名作サバイバルホラー『The Last of Us』。映画を観ているような気分にさせる演出を、ガチ解説した動画が深い!
ゲーム史に残る名作とする声の多い、アクションサバイバルホラーの金字塔『The Last of Us』。
発売当時の水準としては最高峰といっても過言ではないグラフィックや、プレイヤーを物語の世界へ引き込む演出の数々から高い評価を受けるPlayStation 3の名作です。
9月25日には続編となる『The Last of Us Part II』の発売日が決定。10月のPlayStation Plus会員特典としてリマスター版の大幅ディスカウントが行われている、今がアツいタイトルです。
今回ご紹介するのはそんな激アツの『The Last of Us』の魅力に迫った動画、ゲーム夜話さん投稿の『【ゲーム考察】ラストオブアス-ゲーム夜話【第13回-前編】』。
『The Last of Us』を「3Dゲームの到達点のひとつ」と評価するゲーム夜話さんの動画から、プレイヤーを『The Last of Us』の世界へと引き込むこだわりの演出をご紹介します。
※本記事には『The Last of Us』のネタバレが一部含まれます。ご了承のうえで御覧ください。
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続きを気にせずにはいられない!絶体絶命のシーンを最後まで見せないニクい演出
ほぼ一本道を進むレールゲームの『The Last of Us』ですが、演出作中には物語の“推進力”を高めるためさまざまな工夫やアイデアが施されています。
そのひとつが「クリフハンガー的演出」を利用した緊張感の演出。
クリフハンガー的演出というのは、「物語の続きが気になるタイミング」で区切られる演出のこと。最もわかりやすい例に、主要キャラクターが絶体絶命のシーンで物語を中断する演出があります。
『The Last of Us』では、このような「クリフハンガー的演出」を応用した演出も多く、重要な情報がプレイヤーに示される際には、多くの場合“トラブル”が発生します。
例えばストーリーの序盤、エリーの重大な秘密が明らかになるシーンでは、軍隊によって拘束されるトラブルをきっかけに、ジョエルとテスに問い詰められるエリー。
何とか危機を脱したものの最悪命を失いかねない状況で「ハメる意味ないでしょ」と訴えるエリーと、即座にその訴えを否定するジョエル。
そこに軍隊の追手が現れ、エリーの運命が定まらないままプレイヤーは追手から必死に逃れることとなります。
しばらくの逃亡劇の末、エリーの話を聞いたテスは反対するジョエルを退け、議事堂までエリーを送り届けることを決断します。
これはまさに「クリフハンガー的演出」を応用した演出であり、問題を宙に浮かせたままその後の展開を不明確にすることで物語に緊張感を生じさせているのです。
緊張と安堵のシーンに時間的猶予を設けながら状況が変化することで、テスの決断には説得力が備わり、同時にプレイヤーの興味も持続するような作りになっています。
映像を「見ているだけ」のシーンを減らした、映画的ゲームとしてのこだわり
動画では『The Last of Us』はなるべく「プレイヤーの手を止めない」こと、「ゲーム内の時間を止めない」ということを意識して作られたのではないかと考察されています。
作中では見るだけのムービーは適度に抑えられ、キャラクター同士の会話が歩きがてらに行われるのも、ゲームをスムーズに進行させるための工夫とのこと。
プロローグでは、切迫した叔父からの電話を発端にプレイヤーに操作が委ねられ、新聞やテレビ中継など段階的な関節描写を積み重ねながら不安感をサラと共有していきます。
プレイヤーの操作と共に世界の異変が娘のサラを通じて提示されていくこの演出は、映画的な作品でありながらプレイすることを意識したもののようです。
操作感すら演出の一部。キャラクターの”手”が、まるでプレイヤーの手のような感覚に!
複雑でバリエーションに富んだ地形を進んでいく『The Last of Us』ですが、その中に臨場感や没入感を演出する要素があります。
その要素が「納得感」のある動作。本作では操作感すらも没入感を演出する一部なのです。
動画ではこの納得感を引き起こすのは、キャラクターの”手”であると考えられていました。
ゲーム中に操作するキャラクターが壁や遮蔽物に近寄ると、キャラクターの手は磁石のように壁に吸い付き、自分が壁に触れたような感覚を演出。
これに精巧なビジュアル、足音や息遣いなどの効果音が組み合わさることにより、臨場感が増し没入感が高まるようになっています。
動画では今回ご紹介した演出を始め、プレイヤーを作品の世界に引き込むさまざまな要素に触れられています。続編『The Last of Us Part II』の発売を前に『The Last of Us』では一体どんな演出がされていたのか、ぜひ動画でご確認ください。
※中編、後編にはゲームのストーリーに関する重大なネタバレが含まれております。ご視聴の際はご注意ください。
文/富士脇 水面
【ゲーム考察】ラストオブアス-ゲーム夜話【第13回-前編】
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