
西妻:
僕はTikTokばっかりやってましたね。
実はしばらくやめていたコスプレ活動を今年の3月に再開したんですが、すぐコロナになってしまって……。
あす:
僕はコスプレを始めたのが去年の冬コミなんですけど、その後、コロナのせいでイベントがなくなってしまったので、レイヤーさんと繋がる機会もなくなってしまって。
それでも、たまたま12月のコスプレイベントで知り合っていたカメラマンさんが撮影をしてくださったんです。
さらにその写真を見たカメラマンさんがまた声をかけてくださったりと、レイヤーさんと繋がれなかった半面、カメラマンさんとの繋がりが増えました。
――みなさんコロナ期間をしっかりプラスに変えていて凄いですね! monsterさんはいかがですか?
monster:
私もTikTokをやったり、ニコ生をやったりしていました。TikTokの方が凄くバズったみたいで、海外の方から多くメッセージを頂きました。
今ではフォロワーさんの大半が海外の方で、翻訳は友達がしてくれています。私自身は日本語以外話せないので、TikTok Liveが出来ないんです!
――言葉が通じなくても「コスプレ」というカルチャーで繋がれるのが素晴らしいですね! 紅蓮さんはいかがですか?
紅蓮:
実は今、コロナで仕事が休業という状況なんですが、逆にこのヒマになってしまったタイミングにCOTYがあって良かったなと思っています。時間に余裕がなければ「出てみよう」とも思っていなかったと思います。
コロナで自宅にいる期間が増えて、「配信を見てみよう」という方も増えたと思うので、ニコ生で毎日配信をしてみました。ニコ生では「へんなおじさんがラーメン食ってるぞ!」ってたくさんの人が来てくれて嬉しかったですね(笑)。COTYが終わっても配信を続けて欲しいというお声も頂いたので、今後の活動の活路が見いだせたような気がしています。
cozy:
僕はカメラマンなので配信もちょっと違うかな~と。そんなこんなでコロナ期間はレイヤーさんを撮らせてもらう機会がほぼゼロだったので、今回知り合えたグランプリの皆さんには撮影させて頂けると嬉しいです。
一同:
是非是非!(大きく頷く)
――グランプリのみなさん、めっちゃ頷いていらっしゃるじゃないですか! これはいい繋がりになりそうですね!
コスプレ衣装はどうしてる!? 製作期間やコストにこだわり
――衣装に関しても触れさせていただきますが、みなさん制作期間や予算などどのくらいかけていらっしゃいますか?
紅蓮:
今回は自分で作った部分と、人にお願いして作って頂いた部分があるんですが、衣装、銃、棺と合わせると諭吉が30枚くらい飛んでいくと思います!
「こうしたい!」という強い思いがあったので、本当に妥協したくなくて、とことん突き詰めてこだわって、作ってくださる方にはだいぶ無理も言ってしまったんですが、ギリギリまで作りこんでいました。
――凄い! それが今回のクオリティとグランプリに繋がったんですね! あすはさんいかがですか?
あす:
僕は主に買う派なんですが、ネットで購入するとどうしても色味やサイズなどが「イメージと微妙に違う!」ということも多いんです。なので同じキャラクターの衣装を最大4着買ったことはあります。そうなると「作った方が安かったよね!」という思いになることもありました(笑)。
monster:
衣装はそうでもないんですが、髪の毛にめちゃくちゃお金がかかりました。
――ウィッグ……あれ、それ地毛ですか!?
monster:
そうなんです。地毛なんです。
一同:
ええええええ!!
――めちゃくちゃキレイなんでウイッグかと思ってしまいました!
monster:
衣装より髪の毛の方が期間もお金もかかってます!
三毛猫教授:
僕はコロナ自粛期間の約1か月を制作期間にしています。COTY出場を決めて、決勝は絶対この衣装で行こうと決めていたので、そこからステージで動けるように可動改造を施しているので、合わせると1か月半くらいになります。
――このクオリティで1か月半って早すぎません!?
三毛猫教授:
周りに仮面ライダー系のレイヤーが多いんです。凄いレイヤーってリスペクトを込めて言うんですが、もう「頭おかしいくらい凄い」じゃないですか(笑)。
あれを見ていたら僕も触発されて、「出来るな!」と思ってしまって。なので制作費は途中からカウントしていないと言いますか、とにかく「自分が納得できるもの」を目指して制作しました。
西妻:
決勝進出が決まってから、2週間くらいで作りました。元々は既製品なんですが、サイズが合えへんくて!
あとは原作の市丸ギンの袖丈とちょっと違うという部分も気に食わんくて。母と一緒に直しました。
一同:
(笑)
西妻:
制作費としては2万円いくかいかへんかくらい。ユザワヤさんで布を調達したり。コスプレ衣装ってどれだけ安く、どれだけクオリティを出せるかという部分にも面白みがあったりするので。
Dakara:
衣装については、これに限らず全て妻が作ってくれています。なので予算感は妻に聞いてみないとわからないです。
Dakaraさんの奥さん:
布代だけで1万5000円くらいです!
――凄い! 奥様最強のパートナーですね!
Dakara:
棺は僕が作ったんですが、それも1万円ちょっとですね。
あとは銃も木で作っているんですが、これを作るために電動糸鋸を買いました。といってもこれも2000円くらいです。
――cozyさんは衣装ではなく、カメラ機材についてお伺いしてみましょう。
cozy:
主に単焦点レンズが好きで、85mm、45mmなどをよく使っています。あとは24-35mmというSIMGAのレンズをよく使っています。
今、ボディはEOS R6を使っています。持続化給付金を使って購入しました。