『コスプレイヤー・オブ・ザ・イヤー2021』各部門グランプリ受賞者インタビュー コロナ禍ならではの大掛かりな衣装制作、家族の献身的なサポートなど、印象的なエピソードも
作品作りは「チーム家族」で
――みなさんコスプレでの写真や動画といった作品作りはチーム制で挑まれていますか?
西妻:
チーム家族なんで。
一同:
おおおおお!
西妻:
ええやろ? 家で「これ作ります」って晩ご飯中に言うて、材料どうするとか期間がどうだとか話し合ったりしますね。
少し前までTwitterとかで【宅コス注意】って注意書きして宅コスを投稿する流れってあったじゃないですか。それがコロナになった瞬間に宅コスしか出来なくなって、宅コスというジャンルになったんですね。
僕は昔から宅コスで無茶苦茶やってきたんで、その頃からチーム家族でやってます。
――いいですね~! そういった意味ではDakaraさんも「チーム家族」ですよね!
Dakara:
そうですね。チーム家族、チーム妻です!
一同:
素敵!
Dakara:
妻がコスプレのセンパイで、僕は26~27歳くらいにコスプレをはじめているんです。妻はバリバリのベテランなので、教えてもらいながらコスプレを楽しんでいます。
最初は自分的にやりたいキャラがいたんですが、衣装を作るのが妻なのでジャッジが入るんです。「そのキャラは似合わないからダメ!」って一蹴されましたこともあります(笑)。
一同:
(笑)
コスプレ衣装どれくらい持ってる!? 衣装総額はトンデモナイことに
――ちなみにみなさんコスプレ衣装ってどれくらいお持ちですか?保管とかどうしてらっしゃいます?
monster:
衣装はめっちゃ少なくて10着くらいです。
三毛猫教授:
僕も10着くらいですが、全部甲冑系なんですよ。なので160~180サイズの段ボール数箱で保管したりと置き場所が大変です。
今は友達の使っている保管場所にも置かせてもらえているので助かってます。
――衣装もそうですが、武器や小道具も制作や保管大変そうですね。
紅蓮:
私、武器とかの小道具制作は、ほぼ100均ですよ。基本的に100均とホームセンターで買えるものしか使ってません。決勝で出した写真の小道具も100均グッズで出来てます。
いかに安くいいものを作るかという時に、あんまり変な素材とか特殊なものを使うより、身近なものを使った方がよかったりするんですよね。「こんなものでこれが作れたの!?」という面白さもありますし。
日々100均でも「これ何かに使えるかな~?」という目線で見ちゃいます(笑)。
西妻:
それに付随して言うと、コロナで改めて感じたのはAmazonがめちゃくちゃ凄い! コロナで買い出しが難しくなっても、Amazonってプライム会員になってるとすぐ届いたりするじゃないですか。
もう、Amazonが「バーチャルホームセンター」みたいになってましたね。
三毛猫教授:
長物も作ったりするので僕もホームセンターはよく使います。素材で言うとライオンボード【※】と100均グッズはかなり使いますね。100均グッズの改造もしています。100均のライトや光るパーツを改造して使うとかなり雰囲気も出るので。
※ライオンボード
コスプレ用の武器や防具を作るときに使用される素材
あす:
僕は保管してる衣装50着くらいあるかも。
たまたま先日AmazonとAliExpressでこれまでに頼んだものの合計いくらになるのかな? って計算してみたんです。そうしたら110万円くらいあって……。
一同:
えええええ!!
西妻:
え!? だって去年の12月が初コスでしょ? 1年足らずで!?
紅蓮:
私、コスプレ10年やってるんで、まずこれまでの総額を計算したくないです(笑)。
一同:
わかる(笑)。
西妻:
僕も10年目。今日が10年記念日です。
――わー! おめでとうございます!
西妻:
ありがとうございます!
一同:
パチパチパチパチ
三毛猫教授:
あ、一昨日誕生日でした!
――マジですか! おめでとうございます! 今日はおめでとうだらけじゃないですか!
一同:
パチパチパチパチ
西妻:
確かに10年やってると400~500万は軽くいってるかもしれません。
紅蓮:
いってるいってる! 単純に衣装代だけでもかかってるし、それにスタジオ代、移動費も考えたらもっとかも?
地方に住んでると、遠征費だけでバカにならないですもんね!
西妻:
僕らは関西だし、紅蓮さんは九州ですもんね。
グランプリ受賞後の新たな目標は!?
――それでは最後になりますが今回の受賞を踏まえ「今後向かいたい方向性、新たな目標」など教えて頂ければと思います。
cozy:
「撮ってくれるなら誰でもいい」というカメラマンではなく、「この人だからお願いしたい!」と言われるようなカメラマンになれるように作品を作り、認知して頂ければと思っています。
monster:
今回グランプリを取らせて頂いて、海外の方にむけて日本の文化であるコスプレをドンドン広められるような存在になれたらいいなと思っています。
紅蓮:
今回すごく貴重な経験をさせて頂いて、色んな方に自分の姿を見てもらえるきっかけにもなったので、ニコ生配信も続けていければと思っています。
10年の活動で表現力を突き詰めてきた思いがあるので、決勝で「表現力」にお言葉をいただけたのは嬉しかったです。
今後はさらに自分の表現の幅を広げて、素敵な写真や作品を作り、もっと色んな方に見て頂けるようになれたらと思っています。
西妻:
今考えていることが2つあります。
1つ目は、僕、実は和太鼓をやっていて、弟は和太鼓のプロなんですよ。既に企画はしているんですが、コスプレを通して和太鼓パフォーマンスで世界に打ち出していきたいです。
もう一つはメイクやウイッグ。今コロナの状況下で初心者レイヤーさんも増えているので、コスプレのメイクやマナーを学びながら共有できるような、自分が学んだことを教えられるような環境づくりが出来ればと思っています。
――これはチーム家族に弟さんも合流ですね!
あす:
コスプレでも女装ってまだまだマイナーな趣味で、偏見もあったりするわけです。
男だからこれやっちゃダメとか、女だからこうしてというのは、やはり違うと思うので、こういった偏見を是正していけるような存在になっていきたいなと思っています。
三毛猫教授:
オフィシャルキャラの造形をやってみたいという思いがあるので、この受賞をステップに打ち出していけるようになればと考えています。
東京ゲームショウのコンパニオンさんを見てコスプレをはじめているので、いつかオフィシャルキャラの衣装も作って、モデルも自分がやって、ということが出来れば面白いなと思っています。
Dakara:
今回、審査委員長より総評を頂いた際、「作品への愛を感じた」とのお言葉があったんです。
コスプレって自己表現であったり、キャッキャ楽しんだり、人それぞれ楽しみ方があると思うんですけど、作品やキャラクターに対する「愛」と「リスペクト」が大切だと思っていて、今後もそこを突き詰めていきたいなと思っています。
自分は今年32歳なんですが、コスプレデビューが26~27歳頃です。このデビューの遅さがコンプレックスでもあったので、受賞をきっかけに「年齢をネックにコスプレを躊躇されている方」へ、「頑張ろうよ! 一緒に楽しもうよ!」と伝えていける存在になれればと思っています。
――改めまして本日は皆さまおめでとうございます!そして受賞後のお疲れのところ素晴らしい座談会をありがとうございました!
一同:
ありがとうございました!
なお、2021年には「コスプレイヤー・オブ・ザ・イヤー 2022」が開催されることが発表されました。来年度はリアルイベントの開催を目指して準備を進めていると告知されました。
続報は決まり次第、公式サイトならびに公式Twitterにて発表されます。
■公式サイト
https://coty.tokyo/
■公式Twitter
https://twitter.com/coty_cosplay
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