あるマンションで起きた“死体遺棄事件”を大家が隠ぺい。事故物件だと知らせずに部屋を貸した、横浜の悪徳大家を大島てるが紹介
殺人、自殺……様々な理由により、いわくつきとなってしまった事故物件を徹底的に語り尽くすニコニコ生放送番組「事故物件ラボ」。番組にはMCとして事故物件公示サイト「大島てる」管理人の大島てる氏と、事故物件住みます芸人の松原タニシ氏のふたりが出演。ゲストには怪談ライブBarスリラーナイトの匠平さん、村上ロックさんが登場しました。
番組コーナーでは、大島てる氏が、横浜市と川崎市の事故物件を特集。寿町と日進町のドヤ街や、借主は生きているのに事故物件になった部屋、貸主も事故物件だとは知らなかった部屋など、さまざまな事故物件を紹介しました。
※本記事はニコニコ生放送での出演者の発言を書き起こしたものであり、公開にあたり最低限の編集をしています。番組は3月22日に収録されました。
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遊びに来た友達が自分の家で自殺
大島てる:
川崎のでひとつ挙げるなら、これが真っ先に思い浮かぶ印象的な事故物件です。
何の変哲もない普通のアパートなんですが、ある女性の家に遊びに来ていた友達が、部屋主が留守にしている間に風呂場で勝手に自殺したんです。
匠平:
最悪ですね。
大島てる:
失恋で話を聞いてほしいという友達を家に呼んで夜通し話し込んだ。次の日、部屋の主は仕事で会社に行く。友達は「家で待ってる」ということで、ひとりになった途端死んじゃって、部屋主が帰宅するまで見つからなかった……といった想像をしています。
松原タニシ:
その部屋主は、そのあともずっと住んでいるんですか。
大島てる:
もう10年以上経ってますから、いまはもういないでしょうね。友達が自殺したってことがきっかけかどうかわかりませんけど。
松原タニシ:
友達が自殺したあと、元の住人はそのまま住み続けても事故物件になるんですか?
大島てる:
事故物件ですよ。
松原タニシ:
たとえば、最初の住人が友達が死んだあと1年住んでから引っ越した場合、次に住む人へ告知義務はあるんですか。
大島てる:
実際に裁判で争われた例っていうのは聞いたことがないですが、普通に考えたら告知義務はあるでしょうね。
でも、大家からすれば「責任をもってあなたが住み続けなさい」みたいなことを言われるかもしれないですね。「あなたが今出て行ったら、気持ち悪がって誰も住んでくれないじゃない」というようなことを言われても、おかしくないでしょう。
松原タニシ:
国土交通省の有識者会議で決めてくれるんかな。
大島てる:
これはレアなケースなので、「こういうケースはこうです」とガイドラインを策定したとしても、あまり使える場面は多くない気もします。
貸主も事故物件だと知らないパターン
大島てる:
続いて川崎をもうひとつ。
URの物件なんですが、殺人事件現場として「7号棟」であったことしか分からないんです。何階かも、何号室かも書いてない。私はいまだに現場がわかりません。
このURの物件なんですが、かつて中国人が住んでいて、その男が別の中国人の女性を殺したんです。殺して河川敷に捨てたんですね。河川敷でご遺体が見つかったので、警察が捜査したんですけど、結局犯人が見つからなかった。
それからだいぶ経ってこの殺人犯がやっと捕まったのは中国ででした。中国の警察は厳しいですから、ゲロって「日本に住んでいた時に、川崎のUR団地で中国人の女性を殺しました」と白状した。
ただ、その供述をした時点で事件からかなり時間が経っていましたから、普通に入居者募集をした後でした。
そうすると、その部屋の入居者は、殺人事件現場だと知らされずに、そして家賃も安くしてもらえずに住んじゃったということになるわけです。それは日本の警察も発表していなかったわけですから、URがいくら嘘をつかない正直に告知する業者だといっても、知らないものは言いようがないです。
レアケースであることに違いはないんですが、「不動産業者あるいは大家が情報を全部出しても、事故物件だと知らずに住んでしまうことはある」ということです。
松原タニシ:
その部屋で殺人事件が起きても、事件自体が発覚していなければ、その物件は次の人が普通に住む可能性がある。
大島てる:
そのとおりです。そして何年も経って「私がやりました」「昔、住んでいたあのアパートで殺したんです」と白状する。それでやっと全部明るみに出るということがあるわけです。
松原タニシ:
何も言われないからといって、確実に事故物件じゃないとは限らないってことですね。
大島てる:
それは不動産屋が悪いとか、そういう話ではないということなんです。
松原タニシ:
なるほどな。これは嫌な話ですね。
死体遺棄事件を隠ぺいした、アブナイ悪徳大家
大島てる:
次は横浜で印象的な物件をひとつ紹介します。10年ちょっと前に、このマンションの305室で死体遺棄事件がありました。ティーンエイジャーの女が家族にも知られないうちに妊娠をして、出産までしてしまったんです。
松原タニシ:
家族と一緒に住んでいて、ですか。
大島てる:
はい。実家で、しかも女きょうだいもいるのに気づかなかった。ヤンキーでダボダボの服を着てるっていうのもあって、お母さんも気づかなかった。
松原タニシ:
着てても妊娠してるってわかるよ(笑)。
大島てる:
特に母親とか女きょうだいとかは気づきそうなものですけど、気づかなかった。誰にも言えずに風呂場で出産して、しかも死産だったんですね。いずれにしてもヤバいということで、遺体を押し入れに隠したんです。
松原タニシ:
風呂場で出産したんですか?
大島てる:
家の風呂場だと思います。殺したわけじゃないんですけど亡くなってしまった。とはいえ、ちゃんと手続きを踏まなければ死体遺棄事件になってしまうんですが、もうそれどころじゃない。とりあえず押し入れに隠しちゃえ! と突っ込んだわけです。でも時間が経つと、腐敗して悪臭を放つようになった。
産んだ母親自身がこのままどんどん臭くなっていったらいつか家族にバレるだろうと思って、近くのコインロッカーに捨てたんです。
そうして、コインロッカーの管理会社が遺体を発見して、事件が発覚しました。
赤ちゃんの遺体がコインロッカーから見つかったということで、テレビでも報道されました。でも死体遺棄のスタート地点であるマンションは報道されなかったんですね。
そこで私がこのマンションの305号室だというところを特定してサイトに載せたところ、「そもそもこんな事件が起きてないんだ」「デタラメだ」と大家から訴えられたんです。
松原タニシ:
「嘘の情報を載せやがって」っていうことですよね。
大島てる:
そうですね。そこで私がしっかり裏を取っていることを示すと、今度は原告側が作戦を変えてきたんです。
「そういう事件はあったかもしれないけれども、コインロッカーが死体遺棄事件現場であって、このマンションはスタート地点に過ぎない。腐る前というか、悪臭を撒き散らす前まで、押し入れの中に入れていただけなのだから事故物件じゃないんだ」
なんて苦しい言い訳をしたんですけど、当然そんなことは裁判では通用するはずもなく、原告が敗訴したんです。
匠平:
なんだか独特の怖さがありますね。
大島てる:
「安ければ事故物件でもいい」っていう人もいると思いますが、これは同じ家賃なわけですよ。家賃を下げたら事故物件だってバレるんですから。家賃が下がってない、嘘もつかれたということであれば、やはりそれは腹が立ちますよね。
松原タニシ:
「大島てる」サイトは、「嘘をつく大家は危ないよ」というのを伝えるのが目的のひとつでもありますよね。
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