亀田興毅がAbemaTVで素人と戦った理由は“ボクシングへの恩返し”「プレッシャーで眠れなかった」と当時の心境を吐露
5月7日に行われたAbemaTV1周年記念企画『亀田興毅に勝ったら1000万円』について元プロボクサーで日本人初の3階級制覇を成し遂げた亀田興毅さんが、MCのやまだひさしさん、アシスタントの加藤純一さんと共に語りました。
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一度、オファーを断っていた
加藤:
最近の亀田さんと言えば、5月7日に行われたAbemaTV1周年記念企画「亀田興毅に勝ったら1000万円」に延べ1300万人が視聴し、サーバーがダウンする程でした。
やまだ:
俺も見ていたんだけど、試合開始くらいから見れなくなっちゃって、ふざけんなよ! って(笑)。
加藤:
凄かったですよね。
亀田:
正確には1420万人なんですけどね(笑)。
やまだ・加藤:
おぉ~! 凄い!
やまだ:
率直に、オファーが来た時はどうだったんですか。
亀田:
最初、断っているんですよ。リスクしかないじゃないですか。相手は素人さんやし、自分が勝っても、当たり前って言われるじゃないですか。負ける事はないですけど、万が一負けたら、今まで自分が築き上げてきた物を全て失う事になる。
やまだ:
ただ失うだけじゃないですもんね。
亀田:
他の世界チャンピオンの人達にも、失礼じゃないですか。「ボクシングの世界チャンピオンって、こんなもんなんや」って思われるわけですよ。そうなると、ボクシング界にとっても、大きな損失になるし。自分もここ1年半は全くトレーニングをしていなかったから、(そのような状態でファイトをするのは)意味がないなって。ちょっと自分もしんどかったしね。
やまだ:
またトレーニングしなきゃいけないもんね。
亀田:
第三者として、客観的にこの企画を見てみたんですよ。「これ、海外版で考えたら何なんやろう」って凄い大きい妄想をした。海外の世界チャンピオンって、いっぱいいるけれど、例えばマイク・タイソンと黒人のストリートファイターが闘って、1億円マッチとかなら面白いんかな、とか。
やまだ:
もし、それがあったとしたら……。
亀田:
面白いやんけ! って(笑)。
一同:
(笑)
亀田:
自分なんかは全然大したことはないけれど、なかなか面白いやんって思って。これをきっかけに、ボクシングに全く興味がなかった人に、ちょっとでも(面白さを)広められるんじゃないかなって思ったんですよ。今まで築き上げてこられたのは、ボクシングのお陰なんで。ボクシングにちょっとでも恩返しが出来たらと思って。
やまだ:
ちょっとリスクを背負ってでも……。
亀田:
まぁええか、行ってまえ! って(笑)。でも、そこでまず失敗ですよ。本番まで3週間ちょっとしかなかった。トレーニングを始めた次の日、軽く走っただけなのに、体が動かないんですよ。たったそれだけで、全身バキバキの筋肉痛ですよ。その時、引き受けて後悔しましたね(笑)。
やまだ:
あれだけ現役の時に鍛えて苛め抜いた体でも、ちょっと休んだだけで、人間の体ってそうなっちゃうんだ。
亀田:
さすがに1年半(のブランク)はキツいですよ。もう戻らないです。
戦闘モードに入っているから、思いっきりバチーン! って入れた
亀田:
1回戦のホストの彼(神風永遠さん)とやった時は、自分も1番イメージ通りだったんですよ。とはいえ、体も衰えているので、全然でしたけど。でも、あの時は1番パンチ力があったんです。
やまだ:
それでKO勝ち。
亀田:
彼は一番可哀想なんですよ。思いっきり(左フック)入ってたでしょ。1試合目やし、自分も緊張感MAXやし、物凄いテンションも上がってたし、戦闘モードに入っているから、思いっきりバチーン! って入れた瞬間、「うわぁ……」って思った。(対戦相手の)口から思いっきり血が出てたし。申し訳ないなって。
一同:
(笑)
亀田:
2戦目のYouTuberのジョーは、元々ボクシング経験者。まだ、その時は(自分の調子も)良かったんです。試合の終わりくらいに、足をつったんですよ。そこから控室でずっとアイシングをしまくっていた。
やまだ:
まさか、そんな事になるとは思っていなかったでしょ。
亀田:
思ってないですよ。簡単に行けるかなって思っていたけど、足が動かない時点でパンチ力が半減するんですよ。3回戦、4回戦の時はもうパンチ力がなかったです。要所要所で対応しましたけれどね。
やまだ:
もっとイメージでは、パパッと……。
亀田:
イメージはいくらでも出来ますよ。でも、現時点での自分の実力はあそこまでなんです。