『コスプレイヤー・オブ・ザ・イヤー 2020』各部門グランプリ受賞者インタビュー! 喜びの声や今後の目標を聞いてみた
池袋の東口エリアがコスプレイヤーに大開放される10月末の風物詩、“池ハロ”こと「池袋ハロウィンコスプレフェス2019」(10月26日・27日開催)が今年も華々しく開幕となりました。
今回は新たな試みとして、「“2020年の顔”となるコスプレイヤーを決める」コスプレ界の新たなアワードコンテスト「Cosplayer Of The Year」が同時期に開催。初日(26日)には中池袋公園にて各部門の最終審査及び授賞式が開催され大きな盛り上がりとなったため、早速各部門グランプリ受賞者をお招きし、その喜びを伺いました。
▽COTY2020の授賞式の様子はこちら▽
各受賞者から喜びの声
――まずは皆様、この度は「Cosplayer Of The Year」での各部門グランプリ本当におめでとうございます!
一同:
ありがとうございます!
――各部門での優勝が決まったときの率直なお気持ちを、お一人ずつ教えて下さい。
所詮千尋:
今回ありがたいことに1次予選2次予選と、ずっと上位のままグランプリを撮らせて頂くことが出来ました。
皆さんの熱い思いを胸に刻み、自分を信じながら「楽しむぞ」そして「楽しんでもらうぞ」という気持ちが実ったのかなと思っています。本当にありがとうございました!
雛森ひな太:
最初は自分の記録や記念になればいいなという小さな思いだったんですが、気がつくと接戦の上位争いに加わっていました。コスプレ歴もまだ1年位、さらに女装は最近始めたばかりと日も浅いので心が折れたりもしたけど、負けず嫌いな一面が出てきて、元々好きだった「男の子に守られるんじゃない女の子キャラ」に自分もなれるんじゃないかと気持ちを切り替え、ここまで来ることが出来ました。
たくさんたくさん背中も押してもらえたので、男性の女装というものにつきまといがちな偏見をなくしていけるよう、これからも大切にコスプレをしていけたらと考えています。
あさめあこ:
#コンパスはまだまだマイナーと感じる人も多いジャンルなので、総合優勝まで頂けるとは本当に思っていませんでした。
投票イベントってコスプレイヤー自身が頑張れることが少なかったりするじゃないですか。それでも自分の頑張れるポイントを見つけたくて、どうやったら頑張っている姿を届けられるのかなと、仕事の後にニコ生の毎日配信を続け、すっぴんや色んな姿、見苦しいと思われてしまうかもしれないところも全部見せて頑張りを全力で表現してみました。
そして「頑張ったから優勝できた」って今思えているので、応援してくれたみんなと一緒に走ってこれた結果なんだと思っています。本当に嬉しいです!
霧野:
しゃべることがちょっと苦手なんですけども、正直まだ実感が沸かないというのが本音です。ここでこうしてみなさんとしゃべれてること、ここに立っているということがまだ信じられていません。夢なんじゃないかとすら思っています。
こういうコンテストにエントリーしたのは初めてだったんですが、「1人じゃダメなんだな」ということを痛感する貴重な経験になりました。みなさんの応援があったからこそ、今こうしていられるので、「こんなにも温かい世界に私はいるんだ!」と感激しています。
HIKARU:
今回グランプリを頂けたという光栄に対して、自分がしてきたことって「写真を上げた、ニコ生をした、自分のやりたいコスプレをした」ということ、「俺このキャラがやりてぇ!」って好きなことをしただけなんですよね。
やっぱり応援してくれるみんながグランプリを取らせてくれたという感覚が強いです。
最終選考のステージでは、そんな応援してくれる人たちが、初めて見る人が楽しんでくれればいいなという気持ちで挑みました。なので、これまで積み重ねてきた微々たるものや、気持ちが伝わって人の心を動かせたのかなと思っています。本当にみなさんの応援に感謝しています。ありがとうございました!
Si:
カメラマンがコスプレコンテストで競い合うってなかなか無いと思うんですけど、カメラマンが頑張れることも少ないと思うんです。
レイヤーさんがコスプレ衣装を作ってくださったりして頑張っているので、「レイヤーさんが頑張っている姿を収めている」という気持ちでいます。私はシャッターを押しているだけと。
それでも自分のこだわりはあって、「2次元のキャラクターが3次元にいたらこんな感じになるのかな」というイメージをレイヤーさんとすり合わせながら撮るようにしています。
今回のコンテストに関しては「絶対に負けてしまう」という思いも強かったんですが、それでも負けずに「自分の好きなものを投稿していこう」と考え行動した結果がグランプリに結びついたのかなと思っています。
コスプレは『FINAL FANTASY XV』シドニー・オールム
受賞者同士の仲がいい!? コミュ力高すぎ問題!?
――この座談会形式の受賞者インタビュー前には皆さん既にワイワイやってらっしゃいましたが、全員コミュ力高すぎですよね!
雛森ひな太:
ここ(あさめあこ[#コンパス部門]・霧野[女性・女装部門])と女子会してました(笑)。
一同:
(笑)
HIKARU:
そうなんですよ。受賞者のもう一人の男(雛森ひな太)がどうみても男じゃないんですよ(笑)。逆に所詮千尋さん(女性・男装部門)との方が男同士でしたよね。
一同:
(笑)
――今回のコンテストの特徴でもありますが、審査に「スピーチ」があります。やはりみなさんグランプリ受賞者ということでお話が上手ですよね。
霧野:
いや~!めっちゃ苦手ですよ!
HIKARU:
もう緊張しすぎて終わった後、気持ち悪くなりましたよ(笑)。
雛森ひな太:
ステージで「何言おう何言おう何言おう」ってなっちゃって、結局考えてきたこととは違う今思ったことをバーっと話しました。
――え!? あの素敵なコメントがその場でスラスラ出てきたんですか!? 政治家目指したほうがいいかもしれません!
一同:
(笑)
Si:
私はカメラマン部門ということでパフォーマンスもなく既に優勝が決まっていたので、ステージ裏でみなさんの状況を見ていたんですが、もうめちゃくちゃ緊張してるんですよ!大丈夫かな!?この人ステージに上ったら泣いちゃうんじゃないかなって。
でも、みんなステージに上がると「コスプレイヤーという表現者」になるので、キラキラしてましたね。
あさめあこ:
Siさん、凄い私のこともママみたいに励ましてくれて(笑)。千尋さんも凄く励ましてくれました。
所詮千尋:
本当にみんないいもの持ってるのに、緊張しちゃってそれが出せなくなるってもったいないじゃないですか。私も自分の番が終わってたんで、あこちゃんに「こうするといいよ~」とか励ましたり出来たんですけど、自分の時にはやっぱりステージ袖で緊張しました。
1分半のスピーチでしか自分を出すチャンスがなかったので。その限られた中に起承転結も入れなければと考えていたので、私は台本書きました。
一同:
えぇ!?(どよめき)
所詮千尋:
ストップウォッチも持って練習もしましたよ! 段落を分けたりもしましたし、みんなの顔を見ながら話すよう心がけました。
霧野:
私もみんなの顔をみようと心がけたけど、めっちゃ怖かった!キラキラした目で見ててくれたから(笑)。
雛森ひな太:
自分は「見に行くね~!」って言ってくれてたフォロワーさんとかがステージからたくさん見えて、それで安心することが出来ました。
――みなさんのその絆って今日の戦いの中で生まれたものなんですか?
あさめあこ:
そうだと思います。
所詮千尋:
だって、ほぼ今日が初対面だもんね。
雛森ひな太:
今朝なんか誰もわからなくて、知り合いもいなくて、話す相手もいないし。
あさめあこ:
みんなすっぴんだし(笑)。
所詮千尋:
すっぴんだと誰が誰だかわかんない!
一同:
(笑)
所詮千尋:
だから終わった後にみんな肩の力抜けたのか話しやすくなって。
雛森ひな太:
最初は話しかけて「チッ」とかされたらどうしようと思ってたけど、「お写真いいですか?」「お疲れ様でした~」って声を頂いた時に安心して、そこから一気に打ち解けた感じですね。
あさめあこ:
今回みんな優しくて良かったです。出演者どうしがバチバチしてるコンテストがあるって話も聞いたことがあったんで。
ウチは可愛い子が好きなんで、コンテストに残ってる子って基本的に可愛いじゃないですか。仲良くなりたいな~と思ってたので、みんな話しかけやすい人で本当に良かったです。
コスプレは『刀剣乱舞』大倶利伽羅
独学カメラでグランプリ!コスプレとは縁の深いカメラマンとは!?
――コンテストのお話が出ましたが、今回のコンテストにはコスプレカメラマンさんの部門も新しい切り口でした。Siさんはカメラをどこで学ばれたのでしょう。
Si:
独学です!
一同:
えぇ!? 凄い!
Si:
学校とかも行ったことないですし。YouTubeで写真の撮り方を教えてくれる動画見たり、カメラ詳しいおじちゃんに聞いてみたり、本を買ってみたりして「こういう手法があるんだ」「これ試してみよう」って新しい機材を買ってはレイヤーさんを撮らせてもらい練習を重ねていました。
九州で撮影活動をしております、Si(スイ)と申します。自然光を愛し、ストロボを唸らせる事が大好きです。いいロケーションのためなら全国どこへでも旅立ちます!📷💕✨#カメラマンプロフィール #コスプレイヤーさんと繋がりたい #カメラマンさんと繋がりたい pic.twitter.com/ffmJMAZRTb
— Si▷27.BULAYKOu! (@supica_5) August 7, 2019
――Siさんであれば被写体となるレイヤーさん選び、レイヤーの皆さんであればカメラマンさんとの出会いってどうしていますか?
霧野:
私は一緒にコスプレをしてくれる知り合いもカメラマンさんの知り合いも少ないので、Twitterに「この作品撮りたいな~」ってつぶやいてみます。それに「撮らせて欲しいな~」って言ってくれる方が現れると、「じゃあ、撮ります!?」って(笑)。
――撒き餌的な感じで集まってきたカメラマンさんを一本釣りなんですね!
霧野:
逆もあります。「この作品撮りたいな~」というカメラマンさんのツイートに、「それやりたいな~」ってリプして、「是非に!」ってパターンも。
雛森ひな太:
自分はコスプレ歴も浅くてそこまで知り合いも多いわけじゃないんですけど、一番大切にしている「人とのつながり」で選んでいます。
どれだけ新しいカメラでキレイでも、どれだけ技術があって魅せ方をわかってても、「好きだから」という気持ちが一緒に混ざらないと楽しい大切な作品にならない気がしていて。
コスプレって写真を撮って上げてっていうだけじゃなくて、その工程が一つの作品になって、その人と積み上げた時間って凄く大事なものだから、「こういう話ししたよね」「こういうことが出来たよね」「また是非撮らせて」という関係性が重要だと思っているので、カメラマンさん選びは「一緒にいて楽しい人」がいいですね。技術に関しては自分もカメラマンさんも成長の過程なわけなので、一緒に見つけていければ、一緒に成長できればと考えています。
HIKARU:
素晴らしい! そこまで考えてる人なかなかいないよ? 僕なんか三脚で自撮りっすよ!
一同:
かっこいい!
HIKARU:
男って撮ってくれる方も少ないんですよ(泣)。
所詮千尋:
私も自撮り派です。撮りたい1枚を撮るってタイプではなくて、動きを撮りたいんです。コスプレしたらパフォーマンスをしたいので、カメラに向かってずっと無言で踊り続けるって感じで撮ってます。
同じダンスでもやっぱりキャラクターが違えば表現方法も、しぐさも、表情も変わってくるので。それを演じ分けるのにハマっちゃって1人で20キャラもやってしまいました(笑)。舞台役者やってるもので、楽しくて楽しくて仕方なくなっちゃったんですね。
――千尋さんの場合、最終的に地球に1人取り残されたとしても楽しくやっていけちゃいそうな気すらしますね!
所詮千尋:
全部自分だけど!
一同:
(笑)
コスプレは『鬼滅の刃』煉獄杏寿郎