歴代「僧侶枠」アニメを全部見て“隠しアイテム”の出現数をカウントしたら驚きの結果に!? ディフェンスに定評のある「僧侶枠」の隠しテクニック
「僧侶枠」
おもに「ComicFestaアニメ」の枠で放送されるちょっとだけエッチなショートアニメを指す際に用いられるこの言葉(「僧侶枠」の詳細はコチラ)。
そんな「僧侶枠」で2019年4月から放送されている『洗い屋さん!~俺とアイツが女湯で!?~』はご覧になっただろうか? もともと放送前から期待はしていたのだが、予想を遥かに超えて“攻めている”アニメとなっていた。
上記の画像は一応通常版のものなのだが、こんな過激な内容をとくに年齢規制せずに配信して大丈夫なのだろうか。いや、もしかしたらこの過激さは「僧侶枠」にとってふつうなのかもしれない……。
ふと気になったこの疑問を解決すべく、『僧侶と交わる色欲の夜に…』から始まる歴代「僧侶枠」アニメを改めて視聴し直し、いわゆるちょっとだけエッチなシーンで用いられる“隠しアイテム”の出現数をカウントしてみた。
なんとなくだが、この隠しアイテムの出現数こそが「僧侶枠」における過激度のパラメータになっていると考えたからだ。
歴代「僧侶枠」アニメにおける隠しアイテム出現数
※上記のグラフは、歴代「僧侶枠」アニメ各話ごとに出現した隠しアイテムの数をカウントしたもの。手動でカウント、さらにものによってはカウントしにくいシチュエーションあり完全に正確な数値ではない点はご容赦いただきたい。
結論から言うと、筆者の考えは間違っていた。
隠しアイテムの出現数じたいは『洗い屋さん!~俺とアイツが女湯で!?~』が圧倒的に多いのだが、それはあくまで隠しアイテムが描写された数にすぎなかった。
隠しアイテムで過激な描写を隠している、という認識がそもそも誤りであったのだ。
文 /竹中プレジデント(@takepresident)
「僧侶枠」における過激な描写を隠す手法の変遷
「僧侶枠」アニメにおいて本当に過激なシーンは、隠しアイテムでは到底隠し切れないものだった。
「僧侶枠」原点となる作品、『僧侶と交わる色欲の夜に…』の隠しアイテム「木魚」のインパクトがあまりにも強かったため、勘違いしてしまっていたようだ。
では実際にはどのような手法が用いられていたのか。
たとえば『僧侶と交わる色欲の夜に…』では九条君PVなるもの差し込まれ、それらしいシーンじたいをカット、ほかの作品でも若干かたちは違えどちょっとどころではないエッチなシーンはそもそも描かれていなかった(僧侶枠比)。
そう、「僧侶枠」の過激さをそもそも全年齢で描写しようとするなど無理な話だったのだ。
ちょっとだけエッチなシーンは隠しアイテムを活用し描写し、ちょっとどころではないエッチなシーンはカット、お楽しみは完全版でね。これが「僧侶枠」黎明期から続く伝統の手法であった。
しかし、そんな中「僧侶枠」に新たなムーブメントを起こす異端児、「僧侶枠」界の暴れん坊こと『終電後、カプセルホテルで、上司に微熱伝わる夜。』が現れた。
この作品、グラフを見てもらえばひと目でわかるが、あからさまに隠しアイテムの出現数が増えている。
おそらく歴代「僧侶枠」アニメ(通常版)の中において群を抜いて冒険している内容、描写を誇る。
過激なシーンもしっかり描写する強気な構成。隠しアイテム「謎の光」を最大活用しており、ときには画面のほとんどが「謎の光」で覆われるケースも少なくなかった。
「光で隠して女性の嬌声を少なくすれば大丈夫でしょ」という強い意志を感じられる構成。
しかし、『終電後、カプセルホテルで、上司に微熱伝わる夜。』の後に放送された『パパだって、したい』、『洗い屋さん!~俺とアイツが女湯で!?~』ではここまで過激なシーンは描かれておらず、古来より伝統の過激シーンカット手法が用いられている。このように一度破壊されかけた「僧侶枠」古来の隠し手法だが、最新作では復活に至っているのだ。
それゆえ、『終電後、カプセルホテルで、上司に微熱伝わる夜。』の特殊性が際立っている。いったいこのとき何があったのか、真相は謎のままだが非常に気になるところだ。
隠しアイテムをエンタメ化した『洗い屋さん』
ではなぜ『洗い屋さん!~俺とアイツが女湯で!?~』の隠しアイテムの出現数がこれほど多いのだろうか。
グラフを見てわかるとおり、その出現数は圧倒的。しかも、「僧侶枠」伝統的のちょっとどころではないエッチなシーンをカットしているにも関わらずだ。
※上記のグラフは、歴代「僧侶枠」アニメ各話ごとに出現した隠しアイテムの数をカウントしたもの。手動でカウント、さらにものによってはカウントしにくいシチュエーションあり完全に正確な数値ではない点はご容赦いただきたい。
理由1 舞台がお風呂
理由として考えられるのが、まず第一に、作品におけるメインの舞台がお風呂ということ。
お風呂で裸になるのは自然の摂理。それゆえ露出が高くなるのはしょうがないことなのだ。こういうときほかのアニメでは、アングルや湯ぶねに浸かる、泡や湯気など、可能な限り自然なかたちで見えないように工夫している。
しかし、本作はそんな細かいことは気にせず、出ているならアヒルで隠せばいいでしょ、という小細工しない男気溢れるストロングスタイルを披露。結果、隠しアイテムのお世話になるケースが増えたと考えられる。
理由2 局地的に隠す手法を取っている
第二に、ピンポイントで隠す手法を取っていること。
さっきも言ったが本作の舞台はほとんどがお風呂(銭湯、シャワールーム)だ。『終電後、カプセルホテルで、上司に微熱伝わる夜。』のように、謎の光で全体を隠してしまうと、放送のほとんどで白塗りの光景を視聴者へお届けすることになってしまう。
それを避けるためか、本作では小回りの利くアヒルによる局地的な隠ぺい術を使っている。(のではないだろうか?)
この隠しアイテム、基本はモザイクと同じ役割を担うものであり、本来は視聴者にとって“邪魔”なものであるはずだ。
しかし、「僧侶枠」アニメを見ていて、隠されたからって消化不良にはならないし、邪魔だとも思わない。筆者だけかもしれないが、隠しアイテムじたいの登場を心待ちにしている気さえする。
想像してほしい。濡れ場で突如として「木魚」が出てきたら……濡れ場にいきなり「白い手袋」が溢れてきたら……どうだろう? 楽しくならないだろうか。
視聴者全体が実際にどう感じているのかは定かではないが、少なくともニコニコ動画のコメントではこの隠しアイテムを一種のエンタメとして楽しんでいる反応が見られる。
ちょっとだけエッチなシーンを楽しめる、短時間でテンポよく見られる内容、隠しアイテムという新しいエンターテインメントの存在……と、エッチとギャグ、ストーリーのバランスがかなりいい「僧侶枠」アニメ。今回作品を見直して、改めて魅力にハマってしまった。
ちなみに、ニコニコ動画では現在これまでの「僧侶枠」アニメを無料で見られる。もしまだ見ていない方でちょっとでも気になった方は騙されたと思って視聴してみてほしい。マジでおもしろい。おすすめ。
『洗い屋さん』1話を見る
―あわせて読みたい―
・毎回”お風呂回”の期待作『洗い屋さん!~俺とアイツが女湯で!?~』が最高すぎる…「僧侶枠」の歴代8作品とあわせて画像つきで紹介させてくれ!
タイツとはフェロモンの真空パックである──「タイツの匂いと湿度」まで描き切るアニメ『みるタイツ』原作者・よむ氏が語り明かした“タイツへの想い”とは?